前回は「明智光秀の性格〜雰囲気・明智光秀と羽柴秀吉と織田信長・国盗り物語のイメージ・比叡山焼き討ち・積極的に焼き討ちに参加した光秀〜」の話でした。
光秀の卓抜した内政能力:丹波攻略戦
浅井・朝倉戦の後、信長から坂本城を拝領した光秀。
その後に、苦労に苦労を重ね、丹波を平定し、丹波一国を信長から任せられました。
光秀よ!
丹波一国を与える!
有難き幸せ!
大事にいたします!
織田家が勢力が膨張に膨張を続け、光秀が織田家の重役であるとしても「一国を拝領する」のは異例でした。
しかも、当時の首都である京・山城の隣国の丹波。
非常に重要な地です。
それだけ、信長は光秀の能力を極めて高く評価していたのでしょう。
明智光秀は、丹波の領民からは大変慕われていました。
丹波の領民を
大事にするのだ!
光秀様の
治世下は、非常に過ごしやすくて、有難い!
明智様が
領主で本当によかった!
領主にとっては、「自らの領土からの税金と徴兵」が力の根源です。
丹波国は
明智家のもの!
そして、丹波国からの
税金・収入が大事な財源だ!
「慕われるように政治を行う」のもまた「当然のこと」でした。
後世、江戸時代に領民に重税をかけるなどで、一揆を起こされる領主がでました。
江戸時代のような平和な時代ならば、自らの領民を「徴税する対象」としか考えない領主がいたでしょう。
血で血をあらう戦国期は、徴税するお金も大事ですが、「軍事力の根本」となる領民からの支持は最重要課題でした。
武田信玄は、信玄堤などの内政にかなりの力を入れる一方で、非常に重い税をかけていました。
我が甲斐は石高が小さい割に、
治水に金がかかる・・・
そして、我が武田は
四方八方戦争する必要がある・・・
民たちよ・・・
武田のために、重税を頼む・・・
信玄堤を築いてくださった信玄様の
ために、がんばろう!
うまく領民を束ねて、領民の支持は高かったのです。
あるいは比較的税金が安く、領民を慈しむように政治をしていた後北条氏は、一貫して領民の支持は高かったのです。
民こそが、
国の根幹!
年貢は四公六民
でよい!
北条領は、破格の「四公六民」という非常に年貢が低い地域でした。
北条家万歳!
北条様のために、尽くす!
北条家の領土は一揆が少なく、非常に安定していました。
壮麗な水城・坂本城:琵琶湖に佇む華麗な城
明智光秀が与えられた坂本城が京都にほど近く、大変良い立地であり、恵まれた土地でありました。
坂本城は本能寺の変後、山崎の合戦を経て落城してしまったので、残っておりません。
推定されるCG等では、大変美しく、優美な城であったことが推察されます。
京都から目と鼻の先である立地に加え、坂本城がこのような美しい水城であったことは、重要です。
同時代の城にはない非常に卓越した城でした。
織田信長の苛烈な性格を考えると、明智光秀の「異常なまでの厚遇」が分かります。
秀吉は今浜城を拝領した後、「長浜城」と名前を変えて懸命に街づくりをしました。
長浜城もまた、坂本城と同様に湖岸に突出した城でありました。
これは、信長が「琵琶湖を中心とするネットワークを構想」していたことが背景にあります。
琵琶湖の水運は、
極めて重要!
長浜城は現在再建されていますが、特に特徴のあるデザインではありません。
高松城の水攻め・三木城攻めなどで、「付城戦略」に非常に長けていた秀吉。
土木工事は
得意だ!
卓越した建築デザインセンス:信長に超優遇された光秀
とにかく城を築くことが大好きで、城攻めが得意だった秀吉。
最後には、秀麗・華麗な大坂城を築城しました。
現存する大坂城は再建であり、天下人となった秀吉が築いた規模よりもだいぶ小さい城です。
往年の大坂城の詳細は不明な点が多いですが、おそらく「豪華だった」に尽きるのでしょう。
対して、秀麗な水城を建築した光秀。
単なる「水運を活かす城」ではなく、
琵琶湖に浮かぶ城を作ろう!
光秀は建築的センス、秀吉は土木的センスを持っていたとも言えます。
のちに豪華壮麗な安土城を建築した信長。
「なんでも
一番を目指す」のだ!
素晴らしく立派で時代の最先端をゆく城を、あんなにも良い立地に明智光秀に築城させた信長。
私は
信長様に期待され、大事にされている!
なんとも不思議な気持ちになります。
信長は、秀吉よりも光秀を重宝していたように感じます。
光秀が仕官したのは、光秀が40歳の時です。
今の世なら、50歳過ぎのイメージです。
特に名声のない50歳過ぎの途中入社組の人が、急出世して専務取締役になったような話です。
重要なのは紹介者が時の将軍・足利義昭であり、「総理大臣の紹介」とも言えます。
なんと言っても、
私は将軍になるのだからな!
織田家に仕える時点で、超強力なバックを持っていた光秀。
坂本城の存在は「いかに光秀に能力があり、いかに信長に買われていたのか」を如実に示します。
次回は上記リンクです。