西郷隆盛 1〜近世を葬った男登場〜|幕末維新

前回は「織田信長 3〜中世を抹殺した男 1〜」の話でした。

西郷隆盛(国立国会図書館)

信長が日本の中世を抹殺した人物であるならば、幕末維新期に「日本の近世を葬った男は誰か?」という話になります。

それは西郷隆盛です。

大河ドラマ「西郷どん」は、演じた鈴木亮平さんが大変良くて、共感呼びました。

鎖国といっても、長崎をはじめ、海外との交流はある程度あっ江戸時代。

幕末には、欧米がアジアに進出してきて、諸外国との交流が急速に多くなった時期でした。

幕末維新期にかけて、英国・ロシアなどとの関係が出てきて、米国からペリーがやってきて日米和親条約締結に至ります。

Matthew Calbraith Perry(Wikipedia)

ペリーがアメリカに帰ってくれたと思ったら、4年後に今度はハリスがやってきます。

そして、幕府に日米修好通商条約締結に迫ります。

日本中が外国との関係に揺れた時期でした。

Townsend Harris(Wikipedia)

そこに西郷隆盛があたかも「日本の近世と徳川幕府を葬るため」に颯爽と登場します。

西郷隆盛を好き・尊敬する日本人は多数おり、実情家や政治家の方々にも多い。

しかし、西郷隆盛という人物は分からないころが多すぎる感じです。

当初は同士で、後に袂を分ち相討つことになる大久保利通は、西郷とは対照的に不人気です。

大久保は、西郷に比べると非常に分かりやすい。

大久保利通(国立国会図書館)

西郷同様「謎が多い大人物」に、坂本龍馬がいます。

坂本龍馬は「実際に何をやって、どのような活動をしていたのか」自体が謎です。

司馬遼太郎の「竜馬がゆく」は僕も大好きで、10〜20代の若者はあの本を読んで、「俺も竜馬のようになりたい」と胸を熱くします。

しかし、司馬氏自身が「竜馬は坂本龍馬を元にしたフィクション」と言及しています。

謎多き坂本龍馬の人生に様々な脚色をしているため、「竜馬」は坂本龍馬とはほとんど別人物と思って良いでしょう。

坂本龍馬(国立国会図書館)

対して西郷隆盛は「何をやって、どのように活動したか」がほぼ明確になっているのですが、この人の考えていることは、良く分からない。

「西郷隆盛はよく分からない」という気持ちは当時、おそらく大久保利通や木戸孝允も同じように感じたのでしょう。

木戸孝允(国立国会図書館)

西郷の本心が、さっぱりわからない。

島津薩摩藩の下級役人を務めていた西郷。

西郷登場のきっかけは、さまざまな建白書を書き、藩主島津斉彬の目に止まったという話です。

これは、島津斉彬の方が薩摩藩の中央進出に対して「使える人間を探していた」のが実情だったでしょう。

座右の銘は「敬天愛人」だ!

人を愛した、人徳ある人間だったかのように考えられています。

島津斉彬(国立国会図書館)

しかし、若い頃の西郷はそんな殊勝な人間ではなかったようで、かなりアクが強かったようです。

ともすると同僚から毛嫌いされる傾向があったようです。

西郷は、私でなければ使えない。

それくらい、普通の人とは違う扱いづらさがある人間だったのでしょう。

西郷の若き頃の実像は、「非常に有能で魅力がある一方で、態度も大きくアクが強いかなりの曲者」であったと考えます。

むしろ、それくらいアクが強く、ともすれば悪党にもなれる人物でなければ徳川幕府という「現政権を武力でブチ倒す」ことは不可能に違いない。

徳川慶喜(国立国会図書館)

hh

斉彬の元、江戸など政治の中心で薩摩藩の代理とも言える役目を務め、橋本左内や梅田雲浜らともつながります。

諸外国と地道に折衝を続けるも、屋台骨がグラグラ揺れてきている徳川幕府。

薩摩藩はどのように
時代を切り抜けてゆくべきか。

島津斉彬の秘書として、諸士と密謀とも言える話し合いを重ね、中央政界で西郷隆盛は一躍飛躍してゆきます。

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