前回は「井伊直弼 7〜家定の決意〜」の話でした。

問題山積で、諸外国との交渉が次々出てきて、混乱する将軍家定。


大老を任命し、この非常時を乗り切る!
決断する将軍家定。
といっても、大老は非常職です。
そして、「簡単に任命するべきではないポジション」です。
最高権力者はもちろん将軍ですが、将軍は「後方で鎮座している存在」とも言えます。
事実上、老中が総理大臣のような立場です。


老中が、政治上の意思決定者です。
その老中の上に位置する非常職「大老」。
将軍家定が考えている時期までに、10名が任命されています。
250年近い徳川幕府の歴史の中で、家定の前に12名の将軍。
対して、大老は10名しかいないのです。
それほど、希少な存在である「大老」。
大老となる資格があるのは、徳川譜代であることが前提です。
これまでには下記の家から出ています。
井伊家:5名
酒井家:3名
土井家:1名
堀田家:1名
井伊家のみで半分を占めます。
文武両道で、徳川家康の信任が非常に篤かった初代藩主 井伊直政の強い影響を感じます。


しかも、直近は4代続けて井伊家です。
大老前任者は井伊直亮=井伊直弼の前彦根藩主。



大老は井伊か、酒井か・・・・・



はたまた、他に適任者がいるのか・・・・・・
悩みに悩む、将軍家定でした。