日本海軍の天敵ニミッツ新長官の登場〜キンメル長官の後任人事の模索・キング司令官とハル長官の思惑・キンメル長官の負傷〜|真珠湾奇襲攻撃38・太平洋戦争

前回は「戦艦と空母と海兵40期〜「日本海軍の顔」であり中心であった山本五十六長官・航空派の山口多聞司令官と大西瀧治郎参謀長・大艦巨砲主義の宇垣纏参謀長と福留繁軍令部第一部長〜|真珠湾奇襲攻撃37・太平洋戦争」の話でした。

目次

キンメル長官の負傷

Husband Kimmel米太平洋艦隊司令長官(Wikipedia)

南雲機動部隊の猛烈な攻撃に、大損害を受け続けている米海軍の真珠湾。

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沈没する米戦艦ウェスト・バージニア(歴史人2021年8月号 ABCアーク)

米太平洋艦隊の本拠地です。

うぐっ!

その本拠地である真珠湾で総大将であるキンメル米太平洋艦隊司令長官が負傷しました。

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沈没する戦艦アリゾナ(歴史人2021年8月号 ABCアーク)

まだ、
大丈夫だ・・・

俺に構わず、
Japanに反撃しろ!

Cordell Hull米国務長官(Wikipedia)

Kimmelが
負傷したか・・・

まさか、ここまで損害が大きくなるとは夢にも思っていなかったハル長官。

Kimmelの奴め、
死なねば良いが・・・・・

つぶやくハル国務長官。

キンメル長官の後任人事の模索:キング司令官とハル長官の思惑

Ernest King司令官(Wikipedia)

現状では、致命傷には、
なってはいないという報告受けています。

Kimmel司令長官の生命に、
別状はないでしょう。

そうか・・・

安心するハル長官。

しかし、
これだけの大損害を受けているのだ、

Kimmelには
責任とってもらわねばならぬな。

ハル長官は、負傷しているキンメル長官に同情しながらも、そう言います。

これだけの損害を受けた以上、キンメル長官は司令長官としての立場を維持することはできません。

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大爆発する米駆逐艦ショー(歴史人2021年8月号 ABCアーク)

まして、負傷してしまった今、日本に対する大反撃を指揮することは不可能です。

事前に「日本軍の攻撃の可能性」を知らせていれば、キンメル長官が対策とったであろうことを考えるハル長官。

内心、胸が痛いです。

Kimmelには
悪いことしたか・・・

しかし、
我がUS太平洋艦隊司令長官は帰る必要がある!

それは、
もちろんそうです!

後任は
誰が適任だろうか・・・

それは
Nimitzしかいません!

日本海軍の天敵ニミッツ新長官の登場

Chester Nimitz米太平洋艦隊司令長官(Wikipedia)

翌年1942年、米国海軍作戦部長兼米国艦隊司令長官に就任するキング。

「米海軍のトップ」として、米海軍全体を指揮することになります。

そして、トップ就任間近のキング司令官が「ニミッツしかいない」とまで言うほどの男。

そうだ!
Nimitzがいたな!

ニミッツが優れた人物であることは、米海軍全体の共通認識でした。

Nimitzならば、
Japanに大いに反撃してくれるだろう!

意気揚々となるハル長官でした。

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Frank Knox海軍長官(Wikipedia)

海軍の人事である以上、ニミッツが新たな米太平洋艦隊司令長官になるには、ノックス海軍長官の承認が必要です。

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Franklin Roosebelt米大統領(Wikipedia)

さらに海軍次官を務めた経験があり、海軍人事には決定的権限を持っていたルーズベルト大統領。

私はUS海軍の
全てを把握している!

そして、私が認めない人物には、
US海軍の重要ポストには就けない!

かなり米海軍人事にうるさいルーズベルト大統領でしたが、ニミッツとは折り合いが良かったのでした。

Nimitzに全てを
任せましょう!

事実上、この瞬間にニミッツ新米太平洋艦隊司令長官が誕生しました。

山本五十六 連合艦隊司令長官(連合艦隊司令長官 別冊歴史読本 新人物往来社)

ニミッツ新米太平洋艦隊司令長官。

日本海軍・山本長官にとって天敵となる男が登場しました。

次回は上記リンクです。

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