真珠湾奇襲攻撃 20〜万全の体制を取る米国〜|太平洋戦争

前回は「真珠湾奇襲攻撃 19〜日本の動きを事前に察知する米国〜」でした。

ルーズベルト大統領は考えます。

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Franklin Roosebelt米大統領(Wikipedia)

「日本が攻撃してくる場合、陸軍はフィリピンにくるだろう。大嫌いだが、優れたマッカーサーがいれば米陸軍は問題なかろう。では日本海軍はどこを攻撃してくるのだろうか。」と。
キング新米海軍作戦部長とも相談します。
翌年1942年に米海軍作戦部長(総長)と合衆国艦隊司令長官を兼務するキング司令官。
真珠湾奇襲攻撃時には哨戒部隊司令官を務め、潜水艦を主軸とするドイツ海軍と「宣戦布告なき戦い」を戦い抜き、ルーズベルト大統領らの信任が極めて厚い人物でした。

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Ernest King司令官(新米国海軍作戦部長)(Wikipedia)

日本では正規空母6隻による最強艦隊が編成されていましたが、当時の日本空母及び零戦をはじめとする戦闘機・爆撃機の優秀さは米国も強く認識していました。
さらに中国方面で長年戦争をし続けている日本は、戦闘機の搭乗員も非常に練度が高く、
戦闘能力は侮れないものでした。
ハル国務長官も考えます。
「日本海軍は米海軍にも攻撃してくるだろう。それはどこか?」と。

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Cordell Hull米国務長官(Wikipedia)

米太平洋艦隊の拠点ハワイを攻撃してくる可能性は「低いが、ないとは言えない。」と考えます。
もし、ハワイを攻撃されると防御力の高い戦艦は日本軍の攻撃に耐えられそうですが、防御力が戦艦よりもはるかに劣る空母は大きな損害を受けそうです。
ちょうど当時は海戦における空母の有用性が急速に高まっていた頃でした。
山本長官の真珠湾奇襲攻撃の主要目標は「米空母を撃滅すること」でした。

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山本五十六 連合艦隊司令長官(Wikipedia)

「ハワイを攻撃される可能性があるならば、空母は避難させなければ。」と
キング司令官は考えます。
太平洋に展開していた米空母はレキシントン、エンタープライズ、サラトガの三隻です。
サラトガはちょうど米本土で整備中です。

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米空母Lexington(Wikipedia)

米海軍にとって大事な空母レキシントン・エンタープライズは、今後日本海軍と戦うためになんとしても無傷で守らなければなりません。

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米空母Enterprise(Wikipedia)

キング司令官は、米空母を念の為に真珠湾の基地から退避させるよう進言します。
そして、スターク米海軍作戦部長は米太平洋艦隊司令長官のキンメルに「極秘に空母を非難させよ。」と命じます。

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Husband Kimmel米太平洋艦隊司令長官(Wikipedia)

ただし、日本が攻撃する可能性にはあえて触れませんでした。
キンメル太平洋艦隊司令長官があまりに万全の体制を取り、
それが日本側に察知されることを懸念しました。
日本に「先制攻撃させる」ことが大事であることをハル国務長官から聞かされていたのです。
キンメル太平洋艦隊司令長官はハルゼー第二空母戦隊司令官にエンタープライズとレキシントンの二隻の空母でウェーク島に航空機を輸送するよう命じます。

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William Halsey第二空母戦隊司令官

キンメル長官とハルゼー司令官はミネアポリス海軍兵学校同期で、気心知れた仲でした。
「いよいよ日本が攻撃してくるだろう」という頃合いで、念の為空母をハワイに在伯させないことで、米軍は万全の体制をとったのです。

その中、南雲司令長官を最高責任者とする日本海軍の空母機動部隊は、ハワイ真珠湾奇襲攻撃へ向けて着々準備を進めていました。

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南雲忠一 第一航空艦隊司令長官(連合艦隊司令長官 別冊歴史読本 新人物往来社)

 

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