前回は「真珠湾奇襲攻撃 76〜米軍の反撃準備・米空母の保全へ・キング・ハルゼー・ハル・ルーズベルト〜」の話でした。
山本長官の指令と赤城司令部

とにかく、お互いが「違う方向を向いていた」としか言いようがない連合艦隊幹部。
「積極的に攻撃しよう」と主張する山本長官と山口司令官。
対して、「ある程度の戦果で十分」とする南雲長官と草鹿参謀長。


もう十分だ!
十分すぎるくらいだ!





米空母は
不在であったのは事実だが・・・



多数の戦艦を撃沈し、
真珠湾の基地を破壊し尽くした!



おそらく、
米軍の将兵の戦死者も1,000名は有に超えるだろう・・・
この草鹿参謀長の考えは、事実でした。
事実、米海軍・米太平洋艦隊の真珠湾基地には大ダメージを与えていたのでした。





さらに、
我が艦隊からは損失艦が一艦もない!
確かに、この「日本軍側にほとんど損失がないのに、米軍側に大ダメージ」という戦果。



これが
大戦果でなくて、なんなのだ!
大いに勇む草鹿参謀長。
ウェーク島攻撃へ


この草鹿参謀長の意見に大いに同感である南雲長官。



確かに、
君の言う通りだ!



ここで、下衆の戦法で、
ミッドウェーなど攻撃して・・・



我が軍の空母が
撃沈されたら、それこそとんでもないことです!



うむ。
山本長官の指令に対しては・・・



山本長官の顔を立てて、
ウェーク島は攻撃しましょう。



うむ。



それでは、ウェーク島攻撃は
任せる。



お任せ
ください。
草鹿参謀長は一部の艦隊を分け、ウェーク島を攻撃に向かいます。


山本長官・連合艦隊司令部の落胆


南雲機動部隊からの「ウェーク島を攻撃する」電信を受信した連合艦隊司令部。
機動部隊がウェーク島を
攻撃に向かう模様!



なんだと!



なぜ、ミッドウェーを
やらない?





・・・・・



やはり、南雲は
やらないか・・・



やむを得ん!
ここで、我が連合艦隊司令部と赤城司令部が・・・



この二つの司令部で
関係が不味くなるのは、避けねば・・・
日本海軍の中で、抜群に「人情味あふれる」人物であった山本長官。
非常に「部下思い」であり、将兵の一人一人を大事にしてきました。
そして、



米国と
戦うからには・・・



我が将兵全てが、
全てが大いなる力を発揮せねば・・・
と考えた山本長官。
山本長官は、宇垣参謀長に話しかけます。



宇垣参謀長・・・



まあ、
仕方あるまい。



ミッドウェーを攻撃して、
大きな被害を与えれば満点だが・・・



ハワイまで攻撃に行って、
我が空母が無傷であることは、喜ぶべきだ。



はっ!
山本長官はガッカリするも、



まずは大戦果!
と喜びます。
凱旋帰国と唇噛む山口司令官


ウェーク島は、大した艦艇もなく、爆撃はすぐに終了しました。
ウェーク島、
爆撃完了!



よし!
凱旋だ!



全ての
艦艇へ!



速やかに内地へ
帰投せよ!
これで、長かった真珠湾奇襲攻撃が終了しました。





なんと
中途半端な・・・
落胆する第二航空戦隊を率いる山口司令官でした。
ここで、中国大陸などで戦い続けた百戦錬磨の将軍であった山口司令官。
その高い能力だけではなく、その豊富な経験から独自の勘が身についていました。



嫌な予感が
する・・・



ひょっとすると、
ひょっとするとだが・・・



ミッドウェー島が、
連合艦隊に災いをもたらすのでは・・・
この山口司令官の直感は、半年程後に現実のこととなったのでした。