前回は「帝国政府を牽引し続けた「事実上トップ」の松岡洋右〜ほぼ無言の近衛文麿首相・「五摂家筆頭」近衛家の肖像・帝国政府と大本営大幹部の中で「若造」〜」の話でした。
「若者の欧州に送らない」公約で圧勝したルーズベルト大統領

1941年6月下旬、ヒトラーが独ソ戦を開始して、世界中に戦火が広がる懸念が強まりました。
当初は、欧州戦争であった第二次世界大戦。
そして、中国では大日本帝国が、事実上「日中戦争」である「支那事変」を続けていました。
その中、世界一の大国である米国は、大英帝国や中国への支援を裏側から続けていました。
Roosevelt我がUnited Statesは
Americaの若者を大事にします!



決して、Europeの
戦争には、若者を送りません!
欧州戦争に「参戦しない」ことを公約として、1940年11月の米大統領選に臨んだルーズベルト。


その結果、地滑り的大勝利を果たしたルーズベルト大統領。
全米が「全部青」になったようなほどの、大勝利となりました。
異例の三選を果たしたルーズベルト大統領は、この後「超異例の四選」を果たしました。



「参戦しない」と
公約したが・・・



もはやそうも
言ってられんな・・・



はっ!このままでは
GermanyがEuropeを席巻してしまう可能性が・・・
早々に参戦決めていた米国:ヒトラーが目指した最新兵器


当時、工業力、経済力は圧倒的であり、原油に至っては「世界の2/3」を握っていた米国。
まさに「米国以外の国家が束になってかかっても敵わない」ほどの超巨大国家でした。
その一方で、ヒトラー率いるナチスの力は猛烈であり、



これ以上、Hitlerを
のさばらせては・・・



我がUnited Statesといえども、
侮れんな・・・



はっ!
さらに、Germanyの科学力もまた侮れません・・・
19世紀後半から、20世紀初頭まで、ドイツは「科学のメッカ」でした。



あのHitlerが
新型爆弾でも手に入れたら・・・



奴のことだ・・・
迷わず、敵国に爆撃するだろう・・・



どんなに悲惨で強烈な
爆弾であろうと・・・



Hitlerは、躊躇せずに
敵国に撃ち込むだろうな・・・
ヒトラーが新型爆弾を手に入れる事態は、「想定される自体の中で超最悪事態」でした。



とにかく、そんな事態になる前に、
Hitlerを止める必要がある・・・



Hitlerと軍事同盟を
結んでいるJapanもChinaで暴れています・・・



うむ・・・
公約のため、こちらから参戦は出来ん・・・



だから、GermanyかJapanに
我が国を攻撃してもらって、参戦するしかないな・・・



Hitlerの軍隊は強力ですが、
流石に大西洋を渡ってくるのは、まだ先です・・・



とすると、Japanの近くに
我が領土Philippineがあり・・・



我が海軍の基地がある
Hawaiiに近いJapanならば・・・



我が国を
攻撃してくる可能性が高いな・・・



Japanの軍部は
かなり強力であり・・・



その可能性は
あります・・・



現在、駐米大使のNomuraと
交渉中ですが・・・



どうにもこうにも
進展がないです・・・



Japanに我が国を
先に攻撃させて、一気に参戦する!



この戦略
しかないな!



はっ!
Nomuraは適当にあしらっておきます・・・
1941年6月下旬には、米国はすでに参戦の意思を決定していたと思われます。
この頃の話を、上記リンクでご紹介しています。
「超甘い」目算を持っていた松岡外相:ドイツの超過大評価


米国は、とっくに「参戦の意思」を固めていたのに対し、我が国は悠長な雰囲気すらありました。
第二の二
帝国は自存自衛上南方用域に対する各般の施策を促進す
之が為対英米戦準備を整へ、先づ「南方施策促進に関する件」に拠理仏印及泰に対する諸方策を完遂し以て南方進出の体制を強化す帝国は本号目的達成の為対英米戦を辞せず
第二の三
独ソ戦に対しては三国枢軸の精神を基調とするも暫く之に介入することなく密かに対ソ武力的準備を整へ自主的に対処す
独ソ戦争の推移帝国の為極めて有利に進展せば武力を行使して北方問題を解決し北辺の安定を確保す
第二の四
前号遂行に方り各種の施策就中武力行使の決定に際しては対英米戦争の基本態勢の保持に大なる支障なからしむ
独ソ戦直後にまとめられた陸海軍部新国策案を元に、何度も会議が開催されました。
1941年6月27日も、近衛首相を中心とする会議が開催され、



独ソ戦は
短期に終わる!



本年中には独英戦も
終わる!
なんと、松岡外相は「1941年中にドイツがソ連と大英帝国を倒す」という超甘い見方を持っていました。
現代の視点から考えると、「超甘い」を超えて「外相失格」以外の何者でもなかった松岡。
この「甘すぎる目算」のもと、大日本帝国最高首脳部は、戦略を検討していたのでした。
味方であるドイツを「超過大評価」し、敵である大英帝国を「超過小評価」した松岡。
そして、「甘すぎる目算」は当時の大日本帝国政府と軍部に共通していた不思議な性質でした。
この「甘すぎる目算」が、ミッドウェーにつながってゆくと考えます。


