前回は「上杉謙信 2〜越後の龍の猛烈なパワー〜|戦国武将」でした。

今回は、武田信玄・上杉謙信と三つ巴で争った智勇兼備の名将:北条氏康です。
信玄、景虎と地味な印象のある氏康ですが、文武両道の類稀な武将です。
武田信玄は甲斐守護の武田家、長尾景虎は越後守護代の長尾家出身ですが、北条家は、まさにデキ星大名でした。
北条氏康に至るまでの北条家を、見てみましょう。
初代の北条早雲は本名の伊勢宗瑞の頃に今川家に関わって、伊豆へ侵攻します。

室町幕府の高級官僚の家柄である「伊勢家の関係者」という説もある、伊勢宗瑞。
実態は、定かなことは分かりません。
伊豆の韮山城に地歩を築いた宗瑞(以下、早雲)は、扇谷・山内両上杉家が支配していた相模から武蔵へと侵攻を企てます。
当初は同盟関係にあった扇谷上杉氏と断交した早雲は、相模へと侵攻します。

同じ上杉家である「扇ヶ谷」と「山内」で争っている関東に、突然に伊勢宗瑞率いる勢力が伊豆の端に登場します。

どんどん領土を広げるぞ!
鳴り物入りで、関東に乱入した早雲。
関東武士たちは思ったでしょう。
伊勢って誰?



私が関東の覇王になるのだ!
旧勢力が、小競り合いしていた関東。
伊勢宗瑞の登場によって、一気に嵐が吹き荒れてゆきます。