前回は「山本五十六 1〜抜群の知名度・東條か山本か・山本連合艦隊司令長官の「狭く弱い権限」・聖将・智将・凡将・愚将の評価・真珠湾奇襲攻撃・ミッドウェイ海戦〜」の話でした。
歴史の威人たちの箴言
歴史を彩る様々な人物たち。
一般的には「偉人」と呼ばれる人物たちですが、「偉人」には「偉い人」という意味が込められます。
「偉い人」かどうかは主観にもより、評価は定まらない点があります。
一般的には、第二次世界大戦で米軍と死闘を演じた山本五十六連合艦隊司令長官は、「偉人の一人」です。
一方で、
山本五十六は
凡将!
という声もあれば、
山本五十六は
愚将!
という意見まであります。
山本長官に対する評価は様々ですが、山本が「威力を発揮した人物=威人」であることは間違いないでしょう。
織田信長も「偉人=偉い人」かどうかは様々な評価はあれど、「威力を発揮した人物=威人」であることは確実でしょう。
歴史上の偉人たちの言葉を、「威言」としてご紹介してゆきたいと考えます。
やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば人は動かじ
やってみせ、言って聞かせて、
させてみて・・・
ほめてやらねば
人は動かじ!
この言葉には、山本の信念と共に、山本の性格が強く現れています。
やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば人は動かじ!
とにかく部下の将兵たちに対しては、
まずは「やってみせ、言って聞かせて、
させてみる」ことが大事だ!
この「やってみせ」こそ、山本の「率先垂範」の意思が強く現れています。
そして、最後の
人を動かすためには、
ほめてやらねばならぬ!
上下関係が極めて厳重な軍隊。
「上官の言うことが絶対」であり、一般社会の「上司と部下」とは次元が違う世界でしょう。
そこに「褒めてやる」という「優しさ」を込めた山本。
山本なりの「部下育成法」が端的に表現されています。
山本の対米戦への思い:米海軍と大日本帝国海軍の頂上決戦
幕末・明治維新の頃は、米英を中心とする欧米列強に振り回され続けた日本。
実際、科学・技術・工学などにおいて「欧米よりもはるかに遅れていた」日本は、
何はともあれ、
欧米に追いつくのだ!
「欧米に追いつけ、追い越せ」を続け、大日本帝国海軍は急速な膨張を続けます。
その結果、「先生であった大英帝国を抜いて、世界2位」となった大日本帝国海軍。
世界1位は、もちろん今も昔も米国海軍です。
様々な側面がある第二次世界大戦・太平洋戦争・大東亜戦争。
「一つの側面」は、「海軍1位の米国と2位の大日本帝国の頂上決戦」でもありました。
山本の精神が宿っている言葉
ところが、「1位の米国」は「圧倒的1位」であり、
米国と戦って、
勝てるはずがない!
と言い続けてきた山本。
その中、海軍航空本部長・海軍次官などの職務の中、「大日本帝国海軍の航空部隊を飛躍させた」人物。
その人物こそが山本五十六でした。
この空母・航空隊で
一気に雌雄を決するのだ!
こう考えた山本が「強行した」のが真珠湾奇襲攻撃でした。
この「極めて困難な戦い」と言うよりも「敗北が確実」であった対米戦。
この戦いを「将兵を率いて戦える人物」こそ、「やってみせ・・・」の山本しかいないのが現実でした。
連合艦隊司令長官は、
「我が大日本帝国海軍の顔」だ・・・
「海軍の顔」は、
山本しかいないだろう!
そして、「巨大すぎる敵を相手に戦い続けた」山本。
まずは「やってみせ、言って聞かせて、
させてみる」のだ!
山本長官に
ついてゆきます!
よく出来た!
航空隊出撃の際には、自ら「帽振って、将兵たちを見送った」山本。
山本長官が
見ていてくれる!
大勢の部下・将兵たちを鼓舞して、対米戦を戦い抜いた山本。
ところが、「米国が強すぎた」ために徐々に押され続けることになり、
・・・・・
対米戦途中にして、山本長官は米海軍機に撃墜されました。
「山本の精神が宿っている言葉」とも言えるでしょう。
次回は上記リンクです。