織田信長と明智光秀の最先端築城術〜安土城と亀山城・鉄砲隊の代名詞「鉄砲の明智」・鉄砲の名手だった明智光秀・羽柴秀吉と明智光秀の「最強コンビ」〜|本能寺の変11・戦国時代の終焉

前回は「明智光秀の新拠点・亀山城〜京都の隣国丹波一国を領する意味と近畿管領・本拠地を次々移転した織田信長・三度の織田家大移動・本拠地移転を「考えもしなかった」信玄や謙信〜」でした。

織田信長と明智光秀(新歴史紀行)
目次

鉄砲隊の代名詞「鉄砲の明智」:鉄砲の名手だった明智光秀

新歴史紀行
鉄砲:種子島鉄砲館(新歴史紀行)

政治力や知謀が抜群であるだけでなく、軍事能力も非常に高かった明智光秀。

多少の誇張がありますが「鉄砲の明智」と呼ばれ、織田家においては「鉄砲隊の代名詞」でもありました。

織田家重臣 明智光秀(歴史群像シリーズ 図説・戦国武将118 学研)

素性が定かではなく、織田家・足利家の前に朝倉家に寄宿していた説が有力な明智光秀。

この「明智光秀が、かつて朝倉家にいた」というのは、一つの説であり、伝承に近い話でもあります。

いずれにしても、どこで身につけたのか不明ながら、自らが「鉄砲の名手」であった光秀。

私が鉄砲を撃てば、
多くを的に当てることが出来ます!

軍司令官クラスであった光秀は、軍を采配する際は、「全体を見る」ことが最も重要です。

その為、鉄砲隊を指揮する際には「どのように鉄砲隊を配備するか」を指揮する能力が重要でした。

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織田家重臣 滝川一益(歴史群像シリーズ 図説・戦国武将118 学研)

織田家の長年の宿老で「甲賀出身」とも言われる滝川一益もまた、鉄砲の第一人者でした。

いずれも「鉄砲隊の指揮」に長けていたのでしょうが、「自身も鉄砲が上手に使える」ことは大事でした。

それは、「鉄砲隊を構成する軍勢の立場」に自分がなれるからです。

私は、鉄砲の名手だから、
鉄砲隊の軍勢の全てが分かるのだ!

この「鉄砲隊の全てを把握していた」武将であった明智光秀は、極めて貴重な存在でした。

それは、鉄砲が広まっていた九州や紀伊などの地域を除けば、「ごく一握り」の武将のみが有する能力でした。

羽柴秀吉と明智光秀の「最強コンビ」

戦国大名 織田信長(歴史群像シリーズ 図説・戦国武将118 学研)

本能寺の変直前に、信長は光秀に「秀吉の援軍」を命じました。

光秀よ、
中国に向かい、猿と毛利を潰せ!

ははっ!
お任せを!

この「秀吉の援軍」に関しては諸説あります。

筆者は「秀吉の指揮下」ではなく「信長の代理=軍監」であったと考えます。

織田家重臣 羽柴秀吉(歴史群像シリーズ 図説・戦国武将118 学研)

俺は鉄砲を撃つことは
出来ないが・・・

諜報力と調略では
織田随一だ!

この秀吉と光秀を組ませれば、毛利攻略は早めに進みそうです。

猿と
キンカン頭が組むか・・・

それは、
面白そうよのう・・・

ある意味、戦国時代では、これ以上のコンビは存在せず「最強コンビ」でした。

丹波平定後の光秀直轄領(図説明智光秀 柴裕之編著 戎光祥出版)

丹波は山が多いので、黒井城・八上城よりも亀山城のほうが出撃しやすい土地柄です。

それでも、やはり光秀を前線に行かせるよりも、京都周辺にいて欲しかったのでしょう。

光秀が信長から暴言を浴びせられた・殴られたなどの説は、羽柴秀吉あたりが後に作った嘘と考えます。

実際は、信長は光秀を最初から最後まで重用していて、大事にしていたのでしょう。

光秀 丹波攻略(歴史道vol.13 朝日新聞出版)

そして、信長の期待に大いに応え、懸命に働いた光秀でした。

軍事に政治に、織田家の全ての分野において。

織田信長と明智光秀の最先端築城術:安土城と亀山城

亀山城のイメージ(歴史人2020年7月号 KKベストセラーズ)

私は、
ただの石ころだった・・・

信長様のおかげで、
大名となったのだ!

坂本城及び街を、丁寧に作り上げた建築的センスを持つ光秀。

そのデザインセンスを活かして、光秀は亀山城及び街づくりでも本領発揮します。

京・山城との
関係が深い、歴史ある国・丹波・・・

この丹波の地に、
これまでにない城を築くのだ・・・

光秀の精魂尽くした「城と街が一体となった」亀山城。

実に優雅なデザイン・設計です。

新歴史紀行
安土城図(歴史人2016年12月号KKベストセラーズ)

信長も新たな安土城築城の際は、安土城と城下町の関係は非常に良く考えていました。

余の城は、
権威の象徴だけではない・・・

光秀の「山国の水城」というコンセプトは今見ても新鮮味があり、当時は大変斬新でした。

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安土城天主 信長の館(新歴史紀行)

光秀の
「山国の水城」亀山城・・・

なかなか
面白いのう・・・

こういう秀吉や勝家にはない、光秀ならではのセンスを信長は愛していたのでしょう。

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