真珠湾奇襲攻撃 14〜マッカーサーとルーズベルト・フィリピン・極東米陸軍司令官〜|太平洋戦争

前回は「真珠湾奇襲攻撃 13〜マッカーサー登場・ルーズベルト・ヒトラー・チャーチル〜」の話でした。

目次

マッカーサー米陸軍司令官とルーズベルト大統領

当時、日本が攻撃する可能性の高いフィリピンで米陸軍を率いていた人物。

のちにGHQ連合国軍最高司令長官となり、日本統治の責任者となったマッカーサー将軍でした。

Douglas MacArthur陸軍元帥(wikipedia)

大変優秀で、ウェストポイント陸軍士官学校を主席卒業し、将来を嘱望されたマッカーサー元帥。

第一次世界大戦で数々の勲功をあげ、多くの勲章をもらい、米国で大変な人気がありました。

Franklin Roosebelt米大統領(Wikipedia)

ところが、マッカーサー元帥はルーズベルト大統領と大変折り合いが悪い仲でした。

もともと共和党であるマッカーサー元帥に対して、ルーズベルト大統領は民主党。

そして、海軍次官を務めたルーズベルト大統領は、生粋の海軍軍人でした。

We(米海軍)・・・

They(米陸軍)・・・

米海軍を”We”と呼び、米陸軍を”They”と呼ぶほど海軍に入れ込み、米陸軍は「敵に近い」存在。

それだけでなく、二人は「考え方が根本的に合わない仲」で、非常に険悪でした。

私は、MacArthurが
大っ嫌いなのだ!

異例の大出世を遂げたマッカーサーは、かつてフィリピンのマニラ地区司令官などを務めます。

そして、フィリピン駐留アメリカ軍総司令官にもなったことがあります。

水と油の仲:ルーズベルトとマッカーサー

米軍最高司令官であるルーズベルト大統領と険悪な間柄であるマッカーサー。

MacArthurは、
有能かもしれないが、嫌いだ。

嫌いな人間は
いらない!

一度は米陸軍を辞めさせられて予備役となります。

ルーズベルト大統領は、かなり好き嫌いの激しい人物でした。

海軍内でも、「自分が海軍次官の時に不快感を感じた人間」の昇進人事を絶対に承認しなかったのです。

大日本帝国の進出(第二次世界大戦全史 洋泉社MOOK)

マッカーサーは、フィリピン・フィリピン人に大変好意的でした。

Philippineは
第二の故郷だ。

アメリカ軍を予備役となったあとは、フィリピン陸軍元帥となりフィリピンの国防に全力を尽くしていました。

Philippineのために、
尽くそう!

「日本との戦争間近」と判断したルーズベルト大統領。

フィリピンと極東米陸軍司令官

嫌いなものの、極めて有能なマッカーサーの極東米陸軍司令官への任命を検討するルーズベルト大統領。

MacArthurは
嫌いなんだが・・・

この人事を推進・承認した人物。

それは、こちらもフィリピンに馴染み深い「前フィリピン総督」のスティムソン陸軍長官でした。

Henry Stimson陸軍長官(Wikipedia)

MacArthurは司令官として、
極めて有能です。

他に
適任者がいません。

MacArthurは大嫌いだが、
止むを得ん。

そして、マッカーサー司令官に、日本からの防衛を指示します。

Philippineは
任せたぞ!

OK!
任せてくれ!俺がいれば、万事OK!

フィリピンを愛するマッカーサーは勇躍します。

Cordell Hull米国務長官(Wikipedia)

ハル国務長官は日本に先制攻撃をさせるまで「日本を攻撃してはならない」とマッカーサー司令官に命じます。

Japanは攻撃するな!
とにかく、Philippineを、しっかり守れ!

分かってるぜ!

日本軍を、完全に甘くみていたマッカーサー司令官。

Japanが攻めてきたら、
返り討ちにしてやる!

「まもなく日米開戦」と考えていた米国は。

米国は日本の暗号を解読・日本の出方を見ながら、万全の体制を考えて準備します。

Douglas MacArthur陸軍元帥(歴史人 2021年8月号 ABCアーク)

この間も、日米交渉は続けられていました。

ヨーロッパを最重視しつつも、米国は日本の暗号を可能な限り解読し、じっと動きを見つめていたのでした。

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