前回は「忍武神・滝川一益の輝き〜織田四天王の一人としての矜持・日本の半分を支配していた織田家・緒戦で3倍の北条軍に打撃〜」の話でした。
戦場の駆け引きと「平地での3倍の敵」
はるかに劣る軍勢で北条家に挑み、緒戦は打撃を与えた滝川軍。
「頭脳」ならば、大軍勢であろうと北条家の各武将に対しても、
私が北条の武将を
叩き潰してみせる!
それだけの自信は、一益にあったに違いないでしょう。
戦場での駆け引きは、
私は天下一品なのだ!
滝川軍は18,000しか
いないぞ!
滝川軍18,000など、我が北条家の総力あげた
50,000を動員すれば、鎧袖一触よ!
「アウェーの滝川を潰すのは、いと易きこと」と舐めてかかった北条家。
押せ!押せ!
北条を叩き潰せ!
我こそ「天下の織田四天王」の
一人、滝川一益だ!
緒戦で、
打撃を受けただと・・・
何を
やっておるか!
関東武士の意地を
見せよ!
ところが、関東は平地が多く、特に決戦する神流川付近は「ほぼ平地」です。
我らにとって
かつての領土・上野の地理は分かっている!
最後は「数と数の戦い」になる
はずだから、負けるはずはないわ!
実際、緒戦で打撃を与えた滝川軍は「3倍の敵」に押されつつありました。
「本能寺の変」を諸将に伝えて鼓舞した滝川一益
神流川合戦の前に、滝川一益は重大な話を諸将にしました。
本能寺の変で、信長がこの世から消えた事実を、堂々と将兵に隠すことなく伝えた滝川一益。
北条との戦いの前に、
皆に伝えたきことがある・・・
上様、織田信長様は、
明智光秀の謀反により、自害された・・・
な、なんと・・・
信長様が・・・
これだけの大事件は隠そうにも隠せないですが、まだネットも電話もない時代。
情報は「人の手で伝わる」しか手段がありませんでした。
当時、後進地域だった関東地方にも、薄々と本能寺の変の事実が伝わっていました。
ところが、半信半疑の者も多かったのです。
信長様が明智光秀に
討たれたらしい・・・
明智光秀って、
織田家のNo.2だろ?
流石に、
それはないのではないか?
ガセネタじゃない
のか?
敵の謀略かも
知れん・・・
そのため、近畿から遠い関東では「本能寺の変を知る一般将兵」は少ない状況だったのです。
謀略ならば、
信長様に激怒されるでは済まないぞ・・・
うむ・・・
撤退が得意な信長様だからな・・・
ひょっとしたら、
明智に包囲されても脱出したのでは・・・
「信長健在」の嘘の手紙を乱発した羽柴秀吉
滝川が信忠の自刃まで伝えたかは、明らかではありません。
「絶対君主であった帝王・信長がこの世からいなくなった」時点で、織田家は大混乱です。
皆の者、
信長様は・・・
もはや、
この世の人に非ず・・・
な、
なんだって!
もう織田家は
終わりなのではないか?
中国大返しの際、羽柴秀吉の姿勢とは大違いです。
秀吉は、中川清秀らの有力な諸将に手紙を乱発した秀吉。
信長様は、
無事脱出したぞ!
上様(信長)は、
まだまだ健在!
秀吉は「大嘘の手紙」を乱発したのです。
頭を
使わなければ!
嘘をついても
良いのよ!勝てば!
人がついてくることが
大事なのだ!
秀吉と一益の、非常に対照的な姿勢が鮮明に出た瞬間でした。
次回は上記リンクです。