軍部と一緒に走った大日本帝国臣民〜「米国倒せ!」の怒号と熱気・国民的憤激に油注いだ米国「排日移民法」・「対岸の火事」欧州大戦〜|昭和天皇独白録10・昭和の真実

前回は「昭和天皇が語る「大東亜戦争の遠因」〜排日移民法と国民的憤激・真っ当過ぎる「人種差別撤廃」主張した帝国・溜まった憤激マグマの行き先〜」の話でした。

目次

国民的憤激に油注いだ米国「排日移民法」:「対岸の火事」欧州大戦

New Historical Voyage
昭和天皇独白録(文藝春秋)

「昭和天皇独白録」において、昭和天皇は「第二次世界大戦の遠因」を語っています。

昭和天皇

遠く第一次世界大戦後の
平和条約の内容に伏在している・・・

「第二次」世界大戦は、やはり「第一次」世界大戦との関係性があったのでした。

昭和天皇

日本の主張した人種平等案は、
列国の容認する処とならず・・・

第一次世界大戦は、当時の大日本帝国にとっては、「対岸の火事」でした。

そのため、当時の軍部の中では、第一次世界大戦を「(第一次)欧州大戦」と呼ぶ人もいました。

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第一次世界大戦(Wikipedia)

第一次世界大戦で暴れ回ったのは、ドイツ帝国+オーストリア=ハンガリー帝国でした。

第一次世界大戦

連合国:主にロシア帝国+フランス+大英帝国の三国協商

同盟国:主にドイツ帝国+オーストリア=ハンガリー帝国

上の地図では、イタリアも同盟国陣営ですが、イタリアは日和見のような雰囲気でした。

第一次世界大戦、第二次世界大戦ともに、イタリアは「当てにならない国家」でありました。

第一次世界大戦後、「人種差別撤廃」が行われたら、世界平和に貢献したのは間違いなかったでしょう。

この時点で「人種差別撤廃」が実施されていたら、第二次世界大戦の様相は大分異なっていたでしょう。

ところが、

US

人種差別撤廃?
そんなこと、どうでも良いだろう・・・

UK

我々は白人だから、
差別撤廃したところで、得るものはない・・・

「白人様」であった大英帝国や米国にとって、「人種差別撤廃」は何のメリットもありませんでした。

そして、「米英の圧力」によって、「正しい提案」は踏み潰され、

昭和天皇

かかる国民的憤激を背景として一度、
軍が立ち上がった時に・・・

昭和天皇

之を抑えることは
容易な業ではない・・・

当時の帝国政府のみならず、日本国民が「憤激した」事実を昭和天皇は明確に語っています。

これだけでも「憤激」でしたが、さらにパリ会議が行われた1919年の5年後、

US

「排日移民法」を
制定しました!

1924年、米国はいわゆる「排日移民法」を制定しました。

軍部と一緒に走った大日本帝国臣民:「米国倒せ!」の怒号と熱気

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New York(新歴史紀行)

現在も、「人種のるつぼ」と表現される米国。

US

流石に移民が多すぎて、
国家像がぼやけてきた・・・

米国では、「多すぎる移民」に対して、危機感を持っていました。

US

欧州からの移民は良いが、
アジアからの移民は不要だ・・・

US

何といっても、奴ら(アジア人)は、
Yellow(黄色人種)だからな・・・

こうして、米国は、「アジアからの移民を禁じる」政策に出ました。

米国の排日移民法:1924年

アジア人排斥:アジア系人種は「帰化資格のない人種」と規定され、移民自体が禁止

当時、アジア系移民の大半を占めていた日本人を事実上、排斥

このような、「途轍もない法案」を堂々と通したところが、米国らしいです。

当然、帝国政府は抗議しましたが、

US

もう決定したので、
執行します!

米政府の考えは、一向に変わらず、このまま進みました。

昭和天皇独白録

排日移民法は、日本にとって
「一つの軍事的挑戦」であり・・・

昭和天皇独白録

「深い永続的怨恨を
日本人の間に残した」ものとなった。

昭和天皇独白録

日本の世論は、憤激以外の
何者でもなくなった・・・

昭和天皇独白録

「アメリカをやっつけろ」
「宣戦を布告せよ」の怒号と熱気に・・・

昭和天皇独白録

国中がうまったと
言っていい・・・

昭和天皇独白録

日本人の反米感情は
こうして決定的となった・・・

「昭和天皇独白録」には、このように当時の日本人の感情が説明されています。

これは、「昭和天皇の言葉」ではなく、「独白録の説明」という体裁です。

昭和天皇

之を抑えることは
容易な業ではない・・・

ここまでは、「昭和天皇の言葉」です。

おそらく、昭和天皇は続けて「より重大なこと」を発言した、と思われます。

その内容を受けて、「説明」という形にしたと考えます。

昭和初期の日本国民

アメリカを
やっつけろ!

昭和初期の日本国民

アメリカに
宣戦を布告せよ!

このような声が、1920年代に巻き起こっていた事実。

当時の軍部は、「大日本帝国が米英に押さえつけられている」ことをハッキリ認識していました。

そして、日本国民もまた、「米英による抑圧」に対して、怒り心頭であったことを如実に語っています。

当時は、全国民が「天皇陛下の臣」である「臣民」であり、昭和天皇は「君臨した神」でした。

新歴史紀行
沈没する戦艦アリゾナ(歴史人2021年8月号 ABCアーク)

「軍部の独走」と表現されることが多い第二次世界大戦。

ところが、昭和天皇は、明確に表明しました。

実は、当時の大日本帝国臣民もまた「軍部の独走と共に走っていた」こと、を。

新歴史紀行

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