前回は「四国の覇王・長宗我部元親の力の根源・岡豊城〜一領具足の猛烈パワー・ささやかな規模の石垣・長宗我部氏の「象徴」〜」の話でした。
ほんの僅かの間「四国の覇王」となった長宗我部元親

戦国末期に廃城となった岡豊城跡を訪問後、高知中央部にある高知城へ向かいました。
・姫路城(兵庫県姫路市)
・彦根城(滋賀県彦根市)
・犬山城(愛知県犬山市)
・松江城(島根県松江市)
・松本城(長野県松本市)
・丸亀城(香川県丸亀市)
・丸岡城(福井県坂井市)
・宇和島城(愛媛県宇和島市)
・備中松山城(岡山県高梁市)
・高知城(高知県高知市)
・弘前城(青森県弘前市)
・松山城(愛媛県松山市)
高知城は、現存十二天守の一つであり、昔のままの城郭建築です。

四国を統一直後、豊臣秀吉の大軍の猛攻を受けて降伏した長宗我部元親。
長宗我部元親この長宗我部元親が
四国を統一したのだ!





元親よ・・・
伊予と讃岐をこちらに寄越せ!
1585年、元親が四国統一を果たし「四国の覇王」となった直後に、秀吉から異常な要請が届きました。


上方から見て、当時の四国は「讃岐と阿波は近畿圏」でした。
そして、一時は、織田家勃興前に「天下人同然」だった三好家の領土であった讃岐と阿波。
この頃、秀吉は養子・秀次を三好家に出していたこともあり、



本来ならば、讃岐と阿波を
没収したいところだが・・・
この頃の秀吉は、物流による経済力強化を目論んでおり、瀬戸内海の海運は最重要でした。



瀬戸内海を押さえたいから、
讃岐と伊予だな・・・



領土はお前からもらった
ものではない!



そのような要求は
断る!
元親が「意味不明である秀吉の領土割譲要求」を断るのは、必然でした。



ならば良い!
我が豊臣軍の力を知れば良い!
そして、秀吉は、1585年に豊臣軍10万人に四国侵攻を命じました。
それに対して、長宗我部元親は四国全土に動員令をかけたものの、兵力は3万人程度。
長宗我部兵は、当時の日本有数の強さを持っていましたが、鉄砲を多数持っていた豊臣軍。



無念だ・・・
長宗我部軍が敗北するのは、必然でした。



元親よ!
土佐一国のみだ!



・・・・・
ほんの僅かの期間だけ、夢の「四国の覇王」となった元親は失意に沈みました。
その直後、1586年秀吉の命令で九州・島津家征伐に乗り込んだところ、長男・信親が戦死しました。



もはや、
どうでも良い・・・
この頃の元親は、自暴自棄になっていたと思われます。
とてつもない巨城に見える高知城:山内家による長宗我部色払拭


そして、1588年に「土佐一国のみの王」となった長宗我部元親は、



拠点を岡豊城から
上高坂上に移す!
本拠地を岡豊城から、現在の高知城である上高坂城に移しました。



やはり、海に面した方が良いから、
拠点を浦戸へ移す!
その直後、さらに拠点を土佐湾に面した浦戸に移動した元親。
この元親の本拠地移動の理由は諸説ありますが、どうにも納得がいきません。
そもそも、一時は「四国全土」を所有し、80万石程度有した富裕な大名となった長宗我部。
その直後に、大規模な豊臣軍との決戦を敢行し、九州にも出陣させられました。
そのため、1588年頃の長宗我部家の財政は、相当苦しかったはずです。
本来ならば、しばらく内政に励んで国力を蓄える以外に選択肢はなかったはずです。
さらに、この頃「傷心だった」元親にとって、「ずっと長宗我部の拠点」であった岡豊は、



我が長宗我部にとって
岡豊は先祖代々の地・・・
「他の地とは異なる先祖代々の地」でした。
とにかく、不思議な行動をした元親でしたが、その後は文禄・慶長の役にも従軍。
1597年には「長宗我部元親百箇条」を定め、土佐の統治に励みました。
そして、「関ヶ原」前年の1599年に病没した元親。
翌年、長宗我部家を継いだ長宗我部盛親は、「関ヶ原」で改易されてしまいました。



・・・・・
この歴史を泉下で知ったであろう、元親は絶句したでしょう。
「四国統一」の1585年から15年で滅亡してしまった、かつての「四国の覇王」長宗我部家。





本日から、土佐は
この山内家が治める!
そして、山内一豊が土佐に乗り込んできて、土佐一国を領有しました。
山内にとって、15年前の「四国の覇王」長宗我部は「近い過去」でした。



長宗我部の本拠地
浦戸城は、廃城!



高知に新たな
高知城を築く!


そして、山内一豊が1603年に本丸などを築いた高知城。
城郭全体の完成は、1611年と言われています。
高知城を訪問して、最初に築くのは「異様なほど高台にある」ことです。
上の写真を見ると、とてつもない巨城に見えるのが高知城です。



「長宗我部色」は
払拭するのだ!
一豊の、強い思いが感じられるのが、高知城です。
次回は、城内に向かいます。
次回は上記リンクです。


