前回は「強引に将軍決定を強行した井伊直弼〜一橋派の反撃と天璋院篤姫・徳川幕府を揺るがした「将軍継嗣問題」 ・一橋慶喜が大嫌いだった将軍家定〜」の話でした。
将軍継嗣問題を強行した「徳川幕府の守護神」井伊直弼
将軍が決定しましたが、さらに大きな「外国との条約締結」という大仕事があります。
Hello!
Japanの皆さん!
早く我がUnited Statesと
新たな条約を結びましょう!
というか、
早く条約を締結しろ!
見るからに強面のハリスが米国から乗り込んできて、条約締結を迫ってきていました。
大老に就任して、「徳川幕府の守護神」となった気持ちの井伊大老。
俺が、はっきり
話をつけてやる!
米国から交渉に来たハリスは、長らく徳川幕府と条約の交渉をしてきました。
1854年にペリーが来日して、徳川幕府が締結した日米和親条約。
日米和親条約には「米国公使の常駐」が明記されていました。
そこで、ハリスは早速日米和親条約を盾にして、
私はUnited Statesの
公使なんだぞ!
米国の公使格として、ハリスは幕府と交渉を続けました。
なんとなく日米和親条約を締結した日本に対して、戦略的な米国でした。
「幕府切っての秀才」岩瀬忠震:進まぬ交渉にイラつくハリス
徳川幕府側で交渉の窓口を勤めていたのは、当時「幕府切っての秀才」と言われた目付 岩瀬忠震です。
では、貴国との条約内容を
具体的に詰めてゆきましょう・・・
こういう条件で
良いでしょうか・・・
・・・・・
ちょ、ちょっと
待って下さい・・・
上役と
相談しますので・・・
早めに
回答を頂きたいのだが・・・
それは
承知しました・・・
「上役と相談」と言われてから、しばらく放って置かれたハリス。
イライラ・・・
一体、Japanは、
なぜこんなに話が進むのが遅い・・・
こんなにも
外交が進まない国は初めてだ・・・
長い時間をかけて、ハリスと岩瀬は交渉を続けてきました。
夷狄との条約など
もってのほか!
ところが、「外国大嫌い」の孝明天皇の「形式上の勅許」が降りません。
仕方なく、交渉の引き伸ばしを図る岩瀬。
今はタイミングが
悪すぎる・・・
引き伸ばして、
うやむやにするしかない・・・
この項目は
このように少し修正して頂きたい・・・
この野郎!
いい加減にしろ!
ところで、先日のあの話は、
どうなりましたか?
上役から、
条件をこうして欲しいと・・・
散々待たされた挙句に、
譲歩を迫ってくるのか・・・
ひょっとすると、
これはJapanの戦略か・・・
わざと、交渉を引き伸ばして、
相手の意気をくじくつもりか・・・
このHarris様に
このような戦略で出てくるとは、いい度胸だ!
そんな戦略に乗せられて
たまるか!
分かりました。
それで良いでしょう!
交渉を早く進めたいハリスは即答しました。
この「即答したハリス」に対して、岩瀬は驚きます。
えっ、
良いのでしょうか?
そうだ。
では、条約を締結しましょう!
再度、上役と
確認します・・・
早くして
欲しい!
我が国は、交渉には
時間がかかりまして・・・
一体いつになったら
締結になるんだ?
「座り込み戦術」の岩倉たちと弱腰の幕府
イライラし続けていたハリス。
ここで、ハリスに驚きの情報が入ります。
UK,Franceが
Japanと条約を結ぼうとしている、だと?
おい!
ふざけるな!
俺が先だ!
我がUnited Statesが先なのだ!
ただでさえ、交渉が進まずにイライラしていたハリスは、怒りを爆発させます。
おいっ!
早く条約を締結しろ!
そうは
言いましても・・・
のらりくらりと引き延ばす岩瀬。
揉め続けている中、大老となったのが井伊直弼でした。
孝明天皇が
認めぬのか・・・
先日、私と堀田老中とで
孝明天皇に勅許を求めにゆきましたが・・・
下級公家どもに
阻まれました・・・
阻んだ下級公家とは、他ならぬ岩倉具視でした。
なんと、岩倉達は、
大勢で
座り込みだ!
幕府の堀田老中を
御所に入れるな!
88人もの仲間と共に「御所の前で座り込み」をして、行手を阻んだのでした。
公家たちが
座り込みだと・・・
こんな下らぬ戦法を
やってくるとは・・・
我が徳川幕府を
愚弄している!
非常に初歩的戦術ながら、徳川幕府の政治を邪魔した岩倉。
俺たちの
勝ちだ!
この時、隣国 清(中国)で大変な事態が起きていました。
アロー戦争です。
これを利用して、
Tokugawaに圧力をかけてやる!
「次の手」に出ることを目論むハリスでした。
次回は上記リンクです。