前回は「海軍航空派を牽引する山口多聞司令官〜主役は空母へ・日本海海戦と山本五十六長官・海軍航空部隊の育ての親山本長官・海軍航空本部長と海軍次官〜」の話でした。
米海軍のYamamotoへの視線:全く想定外の正規空母6隻の機動部隊
アナポリス米海軍兵学校を、4位で卒業(卒業67名)したキング。
自慢ではないが、
私は、かなり優秀だ・・・
日本海軍と異なり、米海軍は人事に「卒業時の成績」は大して影響しません。
日本海軍の「ハンモックナンバー」のような「固定化した思想」はなかった米軍。
ハンモックナンバーと先任順序に関する話を、上記リンクでご紹介しています。
とは言っても、米軍においても「卒業時に優秀なことは高い評価」があります。
非常に明晰な頭脳を持ち、冷静な判断力を持っていたキング司令官。
米海軍でも指折りの頭脳を持ち、翌1942年に米海軍作戦部長(総長)と合衆国艦隊司令長官を兼務します。
キング司令官は、ハル長官への話を続けます。
我々は情報部・OSS(CIAの前身)と共に、
Yamamotoを研究してきました・・・
実のところ、Yamamotoが、
ここまでの大艦隊で・・・
これほどの大艦隊で、
攻め込んでくることを想定していませんでした・・・
真珠湾攻撃の可能性も、
考えてはいましたが・・・
最大で、
正規空母2〜4隻程度と考えていました・・・
米国において、山本五十六の名声は非常に高いものでした。
JapanのNavyの
Yamamotoは他のJapaneseと全然違う!
Yamamotoには
要注意だ!
米国はYamamoto=山本長官の動きを見ていて、山本の思考性を研究していたでしょう。
この綿密な情報・諜報を最重視していた米国ですら、山本の乾坤一擲の「正規(大型)空母6隻」は想定外でした。
まさか、
正規空母6隻で乗り込んでくるとは・・・
キング司令官の戦略:強力なNagumoへの対策
そうか・・・
唇を噛むハル国務長官。
想定を、大きく越える米海軍の被害。
ハル国務長官とキング司令官が協議する間にも、続々と被害の報告がされていました。
これは、
甚大すぎる被害です・・・
まずは、ルーズベルト大統領が強い決意を示す演説を米議会で行い、米国民を鼓舞する必要があります。
まずは、Roosebelt大統領が
議会で対日戦の了承を得る必要がある・・・
そして、日本への反撃に移らねばなりません。
なんとか、
Japanに痛烈な反撃ができないか。
我がUSの大西洋の艦隊を一部太平洋に
回すしか、手はありません。
我がUS軍は、
欧州へ戦力を集中しています。
その一部を割いて、
Japanの海軍に対抗するしかありません。
そうか・・・
うむ・・・
それでも反撃というよりも、
当面は防衛するのが精一杯です。
Nagumoは、
それほど強力です・・・
そもそも、米海軍が日本海軍と「対等」という事態すら考えていない米政府・米軍首脳。
その中で、キング司令官は、冷静に日本海軍の実力を分析していました。
日本海軍のずば抜けた力と、南雲機動部隊の底知れぬパワーを。
負傷したキンメル長官:艦隊の再編成へ向かう米海軍
二人がこうして協議している間に、キンメル米太平洋艦隊司令長官が負傷した連絡がありました。
Kimmel長官が
負傷した模様!
Kimmel長官が
負傷した、だと・・・
Kimmel長官は
生命は大丈夫か?
今のところ、
生命に別状はなさそうです!
くそ!
Japの野郎どもめが!
激怒するハル長官。
米太平洋艦隊司令長官という「総大将」が負傷した「非常事態」となりました。
日本海軍が、「真珠湾を攻撃する可能性」を事前に想定していたハル国務長官。
あえて、その可能性をキンメル司令長官に伝えなかったことを、少し悔やみます。
Kimmelの奴が、
無事であれば良いが・・・
そう願うハル長官。
米海軍を
完膚なきまで叩け!
この間も、南雲司令長官率いる第一航空艦隊=Nagumo機動部隊は真珠湾を猛攻撃し続けていました。
次回は上記リンクです。