チャーチル英首相の要請に揺れる米国〜ルーズベルト大統領の公約・日米交渉の行方・ハル国務長官・野村大使+栗栖大使・日本に強い不信感抱いたハル国務長官・無能な野村と米国の敵である来栖〜|真珠湾奇襲攻撃12・太平洋戦争

前回は「織田信長・源義経・上杉謙信を兼ねた超軍神となろうとした山本五十六〜大荒れの果ての元の木阿弥・断念した山本長官・永野軍令部総長と及川大臣の猛反対〜|真珠湾奇襲攻撃11・太平洋戦争」の話でした。

目次

日米交渉の行方:ハル国務長官・野村大使+栗栖大使

Cordell Hull国務長官と野村・来栖米国大使(歴史街道 2021年12月号 PHP研究所)

日本海軍がハワイ真珠湾奇襲攻撃の作戦内容と人事でゴタゴタしている間も、日米交渉は続けられていました。

Adolf Hitler独総統(Wikipedia)

当時、ヨーロッパではヒトラー率いるドイツが猛烈な勢いで進撃を続けていました。

全Europeを
我がGermanyの手に!

1941年ヨーロッパ戦況地図(連合艦隊 勃興編上巻 世界文化社)

猛烈なドイツ軍の勢いにより、ほぼヨーロッパ全土がドイツ及び同盟国(枢軸国)となった状況でした。

強国フランスですらドイツに降伏し、フランス北部はドイツの支配下に置かれます。

日本に強い不信感抱いたハル国務長官:無能な野村と米国の敵である来栖

Cordell Hull米国務長官(Wikipedia)

Japanと交渉を
続けているが・・・

Japanが何を考えているのか、
がいまいちピンとこない・・・

日米交渉継続中に、米国はすでに日本の暗号解読を進めていました。

Japanの暗号は
解読しているが・・・

そもそも、Japanのボスは
Emperorなのか、Tojoなのか・・・

日本の曖昧な国家体制に、日本の出方が読みにくい状況の米国。

さらに、異例の「野村・栗栖の二人の大使」という重厚布陣の日本外務省に対して、

Nomuraは、Japanses Navyの
大物らしいが・・・

NomuraのEnglishの
レベルが低すぎる・・・

Japanはなぜ、こんな程度の
人間を大使にする?

日独伊三国同盟:左手前日本代表が栗栖大使・中央にヒトラー総統(Wikipedia)

そして、この
Kurusuという男・・・

Englishは達者で、会話するには
良いのだが・・・

KurusuはJapan,Germany,Italyの
三国軍事同盟の代表として調印した人物・・・

いわば、Kurusuは
Hitlerの仲間ではないか・・・

つまり、Kurusuは
わがUnited Statesの敵・・・

なぜ?
なぜ、こういう人事になるのだ・・・

ハル国務長官には、日本外務省の発想が理解できません。

Japanの外務省は、
一体何を考えているのか?

我がUnited Statesと本気で
外交交渉する気があるのか?

その気がないのか?
あるいは、何も考えていないのか・・・

この「ハル長官の不信感」は「日本外務省が考えもしなかった」ことでした。

日本側は「本気で米国と交渉妥結する意欲」があったのでした。

ところが、米国的発想では「信じられぬほど低レベルな発想」だったのでした。

チャーチル英首相の要請に揺れる米国:ルーズベルト大統領の公約

Franklin Roosebelt米大統領(Wikipedia)

野村・栗栖両大使に対し、強い不信感を持っていたハル国務長官。

一方で、着実に日本の暗号解読を進め、1941年4月頃には

japanは、
先制攻撃してくるだろう・・・

と考えていました。

当時、選挙で非常な強さで当選し、異例の3選を果たしていたルーズベルト大統領。

もはや全米が青色に染まった、民主党ルーズベルト大統領の圧勝でした。

1940年米国大統領選挙(Wikipedia)

圧勝したルーズベルト大統領は、選挙中に

我がUnited Statesの若者たちを、
決して他国の戦場には行かせない!

と公約していました。

そのため、

EuropeもAsiaの状況も
かなり緊急性を要する状況だが・・・

米国から宣戦布告することは「できない」状況でした。

我がUnited Statesが宣戦布告すれば、
公約違反となり、次期大統領はない・・・

この頃、ヒトラー率いるドイツ軍に、連日ロンドンを空襲されていた大英帝国。

Winston Churchill英首相(Wikipedia)

Hitler率いるGermanyを、
どうにかしてくれ!

チャーチル英首相からは、ルーズベルトに米国参戦の要請がひっきりなしにきます。

ドイツはロンドン空襲を続け、英国(大英帝国)は既に敗北間際という立場でした。

米国としては英国を見捨てるわけには行かず、武器などの後方支援は積極的にしていました。

武器など後方支援は、
積極的にやろう!

多方面で戦争を続けるドイツですが、その勢いは全く止まるところを知りません。

このままでは、UKまでもが
Germanyに占領されてしまう。

それはUSとしては、
絶対に避けなければならない事態だ!

ドイツが英国まで占領下に置いてしまっては、いかに米国といえどもドイツを倒すのが困難になります。

1941年ヨーロッパ・アジア支配圏(歴史人2021年8月号 ABCアーク)

長らく太平洋へ侵攻し、西へ西へと進んできた米国。

ルーズベルト大統領にとって日本やアジアのことは「二の次」でありました。

なにはともあれ、ヨーロッパ戦線の方が遥かに重要かつ緊急でした。

そして、アジア地域の米陸軍を統括する米陸軍司令官。

米陸軍司令官は、日本人にとって馴染み深い「あの人」だったのです。

新歴史紀行
Douglas MacArthur陸軍元帥(Wikipedia)

次回は上記リンクです。

新歴史紀行

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

目次