前回は「真珠湾奇襲攻撃 28〜奇襲攻撃への米国の対応〜」でした。

野村大使と話している時間すら無駄に感じるハル国務長官。
早々に野村大使を帰らせて、急ぎ大統領室へ向かいます。


ルーズベルト大統領、野村大使と会って、
日本の最後通牒を受け取りました。



そして、奇襲攻撃後の宣戦布告であることを、
日本の奴らに十分わからせてやりました。



うむ。



日本の奴らが持ってきた最後通牒は、我が情報部が
傍受・解読した文書と、ほぼ一致していました。



我が情報部の体制は、万全です!



それは良かった。



あとは世界中に、我が米国が連合国側として参戦することを
知らしめることが先決だ!



そして、チャーチルが大変な思いをしているから、
英国を救おう。





しかし、その前に・・・



我が米国民に、参戦を納得してもらい、
世論の支持を得なければならぬ。



我が米国の「戦争参加」が「日本に騙し討ちをされてやむを得ず、
米国は参戦する」ことを明確に打ち出す必要がある。
異例の三選を果たしていましたルーズベルト大統領。
「米国は参戦しない」を公約としていました。
その公約で、圧倒的勝利を得たルーズベルト。
米国中が青(民主党)になったかのような大勝利でした。


それだけに一歩間違えば、米国民の支持を一気に失います。
英国の度重なる要請を受けてきた米国。
まずは日本・ドイツとの戦いよりも優先すべきことは、「自国民の強い支持」です。



真珠湾で、我が米海軍が大打撃を受けているが・・・



米国が本気を出せば、ドイツ・日本を倒すことは十分可能。





それには、米国の全国民が私についてくることが大前提だ。


米国大統領として考えるメッセージを明確なプロパガンダとして打ち出す必要があります。
その案を、ずっとルーズベルト大統領は、温め続けてきました。
それを、明確に「打ち出す時」が来たのです。
ルーズベルト大統領の瞳が、キラリと光ります。



私の本領発揮だ!


ルーズベルト大統領とハル国務長官が、こうして相談している間。
「真珠湾攻撃成功」の大きな喜びと、「米空母不在」の大きなショックを受けて、沈黙する山本司令長官でした。



米空母はどこに・・・
そして、山本司令長官ら海軍首脳は「宣戦布告の遅れ」など、予想だにしていなかったです。