前回は「兜の緒を「ガッチリ締めた」山本五十六長官〜リメンバーパールハーバー・ルーズベルト大統領の「とっておきの言葉」・「お祭り騒ぎ」に苦言呈した山口多聞司令官・「二階級特進」への全否定〜」の話でした。
大打撃に対して超冷静だった米国
真珠湾奇襲攻撃に「大成功」し、「大勝利」あるいは「大戦果」に大きく沸く日本。
対して、米国は冷静に対日戦を準備していました。
そもそも、日本の暗号を傍受・解読して「日本が先制攻撃してくる」ことを予期していた米国。
ところが、真珠湾奇襲攻撃で「想定外の大打撃」を被った米国。
思いの外、
大損害を受けた・・・
今後、どのように対日戦を
戦ってゆくか。
その方針こそが
大事だ!
差し当たって、
Kimmel太平洋司令長官を更迭せなばな・・・
それは、
当然です・・・
私は、以前から
Japanの攻撃の可能性を具申していましたが・・・
そして、Japanの奇襲攻撃に
懸命に奮戦しましたが・・・
キンメル長官は「責任を取らされて」更迭が決まります。
軍人である以上、
やむ得ません・・・
ニミッツ新米太平洋艦隊司令長官就任:少将から一気に大将へ昇級
後任は
Nimitzしかいないな・・・
彼なら、
うってつけでしょう!
では、Nimitzを
Knox長官に推薦しよう。
Kimmelの後は、
Nimitzが良いかと・・・
私も
同感です・・・
ノックス海軍長官も即座に「ニミッツ新太平洋艦隊司令長官」案を承認しました。
そして、ニミッツを呼び出して任命します。
Nimitz少将、
海軍省へ来てもらいたい・・・
はっ!
直ちに向かいます!
新たに米太平洋艦隊司令長官に
就任してもらいたい・・・
はっ!
お任せください!
旧日本海軍の年功序列的発想の「軍令承行令」に対して、米海軍の人事は非常に柔軟でした。
旧日本海軍では、卒業時の成績で多くは「先任と後任」が決定します。
軍令承行令という「年功序列と成績ランク」によって、人事が決まっていた旧日本海軍。
軍令承行令の話を上記リンクでご紹介しています。
対して、米海軍の数多くの将官たちは、「軍勤務の成績中心」で出世してゆきます。
そして、順調に出世し、遥か上位にゆく方でも一度「少将」でストップします。
実際、ニミッツは米太平洋艦隊司令長官に就任するまで「少将」でした。
米国では、あえて「少将どまりにしておいて、重要なポジションに就任させる際に中将・大将」でした。
そこで、
ニミッツよ。
大将へ進級だ!
はっ!
懸命に務めます!
一気に中将を飛ばして、大将に進級したニミッツ新米太平洋艦隊司令長官。
この様に「一つ階級を飛ばして進級」は、日本陸海軍では「戦死」以外あり得なかったのでした。
この点だけでも、日本海軍と米海軍の「組織としての成熟度」が大きく異なります。
軍令と軍政のトップ兼ねたキング:対日戦へ着実に前進続けた米海軍
これで、対日戦の前線司令長官が決定しました。
この後、米海軍内で様々な駆け引きを経て、
米海軍の軍令と軍政のトップが
別という体制は馬鹿げている!
私が米海軍の全てを
統括するのだ!
そして、最終的にキング司令官が海軍作戦部長(総長)と米艦隊司令長官を兼ねます。
しかし、
Nagumoの機動部隊の強さは・・・
航空隊が、あれほどの
戦果を挙げるとは・・・
しかも、
空母六隻を集中運用するとは・・・
さすがの私も、
考えもしなかった・・・
自他共に認める頭脳派のキング司令官。
自らの能力には、大いなる自信を持っていました。
それほど山本長官が主導してきた作戦計画は、当時は超斬新であり新鮮でした。
凄まじい威力を発揮した「空母による航空戦」と「空母集中運用による機動部隊」。
Yamamoto・・・
さすがだ・・・
Yamamotoは、今の世界中の海軍で
最強の将軍の候補になりうるだろう・・・
Japanの空母航空隊の
あの強さは・・・
全く
考えていなかった・・・
Yamamoto,Nagumo,Yamaguchiらの
優れた将軍がおり・・・
強力な空母を多数持ち、
優れた航空隊を持つJapanの機動部隊・・・
我がUSは空母増産に向け、
もっと力を入れなければ!
そして、我が海軍もまた、
大きな戦略の変更が必要だ!
「次なる戦い」へ向け、着実に戦略を進める米国でした。
次回は上記リンクです。