日本の攻撃に慌てたフィリップス司令官〜早々に爆撃受けたレパルス・「艦隊決戦」は見劣りした小沢長官の南遣艦隊・巡洋戦艦レパルスの打撃力〜|Malayの叫び12・マレー沖海戦

前回は「山本とビール賭けた三和義勇の瞳の先〜プリンスオブウェールズ攻撃の行方・出動命じた小沢南遣艦隊長官・大西瀧治郎から松永貞市へ引き継ぎ〜」の話でした。

目次

「艦隊決戦」は見劣りした小沢長官の南遣艦隊:巡洋戦艦レパルスの打撃力

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英巡洋戦艦 Repulse(Wikipedia)

英国の最新鋭の巡洋戦艦レパルスは、当時の艦隊の中でも、かなり強力な存在でした。

英語で「反撃・撃退」の意味を持つ”Repulse”を名称として与えた英国海軍。

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Winston Churchill英首相(Wikipedia)

海軍大臣も務めた経験があるチャーチル英首相もまた、レパルスの威力に大いなる期待を持っていました。

Winston Churchill

最新の巡洋戦艦
Repulseが出てゆけば、Japanなど木っ端微塵!

そもそも、あまり聞かない「巡洋戦艦」という名称が示す通り、「巡洋艦と戦艦」を示します。

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左上から時計回りに、永野修身 軍令部総長、山本五十六 連合艦隊司令長官、伊藤整一 軍令次長、小沢治三郎 南遣艦隊司令長官(連合艦隊司令長官 別冊歴史読本 新人物往来社、Wikipedia)

正面切って戦う小沢治三郎長官率いる弱小部隊・南遣艦隊は、重巡洋艦派遣を山本長官に要請しました。

小沢治三郎

山本長官!
我が南遣艦隊は貧弱すぎます!

小沢治三郎

真珠湾攻撃が最優先とは言え、
マレー攻略のために、重巡洋艦を派遣してください!

山本五十六

確かに、小沢君が
いうことも分かる・・・

山本五十六

よしっ!
重巡洋艦鳥海を派遣する!

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重巡洋艦 鳥海(Wikipedia)

こうして、貧弱艦隊・南遣艦隊に、つい最近に加わったのが重巡洋艦鳥海でした。

小沢治三郎

よしっ!
我が艦隊は鳥海を旗艦とする!

そして、南遣艦隊の旗艦となったのが重巡洋艦の鳥海であり、巡洋戦艦レパルスのほうが打撃力が上でした。

小沢治三郎

どうも、英東洋艦隊は
強力な巡洋戦艦Repulseがいるらしいな・・・

この時点で、すでに「分が悪い」状況であった貧弱艦隊・南遣艦隊でした。

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英戦艦 Prince of Wales(Wikipedia)

そして、さらに最新鋭戦艦であるプリンス・オブ・ウェールズが英東洋艦隊に加わっていました。

Prince of Wales(プリンス・オブ・ウェールズ)

・英国における王位の法定(推定)である王子に与えられる称号

名称からして、戦艦「皇太子」とも言えるプリンス・オブ・ウェールズは、当時最強クラスの戦艦でした。

まだ「砲撃による艦隊決戦」が主流であった当時。

砲撃力・打撃力を比較すると、英東洋艦隊と南遣艦隊では比較にならないほど差がついていたのが現実でした。

つまり、南遣艦隊は英東洋艦隊よりも「はるかに見劣りがする」艦隊でした。

この点で、

Winston Churchill

Prince of Walesがいる
我が艦隊が勝つに決まっている!

と考えたChurchill首相の発想は「当然だった」と言えるでしょう。

日本の攻撃に慌てたフィリップス司令官:早々に爆撃受けたレパルス

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松永貞市 第22航空戦隊司令官(Wikipedia)

どう考えても「分が悪い」状況でしたが、山本長官肝入りの航空隊がいるのが日本の強みでした。

草鹿参謀長と41期同期の松永貞市司令官は、生粋の航空派でベテラン中のベテランでした。

松永貞市

我が航空隊で
英東洋艦隊を撃滅して見せよう!

大いに張り切っていたのが松永司令官でした。

松永貞市

航空隊よ!
出撃せよ!

航空隊

はっ!松永司令官!
行って参ります!

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九七式艦上攻撃機(Wikipedia)

日本海軍で山本長官たち幹部が大いに期待する航空隊。

当時は、まだ航空隊は主力ではなく「戦艦や巡洋艦の補助」的な役割と考えられていました。

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三和義勇 連合艦隊作戦参謀(Wikipedia)

山本長官のそばで作戦参謀という「作戦全体の根幹」を握る三和作戦参謀。

海軍兵学校卒業期名前専門役職
32山本 五十六航空連合艦隊司令長官
36南雲 忠一水雷第一航空艦隊司令長官
40宇垣 纏大砲連合艦隊参謀長
40大西 瀧治郎航空第十一航空艦隊参謀長
40山口 多聞航空第二航空戦隊司令官
41草鹿 龍之介航空第一航空艦隊参謀長
41松永 貞市航空第22航空戦隊司令官
48三和 義勇航空連合艦隊作戦参謀
連合艦隊幹部の専門・役職・海軍兵学校卒業期(真珠湾奇襲攻撃)
三和義勇

絶対に、我が航空隊が
英東洋艦隊を撃滅するのだ!

若き三和参謀は、航空隊の威力に強い信念を持っていました。

航空隊名爆撃機雷撃機合計
元山航空隊91726
鹿屋航空隊02626
美幌航空隊25833
合計345185
マレー沖海戦:連合艦隊航空隊(新歴史紀行)

元山・鹿屋・美幌の三つの航空隊から、計85機の航空隊が発艦しました。

上の表の通り、雷撃機が60%であり、雷撃機重視の航空隊の編成です。

航空隊

いたぞ!
英東洋艦隊だ!

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Tom Phillips 英東洋艦隊司令長官 (Wikipedia)
英海軍士官

どうやらJapanの
航空隊に見つかったようです!

Tom Phillips

まあ、Japの航空隊の攻撃は
それほど脅威ではない・・・

Tom Phillips

なんといっても、Japの航空隊は
旧式で「爆弾も魚雷も当たらない」と聞いているからな・・・

こう余裕の表情だったフィリップス英東洋艦隊司令長官。

ところが、水平爆撃を仕掛けた美幌航空隊がレパルスに爆弾を命中させました。

ボンッ!
ガガ〜ン!

英海軍士官

Phillips長官!Repulseが
Japanの航空隊の爆撃を受けました!

開戦まもなくして、レパルスが日本の航空隊の爆撃を直撃した事実に直面したフィリップス長官。

Tom Phillips

な、なんだと・・・
「当たらない」のではないのか?

Tom Phillips

「Japの航空隊の攻撃は
当たらない」と聞いていたが・・・

Tom Phillips

Japの爆撃は
当たるじゃないか・・・

衝撃を受けつつも、この時はまだまだ余裕があったフィリップス長官。

Tom Phillips

とにかく、Japの航空隊の攻撃を
避けながら、Japの艦隊と決戦するのだ!

闘志を燃やして、小沢艦隊に攻めかかろうとしていました。

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