前回は「軍令と軍政のトップ兼ねたキング〜ニミッツ新米太平洋艦隊司令長官就任・少将から一気に大将へ昇級・対日戦へ着実に前進続けた米海軍・大打撃に対して超冷静だった米国〜」の話でした。
「大戦果」の真珠湾奇襲の裏側:宣戦布告前の攻撃
真珠湾奇襲攻撃で、外務省の失態で「奇襲」ではなく「騙し討ち」となってしまった日本海軍。
戦略的には大失態でしたが、戦術的には米海軍に大ダメージを与えることが出来ました。
今回から、真珠湾奇襲攻撃の直後に起きたマレー沖海戦の話をご紹介します。
真珠湾の奇襲攻撃は、
宣戦布告前となった・・・
・・・・・
武人として、不意打ちは、
絶対にやってはいかんが・・・
だが・・・
やむを得ん!
事前に綿密に打ち合わせしていた、「開戦直前30分前」の奇襲攻撃でした。
ところが、外務省の大失態により「攻撃後の宣戦布告」となってしまったのでした。
もはや「後の祭り」であり、考えても仕方ありませんが、
米空母を取り逃した上、
大失態とは・・・
・・・・・
とにかく、大戦果であることは
確かなのだ!
冷静な山本長官でしたが、周囲の将兵は、
アメリカに
大打撃与えたな!
もはやアメリカの
太平洋艦隊は壊滅したも同然!
もはや日本海軍は
勝ったも同然だな!
一種異様な盛り上がりを見せていました。
南方資源地帯を目指した連合艦隊
山本長官は前向きに考えようと思いを振り切り、次の作戦を立てます。
強大な米国と戦うからには、
多少の齟齬より、今後の作戦だ!
「宣戦布告前の攻撃」を大いに米国に利用された日本。
これから、
米海軍が猛反撃をしてくるだろう・・・
我が日本とは比較にならないほど
強大な米国・・・
とにかく、
米国に勝つべく戦うしかない!
多数の戦艦を撃沈し、米兵を倒した日本海軍は勝利に酔ってノリノリの状況でした。
これは
大戦果だな!
もはや米軍には
勝ったも同然!
そして、その勢いのまま、米英を中心とする連合軍と対峙することになった日本陸海軍。
大反対していた
真珠湾奇襲攻撃は上手くいったが・・・
そして、真珠湾奇襲攻撃に大反対だった伊藤整一軍令部次長。
山本長官の強引な「禁じ手」に「押し切られた」形で、真珠湾奇襲攻撃を承認しました。
この時は、「承認した」というよりも「追認した」立場となった軍令部。
海軍兵学校卒業期 | 名前 | 役職 |
28 | 永野 修身 | 軍令部総長 |
31 | 及川 古志郎 | 海軍大臣 |
32 | 山本 五十六 | 連合艦隊司令長官 |
36 | 南雲 忠一 | 第一航空艦隊司令長官 |
39 | 伊藤 整一 | 軍令部次長 |
40 | 山口 多聞 | 第二航空戦隊司令官 |
41 | 草鹿 龍之介 | 第一航空艦隊参謀長 |
山本長官ならぬ「山本先輩」が、後輩の伊藤次長を押し切った形になりました。
本来は、「軍令部が連合艦隊へ作戦命令を下す」立場です。
真珠湾では
押し切られてしまったが・・・
ここからは、
軍令部がしっかりと全体計画を推進する!
伊藤次長がこう考えるのも当然でした。
軍令部としては、南方資源地帯の
確保を!
とにかく、原油がなければ
海軍は動けなくなります!
真珠湾では、
こちらが折れましたが・・・
今後は軍令部の
方針通りに連合艦隊には動いて頂きます!
日本からは、ほとんど産出しない原油。
南方資源地帯の蘭印では、年間約800万トン算出します。
この莫大な量は、日本の需要を大いに満たす量でした。
是非とも、蘭印を
早期に落として、原油を確保いただきたい!
そして、南方資源地帯を確保するためには、周辺に強い権益を有する大英帝国と対決する必要がありました。
東洋艦隊を大幅増強したチャーチル:プリンス・オブ・ウェールズ登場
真珠湾奇襲攻撃の約一月前、英国海軍では大きな動きがありました。
日本海軍が戦う東洋艦隊の大きな再編を行い、1941年11月2日に編成を発表しました。
私はもともと
英陸軍出身だが・・・
海軍大臣経験者である
私は英海軍のことも良く分かっている!
陸軍出身ながら海軍大臣経験者であったチャーチル英首相は、英海軍の内部の情報に精通していました。
我がUhited Kingdomの
東洋艦隊を強力にする!
Japanを、
ぶちのめしてやる!
この頃、「浮沈戦艦」「超弩級戦艦」と言われた英国海軍の象徴であるプリンス・オブ・ウェールズが竣工しました。
そして、
我が無敵のPrince of Walesで、
Japanの海軍を叩き潰してくれるわ!
「英艦隊最強」と言われたプリンス・オブ・ウェールズが東洋艦隊に乗り込んできたのです。
さらには、強力な巡洋戦艦レパルスも編成されました。
巡洋戦艦Repulseも
加えて、一気に戦力増強!
さらには空母インドミタブルを編入し、大規模な艦隊としたのです。
さらに英海軍には数少ない空母も
東洋艦隊につけてやろう!
これで、Japanを一気に叩き潰して、
Asiaの権益を守るのだ!
この艦隊は日本にとって、大きな脅威でした。
そして、この東洋艦隊を率いるのは、英国海軍きっての逸材と言われた人物でした。
次回は上記リンクです。