「黄金仮面」の異名を持つ宇垣纏参謀長からの「唐突の命令」〜新たな「ミッドウェー攻撃」に大いに奮う山口司令官・大いに困惑する南雲長官と草鹿参謀長〜|真珠湾奇襲攻撃67・太平洋戦争

前回は「Yamamotoの存在を極めて重視したキング司令官〜ひらめくキング司令官の瞳の先の島・ミッドウェー島防衛へ・最強の猛将ハルゼーの出番〜」の話でした。

目次

「黄金仮面」の異名を持つ宇垣纏参謀長からの「唐突の命令」

左上から時計回りに、山本五十六 連合艦隊司令長官、南雲忠一 第一航空艦隊司令長官、草鹿龍之介 第一航空艦隊参謀長、山口多聞 第二航空戦隊司令官(連合艦隊司令長官 別冊歴史読本 新人物往来社、歴史群像シリーズ 図説・戦国武将118 学研、Wikipedia)

「大戦果」を挙げて、意気揚々と内地(日本本土)へ帰還しようとしていた南雲長官と草鹿参謀長。

そこへ突然バシャっと冷や水を浴びせるような命令が、連合艦隊司令部から舞い込んできました。

山本長官の
命令を伝える!

機動部隊は、続けてミッドウェー島を
攻撃せよ!

連合艦隊司令部から「ミッドウェー攻撃」の命令を受けて、驚愕する草鹿第一航空艦隊参謀長。

ちょ、
ちょっと・・・

ちょっと
待ってください!

そんな話は、
なかったはずです!

宇垣纏 連合艦隊参謀長(連合艦隊司令長官 別冊歴史読本 新人物往来社)

何を
言っておるか!

山口司令官はじめ、ミッドウェー攻撃を
進言していただろう!

お前も
聞いていたはずだ!

態度が大きいことで、有名な宇垣参謀長。

海軍兵学校卒業期名前専門役職
32山本 五十六航空連合艦隊司令長官
40宇垣 纏大砲連合艦隊参謀長
41草鹿 龍之介航空第一航空艦隊参謀長
連合艦隊幹部の専門・役職・海軍兵学校卒業期(1941年12月)

海兵(海軍兵学校)40期卒業の宇垣は、41期卒業の草鹿の一つ上です。

そのこともあり、草鹿には「上から目線」を貫き通していた宇垣。

この「超険悪な仲」というより「草鹿が一方的に宇垣を嫌っていた」関係の二人は、不思議な関係となりました。

対米戦開戦時には宇垣が連合艦隊参謀長で、敗戦時には草鹿が連合艦隊参謀長となりました。

そして、特攻隊を指揮した宇垣第五航空艦隊司令長官が特攻(私兵特攻とも言われる)を仕掛け戦死した後、

私が後任の
新たな第五航空艦隊司令長官だ!

なんと草鹿が「宇垣の後任」となったのでした。

このように「ギクシャクしながら不思議な縁で結ばれた」宇垣と草鹿の二人。

この真珠湾奇襲攻撃でも、二人の間では不協和音がガンガン鳴り響きました。

突然命令を「上から目線」で言われた草鹿。

こういう時は、この高飛車な態度は「言われた側」に非常にこたえます。

いや、
その・・・

なぜ、突然こういう
展開になるんだ!

そもそも、言い方ってもんが
あるだろう!

だから、
宇垣さんは、大嫌いなのだ!

困った草鹿参謀長は、

とりあえず、
南雲さんに相談しなければ・・・

南雲司令長官に相談に行きます。

大いに困惑する南雲長官と草鹿参謀長

南雲忠一 第一航空艦隊司令長官(連合艦隊司令長官 別冊歴史読本 新人物往来社)

山本長官から、「ミッドウェーを攻撃せよ」との
命令が届きました・・・

はっ!?
なんだって!?

そんな話は
聞いてないぞ!

内地での作戦会議の際に、
山口司令官が主張していた話です。

それは、山口が勝手に
言っていただけだろう!

作戦計画には、
ないはずだ!

連合艦隊司令部に、
そう伝えてくれ!

はっ!
承知しました!

第一航空艦隊旗艦 空母赤城(Wikipedia)

南雲長官も「聞いていない」と
言っていますが・・・

この
馬鹿者!

・・・

くそっ!

作戦というのは、
時々刻々変化するのだ。

今、山本長官が
決定したのだ!

いいから、
今すぐに、ミッドウェーへ向かえ!

はあ・・・

新たな「ミッドウェー攻撃」に大いに奮う山口司令官

山口多聞 第二航空戦隊司令官(WIkipedia)

山口司令!

どうやら、連合艦隊司令部からも、
ミッドウェー攻撃命令が出た模様です。

そうか!

これは、
良い方向だ!

山本長官の
命令ならば・・・

南雲さんも草鹿も、従わざるを
得まい!

山本五十六 連合艦隊司令長官(連合艦隊司令長官 別冊歴史読本 新人物往来社)

南雲よ・・・

もう一撃!
任せたぞ!

山本五十六連合艦隊司令長官の命令は、南雲機動部隊にとっては「絶対」であるはずです。

新たな大きな任務を受けざるを得ない立場の、南雲機動部隊=第一航空艦隊でした。

新歴史紀行

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