前回は「真珠湾奇襲攻撃 44〜大衝撃受けるブル・ハルゼー・キンメル・アナポリス〜」でした。
唇噛む山口司令官

事前の諜報活動から、米空母発見を目論んでいた山口司令官。


日曜日には、米空母レキシントン・ホーネット共に
真珠湾にいるでしょう・・・
この諜報部員の情報から、海や月の自然現象を考慮して決定した12月8日の真珠湾奇襲攻撃。
攻撃に入る前には、



米空母レキシントン・ホーネットのうち、
どちらが真珠湾にいるか?



両方いてくれれば、なお良い
そう考えていた、山口司令官。




座乗する空母蒼龍で唇を噛みます。
ところが、
米空母は
不在です!



米空母が
不在だと・・・・・
想定していなかった「空母が真珠湾不在」の確報を聞き、愕然とします。
唇を噛んで、虚空を睨む山口司令。
山口司令官と草鹿参謀長
不在の米空母に対して、



米空母を
捜索すべし!
と赤城の第一航空艦隊司令部へ具申した山口司令官。





米空母捜索は
不要!
ところが、草鹿参謀長は山口司令官の具申をあっさり却下しました。
奇襲部隊において、航空派の大幹部である山口司令官と草鹿参謀長。
それぞれ海兵40期、41期です。
1期しか違いません。



敵戦艦を
これほど撃沈するとは!



大戦果だ!
草鹿参謀長は、敵戦艦を数多く撃沈し、
大いに勇んでいます!
自他共に認める「航空派の第一人者」である草鹿参謀長。
それに対して、山口司令官は中国大陸で陸上の海軍航空隊を指揮した、豊富な実績があります。
調子に乗りやすい草鹿参謀長に対して、現実的な山口司令官でした。
戦艦と空母
草鹿参謀長は、
大戦果を挙げた、と意気揚々です!
幕僚から、話を受ける山口司令官。



草鹿のバカめが!



空母がいなければ、
いくら戦艦を叩いたところで仕方ない・・・



敵戦艦を叩くために
巨大戦艦大和・武蔵を建造したのではないか・・・
日本海海戦以来、「敵を日本近海で迎撃する」方針を固く堅持してきた日本海軍。


戦艦大和は既にほとんど完成し、戦艦武蔵も間もなく完成します。





敵戦艦を叩くのは、
戦艦大和・武蔵の役目ではないのか!





戦艦に
空母は倒せない・・・



いかに大和・武蔵の巨砲といえども、
砲弾の射程範囲内に敵空母がいないからだ!



遠隔からの、猛烈な攻撃。
それこそが空母の本質。



これはまずい・・・
本当にまずい・・・・・
唇を噛み続ける山口司令官でした。