前回は「初代内閣総理大臣・伊藤博文の赤裸々な告白〜爆発的に売れた本・「伊藤公直話」の信頼性・「軍人バッコ」二二六事件の年に発刊〜」の話でした
幕末維新から明治を駆け抜けた伊藤:「維新の後輩」から大躍進

幕末維新の時代から、明治を思い切り駆け抜けた伊藤博文。
伊藤博文この伊藤博文は、
初代内閣総理大臣に就任した・・・
我が国の初代内閣総理大臣であり、最年少の44歳2ヶ月は、永遠に破られない記録となりそうです。
| 名前 | 生年 | 所属 |
| 大村 益次郎(村田 蔵六) | 1825 | 長州 |
| 岩倉 具視 | 1825 | 公家 |
| 西郷 隆盛 | 1827 | 薩摩 |
| 武市 瑞山 | 1829 | 土佐 |
| 大久保 利通 | 1830 | 薩摩 |
| 木戸 孝允 | 1833 | 長州 |
| 江藤 新平 | 1834 | 佐賀 |
| 坂本 龍馬 | 1835 | 土佐 |
| 中岡 慎太郎 | 1838 | 土佐 |
| 山縣 有朋 | 1838 | 長州 |
| 高杉 晋作 | 1839 | 長州 |
| 久坂 玄瑞 | 1840 | 長州 |
| 伊藤 博文(俊輔) | 1841 | 長州 |
幕末維新の英傑たちの中では、明らかな「後輩格」であった伊藤博文。
上の表をみると、長州は山縣・高杉・久坂・伊藤ら若手が多いのが特徴的です。


木戸孝允・大久保利通に可愛がられ、岩倉使節団では、若いながら副使となった伊藤。
この頃から、伊藤は明治政府の超中心人物となってゆきました。


1936年発刊の「伊藤公直話」は、伊藤らしい軽快な口調で語られており、読みやすいです。
目の前に伊藤博文がいるかのように感じられるほど、面白い内容です。


1936年7月15日に発売後、猛烈な勢いで再版され続けたのも、頷けます。
「木戸と大久保が全て」の伊藤博文:維新の英傑たちへの思い


「伊藤公直話」の冒頭に、「人物談」があり、ここが最も面白いです。
| 語る対象 | ページ数 |
| 大久保利通 | 15 |
| 木戸孝允 | 22.5 |
| 西郷隆盛(南州) | 1 |
| 高杉晋作 | 0.2 |
| 三条実美 | 6 |
| 岩倉具視 | 11 |
| 島津久光 | 0.5 |
| 島津斉彬 | 2 |
| 吉田松陰 | 1 |
| 長井雅楽 | 1.5 |
| 藤田東湖 | 1 |
| 大村益次郎 | 2 |
| 佐久間象山 | 0.2 |
| パークス | 7 |
| 弘法大師 | 1 |
| 狩野芳崖+橋本雅邦 | 2 |
| 豊臣秀吉 | 0.2 |
| 菅原道真 | 0.2 |
| 森槐南+矢土錦山 | 0.2 |
| 合計 | 74.5 |
上は、伊藤公直話のおける順序のままであり、語っているページ数は概算です。
一目見て、「大久保と木戸が圧倒的ページ数」であることが明白です。



この伊藤にとって、
大久保さんと木戸さんが最大・・・



とにかく、大久保さんと
木戸さんあっての伊藤だ・・・
木戸と大久保に可愛がられた結果、異様なほど早く出世した伊藤博文。
そのため、この「大久保+木戸」に偏っているのは当然ですが、もう一つ大きな特徴があります。



西郷さんに関しては、
別に・・・
「明治維新最大の英雄」と言われることが多い、西郷隆盛に対しては、たった1ページということです。
・薩摩:西郷隆盛・大久保利通
・長州:木戸孝允
・公家:岩倉具視
筆者は「維新の四傑」とまとめていますが、現代において「圧倒的存在」の西郷。
この本は伊藤が編纂したのではないですが、「語るストーリー」に大きな差があったのでしょう。
大久保に対しては15ページ語り、木戸に対しては最大の22.5ページ語った伊藤。



順序は大久保さんが最初で、
木戸さんは二番目だが・・・



志士の頃から、ずっと
兄貴分だった木戸さんは勿論最大ページ数だ!
それに対して、西郷が「たった1ページ」という点に、伊藤の「西郷への評価」が見て取れます。
そして、この伊藤の「西郷への評価」は、当時の明治政府の空気感を表しているように感じます。

