前回は「種子島鉄砲館〜鹿児島から「すぐ近く」で馴染み深い種子島・大隅諸島の一角・近くて「なかなか訪れない」種子島・鉄砲玉と早合〜」の話でした。
島津の猛烈なパワーの源泉・鉄砲:輝きを放ち続けた薩摩と周辺の島々
歴史好きにとっては、見どころたくさんの鹿児島県を訪れました。
日本四島である本州・北海道・四国・九州の中では、「端に位置する」鹿児島県。
現代の日本においても、「端にある」感覚があります。
そして、「日本の端」であることは同時に海外から見れば、「日本への窓口」です。
その窓口である鹿児島周辺は、かつては「薩摩」と呼ばれていました。
そして、源平の時代から島津家が治めており、戦国時代から幕末維新にかけて、輝きを放ちました。
我が島津が
九州を制圧する!
戦国末期には、「九州全土を制圧しかけた」ほどの島津家。(上記リンク)
古来から、中国などの海外との窓口となってきた都市・街が多数あった九州。
戦国期には、大友宗麟・大村純忠・有馬晴信ら戦国大名がキリシタンになりました。
俗に「キリシタン大名」と呼ばれる彼らは、キリスト教徒キリシタンを手厚く保護しました。
そして、当時「南蛮」と呼んでいた強国スペイン・ポルトガルとの交易を積極的に行いました。
当時、豊後や肥後は小奥だかも高く、九州全土を制圧したら250万石ほどになりました。
島津は戦国から維新にかけて
最強だったのだ!
日本の中で「異質な輝き」を放ち続けるた島津家の力の源泉の一つが鉄砲でした。
おそらく、早い時期から種子島も影響下に置いていた島津家。
種子島から一気に広まっていった鉄砲は、島津家・織田家などで猛烈なパワーを発揮しました。
種子島銃を「国内生産」した八板金兵衛:日本刀の技術と鉄砲
そして、種子島鉄砲館には種子島銃が展示されています。
この種子島銃がポルトガル人からもたらされて、
これは、
鉄砲という武器です・・・
日本の戦国時代に甚大な影響を与えることになります。
そして、そのすぐ近くには、矢板金兵衛という方が「真似をして作成した」銃が展示されています。
「真似て作成した」とは言え、当時のポルトガル人から見れば、
こんなに短期間に
鉄砲を作成するとは・・・
思いもしなかったが、
Japanは鉄の加工技術が高い・・・
日本にあった「鉄の加工技術」等によって、いち早く銃の国内生産に成功しました。
その「鉄の加工技術」の源泉は、日本刀などの武器を作る技術でした。
ちょうど戦国期に入っていた頃の1543年に渡来した鉄砲。
その時代は、各地の大名たちは、
とにかく、強力な
武器を作り出すのだ!
血眼になって、強力な武器を探していました。
そして、まさに日本の「武器製作技術」が大いに栄えていました。
この条件がちょうどピタリと合った結果、鉄砲は輸入に頼らず、国内生産が可能となりました。
そして、日本全土にたちまち広がることになりました。
種子島鉄砲館と「戦国の風」:鉄砲製造プロセス
鉄砲館では、鉄砲伝来当時の「鉄砲の製造プロセス」の展示があり、とても興味深いです。
古来から、文化や武器は中国から渡来して「日本独自の技術」を磨き続けてきました。
そして、「美しいと同時に異常に鋭利」な日本刀が生み出されました。
この日本国内で磨き上げられ続けた日本刀の加工技術によって、銃の砲身製造は比較的容易でした。
この部分は
どうやって固定するのだろう・・・
それでも、当時はネジなどの技術は西洋より遅れていたので、「分からない根幹」もありました。
諸説ありますが、
そこは、鉄砲製造で
とても大事なところね・・・
まあ、Japanの方々とは
お付き合いしたいから、教えましょうか・・・
「根幹の一部」はポルトガル人に教えてもらったこともあり、
よしっ!
これで鉄砲は作れる!
種子島周辺で鉄砲国産化が進み、それは一気に広がって行きました。
鉄砲の生産地というと、近江・国友村などが有名です。
最大の鉄砲集積地は「大坂の堺」で、堺では鉄砲の輸入とともに生産も行われていたと思われます。
当時、商業最先端で高い経済力を持っていた近畿で鉄砲生産が高くなったのは、必然でもあります。
一方で、九州の先であった種子島から、鉄砲生産の技術が「どのように広まったか」は興味があります。
これほど遠い距離を一気に伝播して、近畿周辺では鉄砲の生産と輸入が猛烈な勢いで伸びた事実。
それは、戦国期の「異常な熱気」によるのかもしれません。
当時、大友氏らが輸入したと思われる「大筒」と呼ばれる巨大鉄砲も展示されています。
多数の内外の鉄砲が揃えられて、展示されている種子島鉄砲館。
戦国期から幕末維新当時の「熱気」のような「鉄砲にかける想い」を感じることができます。
近いのに、なかなか訪れる機会がない種子島。
そして、鉄砲に関して、実に様々な展示がされていて「戦国の風」が感じられる鉄砲館。
歴史好きの方は、ぜひ訪れてみてください。
次回は上記リンクです。