「真珠湾」直後に連合艦隊旗艦となった戦艦大和〜世界最強「機動部隊+戦艦」を手にした帝国海軍・曖昧な帝国海軍〜|大和ミュージアム3・帝国海軍の輝き

前回は「『時代の狭間』に進水した『大艦巨砲主義の権化』戦艦大和〜射程およそ42kmの超巨大砲塔・美しい「バルバス・バウ」〜」の話でした。

目次

「真珠湾」直後に連合艦隊旗艦となった戦艦大和

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大和ミュージアム・呉市海事歴史科学館(新歴史紀行)

巨大な戦艦大和1/10の精巧な模型が展示されている、大和ミュージアム。

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大和ミュージアム・呉市海事歴史科学館(新歴史紀行)

超巨大砲塔を3基9門を備え、前部に2基6門、後部に1基3門を備えていました。

そして、後部には甲板から一段下がって、偵察機などを射出するカタパルトなどを備えていました。

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沈没する戦艦アリゾナ(歴史人2021年8月号 ABCアーク)

真珠湾奇襲攻撃が行われた1941年12月8日の直後、同年同月16日に就役・進水した戦艦大和。

戦艦大和の存在は「超極秘」とされ、帝国海軍の中でも一握りの将官のみが知っていました。

ランク名称
5軍機
4軍極秘
3極秘
2
1部外秘
帝国陸海軍の機密ランク

帝國陸海軍では、上記の5段階の機密設定がありましたが、戦艦大和は最高ランクの軍機でした。

そして、正式に進水後には、徐々に公開され、帝国海軍将兵を強烈に鼓舞しました。

帝国海軍将兵A

おい・・・
あれが戦艦大和か?

帝国海軍将兵B

とてつもなく
大きな巨大戦艦だな!

帝国海軍将兵A

ああ・・・
あの巨砲で米海軍を叩き潰すのだ!

帝国海軍将兵B

真珠湾では、空母航空隊が
大活躍だったが・・・

帝国海軍将兵B

やはり、海戦の主役は
戦艦だよな!

帝国海軍将兵A

そうよ!
世界一の巨大戦艦を手に入れた今・・・

帝国海軍将兵A

我が帝国海軍が
世界一になったのよ!

帝国海軍将兵B

確かに我が帝国海軍が
最強だな!

おそらく、大和が進水したのを見た帝国海軍将兵は、皆同じような気持ちになったでしょう。

世界最強「機動部隊+戦艦」を手にした帝国海軍:曖昧な帝国海軍

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第一航空艦隊(ビッグマンスペシャル 連合艦隊上巻 勃興編 世界文化社)

「戦艦から空母へ」の狭間だった当時、強力な空母航空隊を有した帝国海軍。

1941年当時、空母機動部隊において、帝国海軍の第一航空艦隊は間違いなく「世界最強」でした。

真珠湾奇襲攻撃と戦艦大和に関する話を、上記リンクでご紹介しています。

当時「戦艦から空母へ」を敏感に感じていたのは、世界中の海軍将官の中でも一部でした。

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日米の海軍首脳・ミッドウェー海戦:左上から時計回りに、山本五十六 連合艦隊司令長官、Chester Nimitz米太平洋艦隊司令長官、Raymond Spruance 第16任務部隊司令官、山口多聞 第二航空戦隊司令官(連合艦隊司令長官 別冊歴史読本 新人物往来社、Wikipedia)

かねてから、空母航空隊の育成に甚大な努力をしてきた山本長官は、

山本五十六

これからは、
空母と航空隊だ!

周囲から猛反対された「真珠湾奇襲攻撃」を強行しました。

そして、山本の「空母航空隊による米艦隊本拠地の奇襲攻撃」は、山本長官の悲願でした。

ニミッツ

Japanの空母と
航空隊の攻撃力は凄まじい・・・

甚大な被害を受け、キンメル長官更迭後に米太平洋艦隊司令長官となったニミッツ。

もともと潜水艦乗りであり、米海軍省人事局など内勤も多かったニミッツの視野は広く、

ニミッツ

これからは、
戦艦ではなく空母だな!

真珠湾の被害を確認した上で、「空母へ」と頭を切り替えました。

ニミッツ

おいっ!これからは
空母と航空隊を主軸とするぞ!

米海軍将兵P

はっ!Nimitz長官!
承知しました。

今も昔も、上下関係が、日本よりも遥かに厳しい米国。

米国においては、「上官の意思決定が全て」でありました。

対して、「上官の意思決定」の効力が曖昧であった大日本帝国。

それは、第一航空艦隊においても同様でした。

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左上から時計回りに、南雲忠一 第一航空艦隊司令長官、草鹿龍之介 第一航空艦隊参謀長、源田実 第一航空参謀、淵田美津雄 第一航空艦隊赤城飛行長(連合艦隊司令長官 別冊歴史読本 新人物往来社、Wikipedia)

南雲長官よりも草鹿参謀長が、実権を持っていました。

さらに、草鹿参謀長よりも源田参謀、淵田飛行長が実権を持っていた面がありました。

このような「曖昧」な組織体制の中、帝国海軍は「大艦巨砲主義」から脱せない状況でした。

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戦艦大和(Wikipedia)

いずれにしても、世界最強「機動部隊+戦艦」を手にした帝国海軍。

は一時的に「世界最強」となりました。

そして、戦艦大和は、「世界最強」帝国海軍の象徴となりました。

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大和ミュージアム・呉市海事歴史科学館(新歴史紀行)

その戦艦大和の「ありし頃の勇姿」が見れるのが、ここ大和ミュージアムです。

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