前回は「真珠湾奇襲攻撃 18〜宣戦布告通達時刻の行方〜」でした。
山本長官による真珠湾奇襲攻撃は「宣戦布告30分前」に実施と決まり、それらは外務省本省から米国大使館へ次々と無電で連絡が入ります。
無電はほとんどが傍受・解読され、米国は日本の動きをつかんでいました。
「そろそろ来るな。」とルーズベルト米大統領は考えます。
Franklin Roosebelt米大統領(Wikipedia)
そして、ハル国務長官と共に「日本に先制攻撃させるが、被害は出来るだけ抑えるよう」に考えます。
日本が米国側に宣戦布告することは間違いなく、それも間近なのですが「具体的にいつ宣戦布告してくるか」は米国も分かりません。
Cordell Hull米国務長官(Wikipedia)
真珠湾奇襲攻撃に関しては、日本海軍で極秘となっており、各艦隊の司令長官・司令官・艦長までしか事前には知らなかったのです。
この面では日本海軍の情報封鎖は徹底していました。
「どこを攻撃してくるんだ?」とルーズベルト大統領は気になります。
スチムソン陸軍長官は、日本が攻撃してくるであろうフィリピンの防衛準備を
マッカーサー極東米陸軍司令官に命じます。
Henry Stimson陸軍長官(Wikipedia)
日本軍を侮っていたマッカーサーは「準備万全で、俺がいる限り大丈夫だ。」と考えます。
Douglas MacArthur極東米陸軍司令官(Wikipedia)
「日本海軍はどこを攻撃してくるんだ?」とキング司令官は考えます。
キングは翌1942年に、米国海軍作戦部長(日本の軍令部総長)兼合衆国艦隊司令長官となり、
米海軍のトップとなります。
日本海軍は多くの戦艦・正規空母を持ち、非常に強力でした。
「まさか遥か遠い日本から、真珠湾を攻撃はしてこないだろう。
しかも空母がそれほど遠くまで攻撃に向かうことは、これまでかつてない。」と
キング司令官は考えます。