演説原稿を慎重に作成するルーズベルト大統領〜スターク作戦総長に「Nagumo対策」の判断任せたハル・引き上げるハルゼー・連合艦隊司令部の交錯する思い〜|真珠湾奇襲攻撃76・太平洋戦争

前回は「山本長官の命令無視を決定した南雲長官〜どうでも良いウェーク島攻撃・怒り心頭の闘将山口多聞司令官・加来止男飛龍艦長の提言・第二航空戦隊のみの攻撃〜」の話でした。

目次

スターク作戦総長に「Nagumo対策」の判断任せたハル

Cordell Hull米国務長官(Wikipedia)

ルーズベルト大統領と、日本への反撃を具体的に考えているハル国務長官。

Hull

Stark米海軍
作戦総長よ・・・

Hull

今、Japanの海軍は
今どうなっている?

Harold Stark米海軍作戦総長(部長)
Stark

Nagumoは、
真珠湾からだいぶ離れました・・・

Hull

うむ・・・
それで・・・

Stark

我々はNagumoが
Midwayを攻撃する可能性を考えていました・・・

Stark

そして、Nagumoへの牽制として、
Halseyの機動部隊を待機させています。

Stark

ところが、どうもNagumoは、
Midwayを攻撃しない模様です。

Hull

そうか・・・
それで?

Stark

Wakeは、
危ないかもしれませんが・・・

南雲機動部隊のハワイ奇襲攻撃の航路図(歴史人2021年8月号 ABCアーク)
Hull

よしっ!
分かった・・・

Hull

これ以上、Japanに攻撃は
されたくないが・・・

Hull

海軍に関しては、
Stark長官とKing司令官に任せたい!

Stark

承知しました。
我らにお任せを!

Hull

私は大統領と
演説の準備を進める。

演説原稿を慎重に作成するルーズベルト大統領

Franklin Roosebelt米大統領(Wikipedia)
Roosebelt

“Remenber Pearl Harbor!”の
キャッチフレーズと・・・・・

Roosebelt

いかにJapanが汚いことをしたか、を
世界中に効果的に宣伝せねばな・・・

Hull

はい・・・
おっしゃる通りです・・・

真珠湾を攻撃する日本軍(歴史街道2021年12月号 PHP研究所)
Roosebelt

「意図的な奇襲攻撃」というのは、
どうだ?

Hull

それは妙案です・・・
良いと考えます・・・

Roosebelt

それから、「武力攻撃の暗示・警告が
なかった」ことも明確に言わねばな!

Hull

まあ、暗号解読で知っていましたが、
Japanを貶めるには良いでしょうな。

新歴史紀行
Roosebelt大統領の対日参戦演説原稿1(米国 National Archive)
Roosebelt

よしっ!
こんな感じだな!

Roosebelt

大体の原稿が
出来てきたぞ!

引き上げるハルゼー:連合艦隊司令部の交錯する思い

Ernest King司令官(Wikipedia)
King

Halsey司令よ・・・
どうも、JapanはWakeを攻撃しそうだ・・・

新歴史紀行
William Halsey第二空母戦隊司令官(Wikipedia)

そして、第二空母戦隊司令官として空母を率いていたWilliam Halseyは、

Halsey

我が部隊で
Japを打ち倒してくれるわ!

出動体制を万全にして、攻撃命令を待っていました。

空母Enterprise(Wikipedia)
Halsey

Nagumoは
Wakeへ向かっていますか・・・

Halsey

ならば、全力で防衛に
向かいます!

King

いや・・・
待ってくれ・・・

Halsey

はっ!
何でしょう?

King

Nagumoは強力だ・・・
無理せんで良い・・・

King

Wakeには、
大した艦艇もないしな・・・

ここで、一息置いたキング司令官。

King

そもそもNagumoの動きを
注視していたが・・・

King

不思議なことにNagumoに、
あまりやる気を感じないのだ・・・

King

我がUS海軍を、とことん叩くなら、
Midwayを攻撃するはずだ。

Halsey

それは
確かに・・・

空母Lexington(Wikipedia)
Stark

我がUSの空母の保全が、
最優先だな。

Halsey

はい・・・
それでは?

Nagumoは攻撃せず、
戻ってこい!

Halsey

はっ!
承知しました。

Halsey

Nagumoめ!
後で叩き潰してやる!

こうして、米海軍は日本海軍の攻撃をやめ、正面衝突を避けたのでした。

左上から時計回りに、山本五十六 連合艦隊司令長官、南雲忠一 第一航空艦隊司令長官、草鹿龍之介 第一航空艦隊参謀長、山口多聞 第二航空戦隊司令官(連合艦隊司令長官 別冊歴史読本 新人物往来社、歴史群像シリーズ 図説・戦国武将118 学研、Wikipedia)
草鹿龍之介

我らは
大戦果を挙げたのだ!

南雲忠一

真珠湾奇襲攻撃は
大成功だ!

山口多聞

こんな
中途半端な攻撃でいいのか?

山本五十六

かなりの戦果を挙げたが、
米空母は・・・

この頃、連合艦隊司令部の提督たちは、それぞれ様々な思いを持っていました。

様々な思いと思惑が交錯する中、相互の意思疎通が不足していたのが連合艦隊司令部でした。

次回は上記リンクです。

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