前回は「井伊直弼 8〜大老という存在〜」の話でした。
井伊直弼(Wikipedia)
将軍継嗣問題・海外との折衝と難題ばかり続く中、将軍家定は
非常職・大老設置を決意します。
「誰か優れた人間を大老に・・・」と将軍家定は考えます。
第13代将軍 徳川家定(Wikipedia)
「井伊しかない・・・・・」と井伊直弼に白羽の矢を打ちます。
1858年、将軍家定は井伊直弼を非常に大きな権限を持つ
「非常時の役職」である大老に任命します。
彦根藩主になっただけでも驚きだった直弼。
彦根藩の運営に全力で臨んで8年。
着々と成果を上げつつあったところでした。
藩主となって8年で時代は大きく変化し、猛烈なうねりの中にありました。
西郷隆盛・高杉晋作らが時代の表舞台に登場し、混迷の時代を迎えつつありました。
そして将軍家定は、あたかも神君徳川家康公を補佐した井伊直政のごとき役割を、
同じ井伊である井伊直弼に託したのでした。
そして「大老」という非常職に就任した直弼。
事実上の最高国家権力者となった瞬間でした。