前回は「井伊直弼 9〜最高権力者へ〜」の話でした。

井伊直弼の前は4代続けて井伊家だった大老。
そこで、将軍家定は「井伊直弼の能力・人柄に任せた」というよりも「何となく井伊家」という感じで任命したのでしょう。

埋木舎でひっそりとした人生を送っていたのに、突然、彦根藩主になって自分でも驚いていた井伊直弼。
今度は大老として、江戸幕府を任されることになります。

井伊よ。
徳川幕府を任せたぞ!
井伊直弼自身が信じられない展開だったでしょう。



私めにお任せを!
最初は信じられなかった直弼。



本当に私が大老に・・・?



夢ではないのか・・・?



ならば、徳川宗家のために、
私が揺らいだ徳川家の屋台骨を修復してみせよう!
井伊直弼は、大興奮を超えて、大奮起します。



私が、幕府の威信を取り戻してみせる!
井伊直弼の大老就任は、徳川幕府においては非常に大きな転換点でした。





激動の世界において、
徳川幕府ではダメだ!
「徳川幕府は倒すしかない」と考えていた吉田松陰や橋本左内。


徳川幕府の大きな変化を肌身で感じていたものの、



井伊直弼って誰?
長らく表舞台にいなかった井伊直弼の存在は、その程度でした。



井伊直弼が大老になったところで、
徳川幕府は大して変わらない・・・
こう考える橋本左内たち。
時代は、幕末の大きなうねりの中に突入してゆきました。
そして、「まさか・・・・・」という事態に向かってゆきます。