前回は「「明智光秀の野望」が最大根拠〜誰一人考えもしなかった「明智謀反」・「茫然自失+焦慮の色」だった明智重臣・「思い留まらせる」は不可能〜」の話でした。
「完璧な計画」+「完璧な行動」実行した光秀:明け方に本能寺へ

明智光秀信長は兵力を
伴わずに都に滞在しており・・・



兵力を有する主将たちは
毛利との戦争に出動し・・・



お前たち(彼ら)に与えられるべき報酬は、
特にお前たちから期待される勲功と強力に全て準じ・・・



対応したものに
なるであろう。



と
語った。


ルイス・フロイス「日本史」によると、「完全に唐突に」謀反を打ち明けられた明智の四重臣たち。





・・・・・



殿(光秀)に、
生命を捧げる覚悟であります!
茫然自失とした後、重臣たちが「このように返答した」と、ルイス・フロイスは推測しています。
この話は、確実に推測であり、知っているのは「光秀+四重臣」しかいません。
光秀の言動は、非常に明確ではっきり描写したフロイス。
光秀に対しては、



忍耐力に富み、計略と策謀の
達人であった。



彼は誰にも増して、絶えず信長に
贈与することを怠らず・・・
とにかく、「非常に悪辣な人物であった」ように描写したフロイス。
それにしては、動揺していたはずの光秀の言動を、極めてクリアに描写しました。
筆者は、日本人の気質、光秀の性格などを考えると、現実はもう少し言葉少なめだったと考えます。
この「光秀と四重臣の間の本能寺の変直前の会話」は永久に謎ですが、大いに興味をそそります。



ところで、明智は
極めて注意深く、聡明だったので・・・



もし、彼らのうちから誰かが
先手をうって信長に密告するようなことがあれば・・・



自分の企ては失敗する
ばかりか・・・



いかなる場合でも死を免れないことを
承知していたので・・・



彼は直ちに自らの面前で、全員を
武装せしめ、騎乗するように命じて・・・



真夜中に出発し、
暁光が差し込む頃には・・・



すでに都に
到着していた。
とにかく、「計画書を作成し、計画書通りに決行した」かのような緻密な光秀の行動。
「謀略の達人」と描写したフロイスの視点から見れば、明智光秀の動きは「完璧」でした。
「思い切りが良くない」光秀と坂本城修理:曖昧な「謀反後の戦略」


「本能寺」の時も、建っていた銀閣寺。
一般的には、「本能寺」の時の明智軍は「一万三千程度」と描写されることが多いです。
それに対して、フロイスは、



そして、彼は、特に安土で信長から
毛利との戦いにおける羽柴を援助するため・・・



七、八千の兵を率いて、
直ちに出動を命ぜられた武将の一人であった。
明智軍を「七、八千」と描写しており、筆者はこの兵力が正しいと考えます。
フロイスの描写においては、好悪の感情が目立ちますが、数量が極めて明確な点が重要です。
何を記載するにも、数や量を明確にして記載したフロイス。
この点から、フロイスの「明智軍の兵力=七、八千」は、極めて信頼性が高いと考えます。
おそらく、この「七、八千」を、本能寺と妙覚寺、そして京都包囲の三つの軍隊に分けた光秀。
最大の目的の本能寺には、二千五百〜三千程度向けた、と考えます。



さらに明智は、自らの諸国と
坂本の城塞を固め・・・



よく修理するように明治、
不在中、なんらの騒動も生じないよう・・・



城内を絶えず監視するように
言いつけた。
フロイスの「坂本城などを修理+厳戒態勢」もまた、興味深い記述です。
「信長を倒した」後は、京都周辺を一気に制圧するしかなかった明智光秀。
そして、京都の間近にあった坂本城は、いよいよ「明智家の中心」となるはずでした。
すでに「近畿管領」と表現されるほど、京都周辺を抑えていた明智一派。
「明智家=明智本家+細川家+筒井家」は、京都を囲むようにありました。
そのため、「謀反完了後」は、京都や坂本城の周囲に一気に勢力が拡張するはずだった明智家。
確かに坂本城は「明智の中心であり続ける城」でしたが、「修理は不要」だったはずです。
「城塞の修理」は武人として重要ですが、費用も時間もかかるため、優先順位が大事でした。
それにも関わらず、「坂本城修理」を優先させた光秀。



ひょっとすると、
坂本城に籠城することになるかもな・・・
光秀の胸には、このように「坂本籠城」の可能性が去来した、と考えます。
とにかく、「全てに対して万全」だった明智家。
その一方で、この「坂本城修理」は、少し後ろ向きです。
「謀反=アクセルと、防衛=ブレーキを同時」のようにも感じられます。
信長を討った後、「柴田対策」を最優先した説が有力な光秀。
ならば、「坂本城修理」よりも「鉄砲の追加購入」などを優先させるべきでした。
「思い切りが良くない」光秀像が、ここにも明瞭に表れている、と筆者は考えます。

