前回は「大奮起した井伊直弼〜幕末維新の幕開け・名前が良い不平等条約「日米修好通商条約」・井伊家から六人目の大老就任・「必然」であり「なんとなく」井伊〜|井伊直弼10・出身・人物像・エピソード」の話でした。
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徳川幕府十一番目の大老:井伊から六人目
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大老は井伊しか
いない!
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井伊直弼よ!
大老に就任し、この国難を乗り切れ!
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私めが
大老に!
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ははっ!
私に全てお任せください!
家名 | 人数(名) |
井伊 | 5 |
酒井 | 3 |
土井 | 1 |
堀田 | 1 |
十三代将軍家定の代までに、「大老十人中五人」で半分を占めた井伊。
井伊直弼は「徳川幕府十一人目であり、井伊家から六人目」の大老に就任しました。
井伊直弼自身が、信じられない「大老就任」という展開でした。
この「井伊直弼の驚きの出世」を現代の会社に例えて考えてみましょう。
歴史ある大企業・株式会社井伊商事の代表者兼大株主の名家井伊家に十四番目に生まれた直弼くん。
生まれた時はすでにお兄ちゃんが社長。
他に多くのお兄ちゃんや親族もいるので、
直弼は一生懸命
勉強していれば良いよ・・・
という感じでした。
何不自由ないながらも、勉強に励んでいました。
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勉強を
一生懸命頑張ろう!
そして、学者としても一流になった井伊直弼。
かなり高い能力を持っていて、学者として大成間違いなしでした。
他の兄達は、
超名門・井伊商事の
ご子息なら・・・
と他の会社の重役に抜擢されていました。
これは「超名門の井伊家と関係を持ちたい」方が多いからでした。
ところが、
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僕に声を掛けてくれる人は
何故いないんだろう・・・
直弼くんは、残ってしまっていました。
ハイテンションになった井伊直弼
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僕だけ
残ってしまった・・・
すると社長だった兄は病死してしまい、既に他のお兄ちゃんたちは他の企業に行っています。
「他の企業から出戻り」も考えられなくはないですが、迎えた側のメンツもあります。
そこで、直弼以外に、井伊商事を継ぐ人がいなくなってしまいました。
社長になるのは、
直弼しかいない・・・
そして、直弼くんが急遽社長となりました。
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えっ、僕が社長?
本当?
直弼くん、びっくりしますが、一生懸命学問をしてきて賢かったので、
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よし俺が、井伊商事を
世界に飛躍させてみせる!
張り切って、凄まじく意気込みます。
今度は突然、日本政府から超重要な役職への就任を要請されます。
なんと、
あなたに
副総理兼特別大臣になって頂きたい・・・
特別大臣とは財務大臣・外務大臣・総務大臣などを
兼務します・・・
と日本政府が懇願します。
しかも、
場合によっては、他の大臣にも命令できる
超強力な権限を持ちます・・・
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・・・・・
「え?」と思いながらも、その特別大臣に就任した直弼。
現代の日本政府では、副総理といえども「他の大臣に命令」は出来ません。
ところが、国家の巨大な権限を手中に収め、他の大臣(老中・若年寄りたち)に命令できるポジション。
これで、ハイテンションにならない人はいないでしょう。
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よし、俺が徳川幕府を
再興させてみせる!
一種異常なまでの高いテンションで、江戸城へ登城した井伊直弼。
絡み合う優れた人物たちとの「運命の歯車」
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この頃、橋本左内・吉田松陰ら優れた頭脳を持つ人物たちが、日本の行末を案じていました。
当時の日本の中で、際立って優れた、先進的な能力を持っていた人物たちでした。
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学者として生き続ければ、きっと優れた業績を残し、さらに数多くの著作を残したであろう人物たち。
このハイテンションがやがて、混迷を極める時期において次々と大きな事件に繋がってゆきます。
彼らの運命の歯車が、いよいよ噛み合ってきました。
そして、井伊直弼自身の運命は急速に開けた後に、幕末の風雲の中に揉まれてゆくのです。
学者の人生を続けていたら、幸せだったであろう志士たち。
それは、井伊直弼も同様だったかもしれないでしょう。
次回は上記リンクです。