前回は「チャーチル英首相の要請に揺れる米国〜ルーズベルト大統領の公約・日米交渉の行方・ハル国務長官・野村大使+栗栖大使・日本に強い不信感抱いたハル国務長官・無能な野村と米国の敵である来栖〜」の話でした。
ルーズベルト大統領の視線:米国に依存していた日本の軍需物資
1941年当時米国の目は、はっきりとヨーロッパを向いていました。
Hitlerを、
なんとかしなければ!
奴は本当に
Europeを制圧してしまいかねない!
全Europeを
我がGermanyの手に!
太平洋にも大きな権益を持つ米国にとって、日本の動向は見逃せません。
日本は物資を米国に大きく頼っていました。
米国なくして日本の国は成り立ちません。
特に軍需物資である石油・鉄は70〜80%が米国からの輸入でした。
日本と米国の国力は、
隔絶している・・・
だからこそ、
真珠湾奇襲攻撃なのだ!
米国に一発で大きな打撃を
与えねば、絶対に我が日本が勝つことは不可能だ!
軍令部の目指す南方資源地帯の原油
真珠湾奇襲攻撃に、猛烈に反対していた軍令部。
軍令部が「真珠湾攻撃よりも、南方進出優先」と主張していたのは、至極当然のことであったのです。
油がなければ、
海軍に致命的な打撃だ・・・
だから、まずは何よりも
南方資源地帯の確保最優先!
日本は国力や技術はドイツよりも下であり、軍事力もドイツよりも下であると考えられていました。
とにかく、Europe優先!
Hitlerを倒し、UKを助けなければ!
一方で、太平洋の米国の支配下の国を日本に攻撃されるのを防がねばなりません。
米国は原油や鉄などの日本への輸出を差し止め、日本をジリ貧に追い込もうとします。
Japanは攻撃してくるだろう・・・
攻撃してくるのはどこか?
日本の攻撃先は、いくつか選択肢があります。
中国に進出していた日本が米国に頼っていた原油等の物資を求めて、南下することは想像できます。
Japanの奴らは、
南下して、蘭印を狙うだろう・・・
マッカーサー登場:米領フィリピンの鍵を握る男
蘭印は大きな石油資源があり、日本が狙うことは間違いありません。
当時、蘭印は原油年間生産量は米国よりはるかに劣るものの約800万トン/年を算出しました。
世界全体で見れば蘭印の原油産出量は大したことはありませんが、日本の需要を賄うには十分です。
蘭印の
原油は非常に魅力だ・・・
当時フィリピンは米国の支配下にありました。
日本は蘭印を攻撃する前に、
必ず米領フィリピンを攻撃するだろう。
蘭印攻撃の制海権・制空権を確保するためには、日本が米領フィリピンを支配下に収めることが必須だったのです
米国太平洋艦隊本拠地であるハワイへの攻撃も、可能性としてあり得ます。
一方で、ハワイは日本から非常に距離があります。
JapanがHawaiiを
攻撃する可能性はある!
可能性はあるが、
低いだろう・・・
というのが米国の本音だったでしょう。
その意味では、山本長官の狙いは正しかったのです。
とにかく、
緒戦で米国に大打撃を!
空母機動部隊が、これほど遠く(日本→ハワイ)の目標を攻撃すること。
それは、それまで「前代未聞のこと」であったのです。
そもそも、正規空母・大型空母をこれだけ大々的に集中運用する「空母機動部隊」の発想自体が当時新鮮でした。
だから、
奇襲攻撃を行うのだ!
そして、米領フィリピンで米国陸軍を率いていた軍人。
それは誰あろう、他ならぬマッカーサーでした。
次回は上記リンクです。