前回は「真珠湾奇襲攻撃 62〜攻撃中止する米軍・キング・スターク・ハルゼー〜」の話でした。
大いに奮う赤城司令部


ハワイの米海軍の基地を、
思い切り叩いた!



戦艦を多数沈没させ、
基地・航空機を多数粉砕した!



大戦果だ!





大成功だな!
これほど
米海軍を叩くとは!
二階級特
進ものですな!



まさに
そうだな!
調子に乗りやすい草鹿参謀長のいる第一航空艦隊・赤城司令部は「お祭り騒ぎ」となりました。
山本長官の思い





米空母は不在で、
未だ健在・・・



ハワイの基地を徹底的に叩いた、
とは言えぬ攻撃・・・



本当に、本当に
これで終了で良いのだろうか・・・





山本長官。
これより、機動部隊は、内地へ帰還します。



往路とは
異なる進路を取ります。





うむ・・・
どこか浮かない表情の山本長官。



これで終了で
本当に良いのだろうか・・・
「前線の総指揮官」である連合艦隊司令長官の権限は、軍令部総長・海軍大臣より劣ります。
海兵卒業期 | 職名 | 氏名 |
28 | 軍令部総長 | 永野修身 |
32 | 海軍大臣 | 嶋田繁太郎 |
32 | 連合艦隊司令長官 | 山本五十六 |
この時、海軍大臣は山本と同期の嶋田繁太郎でした。
山本の方が戦歴・職歴共に大きな成果を上げており、卒業席次も山本が上であるため、山本が先任です。
そのため、海軍大臣・海軍省に対して、山本は一切の遠慮が不要な状況です。
「前線の最高指揮官」連合艦隊司令長官であるからには、山本長官が、



南雲長官に命令!
真珠湾を引き続き攻撃せよ!
と第一航空艦隊へ命令すれば済むことです。



それを
やるべきか、どうか・・・



もし、背後から温存されている
米空母の艦載機が襲いかかってきたら・・・



むう・・・・・
悩みに悩む山本長官。
荒れる第二航空戦隊





山口司令!
こんな不徹底な攻撃では、ダメです!



艦長の私の権限で、飛龍攻撃隊のみ、
石油タンクを攻撃します!





いや・・・・・



待て・・・



しかし・・・



緒戦で、「命令違反による軍法会議」は
避けなければ!



私はどうなっても良い。
しかし、連合艦隊全体の混乱は避けるべきだ。
ここで、山口司令官は発想を転換します。



どこか、他に具体的で戦果の大きい攻撃目標は
ないだろうか・・・



内地への帰投途中に、
米軍の拠点を叩けぬか・・・・・
一人虚空を睨み、唇を真一文字にし、考え込む山口司令官でした。