前回は「「第二次攻撃断念」に悲憤した山口司令官と加来艦長〜「真珠湾攻撃完了」の南雲長官と草鹿参謀長・自らに言い聞かせるようにつぶやいた山本五十六長官〜」の話でした。
不自然すぎる南雲機動部隊の動き
じっと、Nagumo機動部隊の動きを注視して、米海軍の動きを考えるキング司令官。
Nagumoは
一体今何を考えている?
正規空母だけで6隻という前代未聞の大艦隊である南雲機動部隊。
日本海軍および連合艦隊を舐めていた米海軍でしたが、ハワイ真珠湾は「思わぬ大打撃」を受けました。
これだけの大打撃を
受けていては・・・
我がUS海軍の戦死者は
1,000名を超えてしまうのでは・・・
4年ほど続いた第一次世界大戦の際、米軍の戦死者は約117,000人ほどと言われます。
それと比較しても、「たった一日」で「1,000名以上の米軍戦死者」というのは、
・・・・・
戦慄する思いのキング司令官。
実際には、後になって2,300名以上の戦死者が出たことが分かりました。
とにかく、「米軍創設以来の外部の敵による最大の攻撃」を受けている最中です。
ここで、Nagumoは
さらに我がUS海軍に「トドメ」を刺すのでは・・・
ずっとこう考えるキング司令官でしたが、それにしてはNagumoの動きが鈍すぎます。
そこに、連絡が入りました。
Nagumoに
動きがありました!
なにっ!?
なんだと!
そうか、
それで!?
どうも、転針して、
真珠湾から離れる動きです・・・
なに!
なんと、Nagumo機動部隊の空母部隊が「真珠湾から転針・離れる動きがある」報告です。
Nagumoは、真珠湾の石油タンク・工廠を
攻撃しないのか・・・
ここで、頭脳派のキング司令官は、別ルートでもNagumoの動きを確認します。
そちらでは、
Nagumoの動きはどうなのだ!
我々の見方でも、
Nagumoは真珠湾から離れつつあります!
分かった!
引き続き見張れ!
ははっ!
あまりに不自然すぎる南雲機動部隊の動きに、
一体、Nagumoの
真意はなんなのだ・・・
キング司令官も悩みます。
米海軍の猛烈な反撃:過ぎた機動部隊による第二次攻撃の戦機
この頃、真珠湾の米太平洋艦隊基地は、続々と反撃体制を整えていました。
我がUS海軍も
JapのNagumoに反撃しております!
着々とですが、
しっかりとした反撃体制を整えております!
よしっ!
分かった!
もはやこれ以上、
Japにやられっぱなしにはなりません!
これは、すでに我が軍に
第二次攻撃をする戦機は去ったな・・・
ここで、「Nagumoは第二次攻撃をしない」と判断したキング司令官。
スターク長官に対して、自分の考えを述べます。
Stark長官。
Nagumoは、攻撃完了の模様です。
なるほど、
そうか・・・
ところで、その情報は
正しいのだろうか?
二重に
確認済みです・・・
Nagumoが真珠湾から離れつつあるのは、
間違いなさそうです。
君がそう言うならば、
正しいのだろう・・・
ただし、Nagumoの考えが変わる可能性も
あるので、引き続き見張っております。
分かった。
Halseyに攻撃中止指令だ!
Yamamotoの考えを推測するキング司令官:イラつくハルゼー司令官
Halsey司令よ!
こちらStark!
はっ!
なんでしょうか?!
遂に
攻撃司令か?
Nagumoは、
第二次攻撃をしないようだ・・・
な、
なんですと!
ただ、まだ日本軍の動きは未定だ。
動きを見ながら判断する・・・
まずは攻撃は
中止だ!
はっ・・・
唇を噛むハルゼー司令官。
一度は「南雲退却・反転」と決定したキング司令官。
日本の奴らは、
このまま大人しく帰るのか?
いや・・・
まだ分からん・・・
やはり「異例すぎ、不自然すぎる」南雲機動部隊の動きに懸念を持ちます。
あれほど強力な部隊を
持っているNagumo・・・・
「敵基地」である我がUS基地を
わざわざ攻撃して・・・
基地の攻撃を
ここで止めるとは考えにくい・・・
ここで、太平洋の地図をじっと睨むキング司令官。
あのYamamotoが、
こんな手ぬるいことをするか?
それまで軍政側の海軍ばかりで、軍令部・連合艦隊の経験は少なかった山本五十六長官。
海軍兵学校卒業期 | 職責 | 名前 | ||
28 | 軍令部総長 | 永野修身 | ||
31 | 海軍大臣 | 及川古志郎 | ||
32 | 連合艦隊司令長官 | 山本五十六 |
「花形」と言われる連合艦隊司令長官でしたが、その権限は非常に小さく、狭いものでした。
そして、真珠湾奇襲攻撃決定時において、その「権限の序列」は明白でした。
海兵で「最も後輩」の山本が、「最も権限が弱い」連合艦隊司令長官だったのでした。
この「年功序列」という米海軍では「薄い概念」であった序列を、最も大事にした日本海軍。
日本国内で「超有名」であった山本五十六
山本五十六は、海軍省にいたために「海外との折衝」を数多く経験しました。
その過程で、
Yamamotoは、
他のJapaneseとは全然違うな・・・
Yamamotoは最も要注意で、
Japanの海軍で最も目をつけておく存在だ!
「Yamamotoは、他の日本人とは違う」考えが欧米、特に米国では非常に強かったのでした。
あのYamamotoの
ことだ・・・
何か別の指令を出しているかも
しれぬ・・・
長官。
引き続き、Nagumoの動きを監視します!
うむ、
そうしてくれ・・・
Halsey司令よ・・・
攻撃準備はしておいてもらいたい!
はっ・・・
俺の出番は
あるのか、ないのか?
攻撃するのか、
しないのか・・・
どっちなのか、
ハッキリしろ!
最前線にいて、「生命を張っている」立場の将兵を率いていたハルゼー司令官のイライラは続きます。
次回は上記リンクです。