小高い山城の犬山城〜「ほのかな優美さ」を持つ城・「小牧・長久手」における秀吉と家康の死闘・小高い河畔の城の価値〜|尾張・犬山城2

前回は「尾張国の要・犬山城〜「天守国宝指定の五城」の一つ・少し地味な存在の質実剛健な城・「水の流通」と信長の城郭への思い〜」の話でした。

目次

小高い山城の犬山城:「ほのかな優美さ」を持つ城

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犬山城(新歴史紀行)

現在の愛知県と岐阜県の県境、木曽川のほとりに建つ犬山城を訪問しました。

かつては、尾張と美濃の境に立地していました。

天守が国宝指定の五城

・姫路城(兵庫県姫路市)

・彦根城(滋賀県彦根市)

・犬山城(愛知県犬山市)

・松江城(島根県松江市)

・松本城(長野県松本市)

天守が国宝である犬山城は、極めて重要な城であり、文字通り「国家の宝」です。

一方で、歴史上、犬山城の存在はそれほど際立った存在ではありません。

織田信長の生まれの地である尾張にある割には、知名度は「それほど高くない」のが実情です。

知名度は高くはありませんが、遠望する犬山城は小高い山に建ち、「ほのかな優美さ」を醸し出していました。

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犬山城(新歴史紀行)

犬山城に向かって歩いてゆくには、山道の歩道を歩いてゆきます。

上の写真のように、「こちらが犬山城です」と、分かりやすい標識があるのが嬉しいです。

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犬山城(新歴史紀行)

途中、猿田彦神社という神社があり、「神社を通ると犬山城へ近道」と書いてありました。

筆者は神社を訪れることが好きで、近道でもあるので、猿田彦神社でお参りして犬山城へ。

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犬山城(新歴史紀行)

猿田彦神社には、地元の皆様が寄進した「赤い連続する鳥居」があり、優美な雰囲気です。

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犬山城(新歴史紀行)

続いて坂道を歩いてゆくと、もうすぐ犬山城です。

「小牧・長久手」における秀吉と家康の死闘:小高い河畔の城の価値

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犬山城(新歴史紀行)

もうすぐ犬山城の入り口になりますが、まだまだ坂道が続きます。

こぢんまりとした山ですが、実際に登るのは、なかなか時間もかかります。

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犬山城(新歴史紀行)

無骨な石垣が見えてきて、「戦国時代の香り」が感じられます。

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犬山城(新歴史紀行)

ようやく、犬山城の入り口に至りました。

木曽川河畔から犬山城を眺めていた時は、もう少し短時間で到達すると思いましたが、思いの外時間がかかりました。

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犬山城(新歴史紀行)

いよいよ、犬山城の城内へ進みます。

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左上から時計回りに、織田信長、豊臣秀吉、北条氏政、徳川家康(歴史群像シリーズ 図説・戦国武将118 学研、Wikipedia)

信長の勃興期には、あまり登場しない犬山城。

織田信長

木曽川は、
尾張と美濃の流通上、重要だ!

経済や流通を重視していた信長にとって、

織田信長

そして、犬山城は、
木曽川を睨む城だ!

犬山城は「木曽川の支配者」として、一定の重要性を持っていたと考えます。

時代は流れて、信長が本能寺で横死し、羽柴秀吉と徳川家康が小牧・長久手で睨み合いました。

1584年3月から11月に掛けて、秀吉と家康の間で行われた「天下を左右する」戦いでした。

この頃は、まだ「豊臣」ではなく「羽柴」だった秀吉。

羽柴秀吉

ここで、一気に徳川を
叩き潰して、私の天下へ!

こう考えていた秀吉に対して、かつては「格下」ながら「信長の同盟者であった」家康は、

徳川家康

小賢しい・・・
私に野戦で挑むとは・・・

名前生年(一部諸説あり)
明智光秀1528年
織田信長1534年
羽柴秀吉1537年
徳川家康1542年
信長・光秀・秀吉・家康の生年

この頃、ちょうど40過ぎの家康と、40代半ばの秀吉は、双方が「脂が乗った」時期でした。

この「小牧・長久手」は、家康の圧勝に終わりますが、犬山城も登場した説があります。

当時、犬山城は秀吉側の池田恒興の領土でした。

小高い犬山城を登ってみて、「程よい地面との距離感」と「木曽川との距離」を感じました。

そして、「犬山城を防衛拠点として、秀吉が更に活用したら」を考えました。

程よい高さで、木曽川を背景にした犬山城は、なかなか高い防衛力と流通の力を持っていました。

「小牧・長久手」で犬山城にもっと出番があったら、歴史は変わっていたかもしれません。

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