前回は「ハイテンションになった井伊直弼〜徳川幕府十一番目の大老・井伊から六人目・絡み合う優れた人物たちとの「運命の歯車」〜」の話でした。
徳川幕府を揺るがした「将軍継嗣問題」
超名門井伊家に十四男として生まれた井伊直弼。
国学者になるつもりだったのが、突然彦根藩主となり、さらに大老を任された井伊直弼。
俺が
徳川幕府を立て直す!
大いに頑張った学問を
実務に活かして、徳川を再興する!
大いに張り切って、江戸城へ向かいました。
この時、徳川幕府を揺るがしていたのが将軍継嗣問題でした。
将軍家定が病弱だったために、「第十三代将軍になりかけた」一橋慶喜が有力候補でした。
田安徳川家(田安家):10万石
一橋徳川家(一橋家):10万石
清水徳川家(清水家):10万石
徳川御三家の水戸藩出身であり、今は御三家に次ぐ御三卿の一橋家にいる慶喜。
僕は健康で、
頭も良いです!
将軍には
うってつけです!
ルックスが良く、小さな頃から「頭脳明晰」の評判が高かった慶喜。
混迷期の将軍には「正にうってつけ」でした。
一橋慶喜が大嫌いだった将軍家定
どう考えても「将軍は一橋慶喜」でしたが、
私は
慶喜は大嫌いなのだ!
将軍は
慶福にしたい!
まずは、将軍継嗣問題にケリをつけなければなりません。
現将軍家定の意向を汲む井伊大老。
そもそも、一橋は
御三卿・・・
水戸出身の一橋慶喜は、御三卿の一つである一橋家に入っていたことを問題視しました。
これは、ある意味「難癖」でありましたが、実際には一橋慶喜には大問題がありました。
そして、実家の水戸は
御三家とは言え、格下だ。
しかも、水戸藩主 徳川斉昭は、
大奥から嫌われている。
これは一橋派にとって、極めて大きなハンデでした。
次期将軍は、
慶福様で決まりだ。
こう考えていた井伊直弼大老。
強引に将軍決定を強行した井伊直弼:一橋派の反撃と天璋院篤姫
ここで、一橋派が反撃に出てきました。
特に、一橋慶喜を買っている薩摩藩主の島津斉彬。
江戸城の大奥を
味方につけるのだ!
そして、自らの養女である篤姫を将軍家定に嫁がせました。
これで、慶喜様が
次期将軍になる可能性が高まった!
おのれ・・・
小賢しいことを・・・
双方でこぜりあっている間に、驚きの事態となります。
井伊よ・・・
あとは頼んだぞ・・・
なんと、将軍家定が亡くなってしまったのです。
家定様・・・
自分を引き立ててくれた将軍家定が亡くなる事態に、
俺が、家定様の意向を
実行する!
ここで、井伊直弼は強権を発動して、徳川斉昭らの登城を停止し、一橋派を一掃。
次期将軍は
慶福様で決定!
そして、強引に将軍決定を強行した井伊直弼。
徳川慶福は徳川家茂と改名し、第十四代将軍となります。
将軍継嗣問題にピリオドが打たれたものの、まだまだ難題山積でした。
次回は上記リンクです。