前回は「海軍内部のライバル意識〜第二航空戦隊の立場・世界最強だった第一航空艦隊・第一航空戦隊と第二航空戦隊と第五航空戦隊・源田実と淵田美津雄・海兵52期の両雄〜」の話でした。
米国民の圧倒的支持を背景としたルーズベルト大統領
ハル国務長官と協議を続けるルーズベルト大統領。
大統領選挙では
空前とも言える圧勝だった・・・
だからこそ、
大統領選の公約は守らねばならん!
米国全土が「青色に染まった」と言えるほどの圧勝をしたルーズベルト大統領。
US国民の支持を
確実なものとするには・・・
細心の注意を払って、
演説の原稿を作る必要があるな・・・
仰る通り
です・・・
どう、US国民の戦争参加
への意欲を鼓舞するか、だ!
それは
非常に最重要ですね・・・
当時、東條英機総理大臣が政権を握り、陸軍を抑えていました。
そして、陸軍と海軍の支持があれば、事実上「政権は維持できる」体制だったのが当時の日本でした。
対して、「全国民に対して投票権がある」大統領選挙によって選出される米大統領。
ルーズベルト大統領にとって、「国民の支持」は極めて重要です。
東條に組閣を
命ずる・・・
ははっ!
お任せを!
東條よ・・・
任せたぞ・・・
政府内部での調整や意見交換があるにせよ、「天皇が首相を指名する」のが日本でした。
日本のように、
日本国民に
支持されたいが・・・
別に支持があろうと
なかろうと、政権運営には関係なし!
国民の支持は「そもそも必要ない」政界と、米国の政界は大違いだったのでした。
リメンバー・パール・ハーバー:ルーズベルトの国民への掛け声
真珠湾では米海軍は「想定外の大打撃」を受けている状況です。
おのれ・・・
Japanめが・・・
「日本の出方」を、ずっと見守っている間、ルーズベルト大統領は考え続けていたことがありました。
US国民への演説が、
極めて重要だ!
「米国民への演説」を「対日・対独戦争の方針」以上に重視していたのです。
US国民に対日戦争への意欲を煽るためには、
短いフレーズが良い。
それでずっと
考えていたのだが・・・
“Remember Pearl Harbor”は、
どうだろうか?
ハル国務長官に問いかける、ルーズベルト大統領。
“Remember Pearl Harbor”
ですか・・・
非常に
分かりやすいですね!
さすが
大統領です!
大賛成のハル国務長官。
そうか!
君も良いと思うか!
よしっ!
決まりだ!
この”Remember Pearl Harbor”を、
演説の軸にする!
大統領演説を、
さらに練るぞ!
勇むルーズベルト大統領。
JapanとHitlerを
地獄に叩き落とすのだ!
日独伊三国同盟ですが、米国から見てイタリアは「ドイツの仲間」に過ぎませんでした。
Hitlerさえ潰せば、
Mussoliniは終わりだ!
TojoとEmperor:日本の天皇制と不可解な戦時体制
Hitlerは総統を名乗って、
独裁者を演じておるな・・・
はっ!全くGermanyの国民も
どうしてしまったのか・・・
それで、Germanyは
Hitlerが率いているが・・・
Japanの総理大臣は、
誰だったかな?
陸軍のボスの
Tojoです。
Tojo・・・?
誰だったか・・・
よく知らないが・・・
まあ、また変わるかも
しれないしな・・・
まあ、
誰でもいいか・・・
Japanは、
Emperor(天皇)制ですからな・・・
日本が天皇制であるものの、天皇にどこまで権限があるのかが不明瞭であること。
この「日本の国家体制の根幹問題」を、米国はよく承知していました。
これは、米国が日本と公式に接触を持ち始めたペリー提督の頃から、ずっと米国には「不可解なこと」でした。
Japanは、どうやって戦時体制をとるのか、
いまひとつ不可解です・・・
うむ・・・
誰がトップかわからんな・・・
とにかく、君は真珠湾の状況を、
King司令官と協議してくれ。
Japanへの反撃に
備えてくれ!
分かりました。
お任せを!
King司令官を
呼べ!
はっ!
ただちに!
山本司令長官が、奇襲作戦立案時に考えていた「米国民の士気を消沈せしめる」という構想。
事態は「山本司令長官の思惑」とは、真逆の方向に向かっていました。
次回は上記リンクです。