前回は「真珠湾奇襲攻撃 60〜深読みする米司令部〜」の話でした。
赤城司令部・攻撃完了へ

第二航空戦隊の山口司令官が、赤城に「石油タンク・工廠攻撃」を直談判にくるのが中止となりました。
こうなると、もはや南雲長官と・草鹿参謀長の独壇場です。

長官。
そろそろ、攻撃完了の指令を!





うむ。



もたもたしていては、米軍から思わぬ
反撃を受けるやも知れませぬ。



よしっ!
攻撃完了の指令を!



承知しました。





各艦隊へ
無電!



真珠湾奇襲攻撃は
完了。



我が機動部隊は、速やかに
内地(日本本土)へ戻る。
ははっ!
悔しがる山口司令官・加来艦長


赤城より無電!





・・・・・
唇を噛む山口司令官。
内容は予想できます。



攻撃完了の
指令か・・・
真珠湾奇襲攻撃は完了。
内地(日本本土)へ戻る。



・・・・・


ここで、飛龍艦長にして、航空隊の本質を理解している加来艦長が、山口司令官に大いに詰め寄ります。



山口司令!
もはや飛龍だけで攻撃をしましょう!



いや・・・



山口司令!
今です!



山口司令!
今やらねば、真珠湾の石油タンク攻撃は、遠い未来に・・・



軍令違反は、
艦長の私が負います!
悩みに悩む山口司令。
「軍令違反の責任を負う」とまで主張する加来艦長の懇願するような要請。
「加来艦長が責任を負う」と言っても、軍令違反の場合は、山口司令官にも罰が下る可能性があります。



私は、
軍令違反となっても構わん!




どうしても気になるのは、「不在の米空母の所在位置」です。



米空母が
背後から襲ってきたら・・・



ここで、やりすぎることで、
万が一にでも多くの若者たちが・・
諦観するように目を瞑り、天を見上げる山口司令官。
そして、決断を下します。



艦隊が別行動をして、
米軍に隙を与えてはならぬ・・・



では、
諦めるのですか?



・・・・・
苦渋の表情を見せる山口司令官。



うむ・・・
山本長官の反応


赤城より
無電!



なんだ?
真珠湾奇襲攻撃は完了。
我らは内地(日本本土)へ戻る。



ふむう・・・





長官。
南雲長官は、第二次攻撃をしませんでしたな。



やむを得ぬ・・・



南雲は
そういう男だ・・・
真珠湾奇襲攻撃に関する、作戦・人事のドタバタを思い出す山本長官。



やはり、私が生命をかけてでも、
機動部隊を引っ張って行けば良かったか・・・



いや、
これでいいんだ・・・



無事に奇襲攻撃が完了しただけで、
よしとしなければ・・・
真珠湾から一転、内地(日本本土)へ針路を変え、戻ろうとする奇襲部隊でした。



これで
良かったのだ・・・
自らに言い聞かせるようにつぶやく山本長官でした。