前回は「真珠湾奇襲攻撃 33〜戦艦から空母へ〜」でした。

米国民を対ドイツ・日本の大戦争へ向かわせるために、演説の内容で頭が一杯のルーズベルト大統領。

最高の民主主義である、我が米国。



米国では、政治において、演説は何より大事なのだ!
米国民を大いに鼓舞して、日本とドイツに向かわせなければなりません。
具体的な戦略は、ハル国務長官に陸海軍との調整を任せます。
陸海軍両方大事ですが、目下真珠湾で大損害を受けている米海軍の再起が最優先です。





米海軍のことは、キング司令官と相談せねば!



キング司令官の意見が第一だ!
そこで、後に米海軍の最高責任者となるキング司令官を呼んだのでした。


翌年1942年に米海軍作戦部長(総長)と合衆国艦隊司令長官を兼務するキング。
真珠湾奇襲攻撃時には、哨戒部隊司令官を務めていました。
そして、潜水艦を主軸とするドイツ海軍と「宣戦布告なき戦い」を戦い抜いていたのです。



ドイツのUボートは、厄介だ。
ルーズベルト大統領ら、政権首脳の信任が極めて厚い人物でした。



しかし、私がいれば、Uボートは退治できる。
国務長官室にやってきたキング司令官に、ハル国務長官は伝えます。



日本の奴らに対する、政治的なことは、
大統領と万全を期している。



米国民は、日本とドイツとの大戦争に、
大いに前向きになるだろう。



まずは、米海軍で大反撃を行うぞ!
しかし、ここでキング司令官は答えます。



ハル長官。お言葉を返すようですが・・・



我が米海軍の損害は、全く想定外のレベルです。



我が米海軍が、即座に大反撃という状況には、
全くありません。



なに?
顔をしかめるハル国務長官。
歴戦の士であり、空母レキシントン艦長も務め、自らパイロットの資格を持つ、航空部隊を知り尽くしたキング司令官。


キング司令官の思わぬ言葉に、大いに驚くハル長官でした。