前回は「猛将・滝川一益が感じた織田家の将来〜滝川家再編成と北条家・長年の織田家の中核多岐に渡る高い能力とマイルドな性格・東国を従える関東管領へ〜」の話でした。
遊撃軍から方面軍司令官へ出世した滝川一益
急拡大した織田家において、古くからの宿老の立場の滝川一益。
桶狭間の戦いから、
20年あまり・・・
私も
もう57歳か・・・
名前 | 生年(一部諸説あり) |
柴田勝家 | 1522年 |
滝川一益 | 1525年 |
明智光秀 | 1528年 |
織田信長 | 1534年 |
丹羽長秀 | 1535年 |
羽柴秀吉 | 1537年 |
信長よりも9歳年上の滝川一益は、桶狭間の戦いでの大きな軍功はありませんが、この頃から活躍していたと考えられます。
高い軍事能力と忍者出身と言われる調略能力を兼ね備え、さらに鉄砲にも造詣が深かった滝川一益。
優れた武将がキラ星のごとくいら織田家においても、非常に貴重な存在でした。
私は、軍事能力が高く、
調略も得意なのだ!
クセが強かった柴田勝家・明智光秀・羽柴秀吉と比較すると、「マイルドな性格」だった滝川一益。
一益の奴は、
軍事に調略にと、とにかく使える・・・
我が織田家には、四方八方に
敵がおり、一時も油断がならん・・・
合戦は予想外のことが多く、
適宜援軍を送る遊撃隊は、絶対に必要だ・・・
その遊撃隊のボスとして、
滝川は最も最適だ!
最も早く「信長から城を拝領した」光秀や秀吉に対し、「遅れをとった」ように思われることが多い一益。
実は、滝川一益が「あまりに有能であり、性格もキツくなかった」ため、遊撃隊のボスとして長年活躍しました。
そして、ついに、
長年、余に仕えてきた一益にも、
方面軍司令官を任せてやろう・・・
一益に「華をもたせる」意味もあり、
一益よ!
信忠を補佐して、武田を討滅せよ!
はっは〜!
お任せを!
そして、信長の期待以上の活躍をして、武田を見事討滅した滝川一益。
一益よ!
関東管領となり、関東方面軍司令官となれ!
はっは〜!
お任せを!
この時、一益が、
それよりも、
茶器を頂きたいのですが・・・
茶器を拝領して「茶会を開く権利」を信長に要望したものの、
それは
別の機会に!
「信長に断られてしまった」という説もあります。
関東管領の栄華から急転直下:本能寺の変
「茶器の要望」を断られたとしても、とにかく方面軍司令官となった滝川一益。
いよいよ、名実ともに
織田家の屋台骨の一つだ!
関東管領として上野に入国した滝川一益は、意気揚々としていたでしょう。
北条家も従属し、関東を支配下に入れるのは「もはや容易いこと」でした。
もはや、関東は
支配したも同然!
安寧の気持ちで過ごしていたであろう滝川一益。
その滝川の元に、天地がひっくり返るような知らせが届きます。
本能寺の変でした。
これを聞いた時の一益の心境はどうだったでしょうか。
・・・・・
本能寺の変直前、織田家に従属同盟を結び、「滝川一益の指揮下に入っていた」かのように考えられていた北条家。
北条氏政は、
これまで通り、北条家は
滝川殿に従います・・・
「織田家に帰属する=従属する」姿勢を示しました。
一益は、少し胸を撫で下ろしたでしょう。
北条と徳川がいれば、
関東は問題なし!
関東制圧目論む北条氏政の裏切り:風魔の諜報
一度は関東管領格の滝川一益に従う姿勢を見せた北条家。
信長が
明智光秀に討たれたらしいが・・・
信長のことだ、
生きているかもしれん・・・
信長のいない織田家など
全然怖くないが・・・
ここで、本音を出して、
信長が生きていたら、大変なことになる・・・
老練な北条氏政は、打算的に様々考えます。
もし、織田に刃向かって、
信長が生きていたら・・・
我が北条家は、
武田家の如く、一瞬で潰されてしまうだろう・・・
とりあえず、情報を集めて、
織田の状況をしっかり掴まなければ・・・
こうして、じっくりと情報を集める北条家。
近畿から遠く、情報が集まるのは非常に不利な状況でしたが、北条家には強力な忍び軍団がいました。
風魔一族です。
おい、
風魔に命じて、情報を出来るだけ集めよ!
ははっ!
全ての風魔を動員します!
我が息子(氏政)は、
茶碗にかける汁の量も分からぬのか・・・
と名将であった「父・氏康を嘆かせた」と伝えられる氏政。
後年の、豊臣秀吉との戦いのこともあり「愚将」と評価されがちな氏政。
ところが、実際の北条氏政は、非常に老練な性格で、高い政治的能力を有していました。
大殿!風魔が
情報を集めました!
信長の死は、
間違いありません!
そうか!
信長は死んだか!
ならば・・・
やることは一つ!
北条が、我が配下の
ままであれば、関東は安心だ!
その一益の胸の内を、見計らったように北条家は突然裏切りました。
そして、大軍を総動員して滝川領へ攻め込んでゆきます。
はっは〜!
我が北条家の力を見よ!
こんなアウェーのところで味方も少なく、大大名とも言える北条家に攻められては、誰であっても敗北必至です。
味方としては真田昌幸がいますが、真田は配下になったばかりでした。
アウェーの地で、大大名を迎え撃つことになる滝川一益でした。
まだ関東に
来たばかりだったが・・・
まだ体制が整わぬ状況で
北条と戦うか・・・
次回は上記リンクです。