前回は「真珠湾奇襲攻撃 56〜ブルの進撃・ハルゼー・キング・スターク〜」の話でした。
イライラする山口司令官


とにかく、
私を乗せて赤城へ向かえ!
ははっ!
激昂する山口司令官の異常なまでの迫力に、押されてしまう幕僚たち。



赤城の
草鹿参謀長へ伝えよ!



今から、
山口がそちらへ行く、とな!
ははっ!


飛龍より
入電!
山口司令が、
こちらへ向かう模様!



あの人の
ことだ・・・



本当に
赤城に飛んでくるかもしれん。
逡巡する南雲長官





山口さんが
赤城へ来るならば・・・



現場の指揮系統が混乱しますが、
いかがしますか?



うむ。



山口を止めるには、
第二次攻撃するしかないのか?



第二次攻撃に関しては、
やらなくて良いだろうか?



もう十分です。



これ以上攻撃しては、
我が軍の損害も大きくなります。



加えて、不在の敵空母が後方から
攻撃してくる可能性があります。



うむ・・・
着艦失敗の懸念に悩む山口司令官


山口司令!
準備完了しました!
しかし、大変な強風で、発艦はできても、
着艦に非常な困難があります。



なんだと!
赤城に、
うまく着艦できない可能性があります。



う〜む・・・


加えて、敵機来襲もあり、味方の同士討ちを
起こす可能性があります。
赤城へ行くのは、なんとか見直して
頂けないでしょうか。



そうか・・・



赤城へ行くのは、
難しいか・・・



赤城に着艦失敗しても、
私がどうなっても良い・・・



しかし、若い搭乗員たちを、
巻き込むわけにはいかぬ・・・
連合艦隊司令部の諦観





第二次攻撃出撃に関して、前線の司令部で
揉める可能性があります。



連合艦隊司令部として、
攻撃命令を出しますか?





いや・・・・・



泥棒だって、
帰りは怖いものさ・・・



奇襲攻撃した後の南雲も
そんな気持ちだろう・・・
諦観するように、ポツンとつぶやく山本長官。



放っておいて、
良いでしょうか?



うむ・・・
まあ・・・
なんとなく煮え切らない山本長官。
乾坤一擲の奇襲攻撃は、戦術としては成功していました。
奇襲攻撃を、「泥棒の行為」に喩えた山本長官。
その真意は不明ですが、この先の日本海軍の運命を予感させるものだったのでした。