前回は「奇襲攻撃と宣戦布告通達時刻の行方〜強行に押し切る山本五十六長官・「出来ぬなら辞表を」の強行姿勢・「30分前」の超直前となった米国への宣戦布告〜」の話でした。
日本の暗号傍受と解読続ける米国
山本司令長官のゴリ押しで、真珠湾奇襲攻撃は「宣戦布告30分前」に実施と決まります。
とにかく、
奇襲で米海軍を大いに叩くのだ!
緒戦で米軍に
大打撃を与える!
それしか、
日本の勝ち目はない!
「正規(大型)空母6隻による大遠征」という前代未聞の大作戦。
これだけでも当時非常に新鮮であり、極めて困難な作戦でした。
山本長官は悩みに悩み、
米国への宣戦布告は直前であればあるほど、
米海軍への打撃が大きい・・・
ついには、
奇襲攻撃の30分前に、
米国に宣戦布告して頂きたい!
またも山本長官が押し切り、「奇襲攻撃30分前の宣戦布告」が決定しました。
分かりました・・・
何とかしましょう・・・
これらの大事なことが次々と決定していた日本政府及び大本営。
これらの情報は、外務省本省から米国大使館へ次々と無電で連絡が入ります。
無電はほとんどが傍受・解読され、米国は日本の動きをつかんでいました。
Japanの在米公館に
このような文章がきました!
我がUSの
暗号解読の精度は高いと思われます!
そろそろ
来るな・・・
そう考えたルーズベルト米大統領は、ハル国務長官と最終調整をします。
Japanに先制攻撃させるが、
被害は出来るだけ抑えるように・・・
はっ!
Japanは大した攻撃など出来ないでしょう・・・
ま、そうだが、
一応警戒するように・・・
はっ!
前線に指示します!
日本の動きを事前に察知する米国:ルーズベルト・スティムソン・マッカーサー
日本が、近々米国に宣戦布告することは間違いない情報です。
ところが、「具体的にいつ宣戦布告してくるか」は、米国も分かりません。
真珠湾奇襲攻撃に関しては、日本海軍で最高レベルの極秘となっていました。
事前に奇襲攻撃を知るのは各艦隊の司令長官・司令官・艦長までで、幹部に限られていたのでした。
この面では日本海軍の情報封鎖は徹底していました。
いつ、どこを
Japanは、攻撃してくるんだ?
ルーズベルト大統領は、気になります。
海軍は私が次官をした経験があり、
人事等問題なし!
若くして海軍次官の経験を持っていたルーズベルト大統領は、海軍に関する人事権を強力に握っていました。
陸軍はHenryに
任せているが・・・
私が大嫌いな
MacArthurの奴はちゃんと準備しているのか?
「水と油」ほど関係が悪いルーズベルト大統領とマッカーサー
MacArthurよ。
Philippineは大丈夫だろうな!
もちろん
準備万全だ!
俺様がいるから、
問題なし!
Japanがやってきたら、
叩き潰してやるわ!
米海軍の司令塔となるキング司令官の視線
ここで、米海軍の重要人物が登場します。
ドイツ海軍のUボートと死闘を続けていた、キング司令官。
翌1942年に、米国海軍作戦部長(日本の軍令部総長)兼合衆国艦隊司令長官となり、米海軍のトップとなる人物です。
Japanの海軍は、
どこを攻撃してくるんだ?
日本海軍は数多くの戦艦・正規空母を持ち、非常に強力でした。
あの空母部隊は、
侮れん・・・
まさか遥か遠い日本から、
真珠湾を攻撃はしてこないだろう・・・
しかも空母が、それほど遠くまで攻撃に向かうことは、
これまでかつてない・・・
山本長官が考案した真珠湾奇襲攻撃は、
可能性は0ではないが、
流石に低い、というか「ない」だろう・・・
という選択肢でした。
「正規空母6隻の機動部隊による遥か遠方のハワイ真珠湾基地の奇襲攻撃」という前代未聞の大規模な作戦。
この意味において、山本長官の戦略眼は抜群に冴えていたのです。
とにかく超巨大な
米国に勝つには、大奇策しかない!
大統領・国務省・陸海軍が一体となって、対日戦に備えていた米国。
大奇策とは
奇襲攻撃しかないのだ!
もはや山本長官が全てを握っていた日本海軍と連合艦隊にとって、乾坤一擲の作戦でした。
次回は上記リンクです。