前回は「真珠湾奇襲攻撃 29〜光るルーズベルトの瞳〜」でした。

ルーズベルト大統領とハル国務長官が、「いかに米国民を鼓舞して、戦争勝利へ向かうか」を相談している間。
日本海軍による真珠湾への猛烈な攻撃が続きます。
第二航空戦隊の山口多聞司令官。
一度は攻撃隊から外されかけたものの、山本長官に懇願して攻撃隊に加えてもらいました。
荒くれ者でもともと水雷専門の南雲司令長官とは異なり、山口司令官と山本長官とは気心が合います。
そして、同じ「航空派」として海軍を牽引してきている自負があります。

私が、日本海軍の将来を担うのだ!


山本長官の補佐役であり、山口と海兵同期の宇垣纏連合艦隊参謀長。


「山本長官とは、あまりウマが合わない」と言われていました。
「山本長官が、宇垣参謀長を嫌っていた」とも言われています。
宇垣参謀長は、もともと「大艦巨砲主義の権化」とも言える存在でした。



戦艦こそが、海軍の主軸!


宇垣参謀長は、軍令部NO.3の第一部長だった時、巨大戦艦大和・武蔵の建造推進の急先鋒でした。



大艦巨砲主義は、もはや古い!



なんだと!



航空機に戦艦が沈められるか!



まもなく、空母・航空機優位の時代になる。


南雲長官率いる第一航空戦隊は第一航空戦隊・第二航空戦隊・第五航空戦隊の三つに分かれていました。
第二航空戦隊の正規空母飛龍・蒼龍を率いる山口司令官。




海軍兵学校での同じ成績上位者として、山本長官と共に「知性派」の部類に入る山口司令官。
「これから主体となる空母・航空隊」の主役の一人であり、山本長官の事実上の「航空隊の補佐役」です。
本来、能力と実績からは山口司令官が第一航空艦隊司令長官でもおかしくはないのです。
しかし、日本海軍特有の「先任順序」によって、航空艦隊長官最適任者である小沢治三郎、山口多聞は外されます。


そして、なんとなく決まった南雲司令長官。



自分でなくても、せめて小沢さんが航空艦隊長官なら・・・・・



しかし、もはや仕方ない!
知性派の上に激情家であり、根っからの闘将である山口司令官。



かかれ〜!米艦隊を撃沈せよ!
米空母を叩け〜!
座乗する空母飛龍司令室で、大いに勇んでいたのでした。