前回は「赤城へ直談判に乗り込むことを目論む山口多聞司令官〜大きくズレる山口司令官と南雲長官の思惑・悩む山本長官と積極派の宇垣纏参謀長〜」の話でした。
石油タンク防衛の方法を思いついたキング司令官
日本海軍が工廠・石油タンクを攻撃する可能性は非常に高いです。
俺がNagumoだったら、
絶対に石油タンクは放っておかぬ！
まさか、赤城司令部である南雲長官・草鹿参謀長と山口司令官・三川司令官が揉めているとは思いもしなかった米海軍。
真珠湾の石油タンク・工廠も
攻撃すべきです！
南雲長官、
今こそ第二次攻撃を！
もう十分
だろう・・・
もう大戦果を挙げており、
これ以上は、我が軍の被害が大きくなる可能性大だ！
赤城に直接乗り込んで
直談判だ！
まさか、先頭の真っ只中に司令長官・司令官の間で揉めているとは「考えもしない」のが当然でした。
よしっ！
HalseyにNagumoを攻撃させましょう！
ハルゼーの空母部隊に牽制させる案を思いついたキング司令官。
もし、日本海軍が工廠・石油タンク攻撃する場合、
Halseyに側面から攻撃させましょう！
うむ。
それは良い案だ！
Halseyのことを
忘れていたな！
すぐに、
Halseyに指示を出そう！
日本軍が、そこまで積極的に攻撃する
可能性は、どの程度か？
情報部の分析によると、
ボスのNagumoは、消極的な面があるようです。
しかし、事実上No.2のYamaguchiは、
大変優れた人物で、非常に意欲的です。
NagumoよりもYamaguchiの方が、
我が米軍にとって危険です。
Yamamotoが出てきていたら、
工廠・石油タンクを攻撃したでしょう。
Nagumo,Yamaguchiが率いているので、攻撃の可能性は
「50%程度の確率」と考えます。
よし！
Halseyに命令を出そう。
米海軍きっての猛将ハルゼーへの指令：Nagumoを牽制する米海軍
Halseyよ。
大至急、真珠湾へ向かえ！
願ってもない展開に、大いに奮うハルゼー司令官。
よっしゃ！
Japに反撃します！
待て！Halsey！
勘違いするな！
戦うのではない。
お前の役目は、Nagumoの牽制だ！
なっ、
なんですと！？
Japanの海軍が真珠湾の工廠・石油タンクを
攻撃するかもしれん。
それは絶対に、
避けねばならん！
Nagumoの野郎を
攻撃しないのですか？
繰り返すが、
Nagumoの機動部隊はかなり強力だ！
いくら、お前の空母部隊であっても、
今動かせるのは空母2隻だ・・・
対して、Nagumoの機動部隊は
6隻もの空母が出てきているんだ！
正面切って戦って、
敵う相手ではない・・・
ここまで言われると猛将・ハルゼーといえども、「返す言葉」がありません。
・・・・・
よいか！真珠湾へ向かい、
Nagumoのさらなる攻撃を止めることがお前の役目だ！
真珠湾近海で待機し、Nagumoの動き次第で、
いつでも出動できるようにしていろ！
・・・・・
いかにも不満そうなハルゼー司令官。
現代のように「顔を見ながら話す」のではなく「声のみ」ですが、ハルゼーの不満はひしひしと伝わってきます。
スターク長官は再度ハルゼーに命令します。
Nagumoの部隊は、非常に強力だ。
正面切って戦っても勝てん！
Nagumoの動きをこちらが掴み、
指示を出すまで、万全の体制で待っていろ！
はい・・・・・
分かりました・・・・・
非常に不満なハルゼー司令官でした。
ハルゼーに何度も釘刺すスターク長官
Stark総長！
Halseyは攻撃的なので、釘を刺す必要があります。
我が軍の空母が、Nagumoにやられぬように、
手を打つ必要があります。
空母上空に戦闘機を多数残し、
攻撃隊を少なくするように指示した方が良いでしょう。
うむ。
Halseyよ。
繰り返すが、目的はNagumoの攻撃ではない！
Enterprise,Lexingtonを守るために、
母艦上空には、戦闘機を多数残せ！
攻撃隊は
少数とせよ！
牽制してNagumoに工廠・石油タンクの攻撃を
断念させるのが目的だ！
はい・・・
分かりました・・・
上空から我が艦隊を、
見張っている訳でもあるまい。
俺は俺流で
やるぜ！
お任せを！
Nagumoを叩き潰します！
だから、Nagumoと
戦うのが目的ではない！
Nagumoは正規（大型）空母6隻。
対して、お前の部隊は2隻だ。
分かったか！
これは命令だぞ！
何度も何度もハルゼーに対して「釘を刺す」スターク長官。
ハルゼー司令官にとっては、明確な上官であるスターク長官には表立って逆らうことは不可能です。
ところが、ハルゼー司令官は、
なんだかんだと、
やかましいわ！
心の中でイライラしながら命令を受けていました。
そして、
お任せ
ください！
直ぐに
真珠湾へ急行します！
とスターク長官に答えるも、ハルゼー長官の内心は、
遠い我がUnited States本土からの
命令は聞くが・・・
戦いの仕方は、
俺のやり方に任せてもらうぜ！
だったのでした。
とにかく、
真珠湾へ急行しろ！
ははっ！
真珠湾へ急行する、ハルゼーの空母部隊でした。
次回は上記リンクです。
