前回は「遅すぎた宣戦布告〜国務省へ駆け込む野村大使・ハル国務長官の冷静な対応・万全体制だった米国の暗号解読・大喜びのチャーチル首相・米国という巨大ボイラー〜」の話でした。
トラ・トラ・トラ:猛攻撃続ける日本の航空部隊

奇襲攻撃ならぬ「騙し討ち攻撃」となってしまったハワイ真珠湾奇襲攻撃。
その理由は、米大使館の大失態により、ワシントンで全く想定外の事態が生じたことでした。
本来ならば、「乾坤一擲の奇襲攻撃」となるはずでした。

とにかく、
ハワイの戦艦を叩くのだ!
そんなことを、知る由もないハワイ奇襲部隊。
12月7日13:25(ワシントン時間、以下同様)に、真珠湾攻撃を開始します。


淵田美津雄第一航空艦隊赤城飛行長率いる攻撃隊は、猛烈な勢いで米艦隊を攻撃しました。


淵田美津雄中佐は、「我奇襲に成功せり!」を意味する伝聞を発信しました。



トラ・トラ・トラ!
攻撃の手を緩めることなく、さらなる攻撃を加えます。



ハワイを
叩きに叩くのだ!


攻撃を開始して間もない13:40頃に報告を受けた、山本長官たち連合艦隊司令部。





よしっ!
よくやった!
平素は、ジェントルマンのように穏やかな性格の山本長官。
「想定を上回る戦果」に大いに喜び、



南雲、山口、淵田たちは、
本当によくやった!
全身で喜びを露わにしました。
大喜びの永野総長と及川大臣と東條首相


艦隊司令部も軍令部も「想定を上回るほどの大戦果」に皆大騒ぎです。



山本、
やったな!
大喜びの永野軍令部総長。
東條内閣成立で海軍大臣は、山本長官と同期の嶋田繁太郎となりました。
真珠湾奇襲攻撃作戦決定時の及川古志郎前海軍大臣もまた、大喜びした。





だから司令長官は、
南雲で良かっただろう!



私の
言った通りだ!
普段は大人しい及川前海軍大臣もまた大興奮です。


東條英機首相兼陸軍大臣も大喜びです。



海軍は、米国相手に
大戦果を挙げたな!



だが、このままでは海軍ばかりに
デカい顔をされてしまう!



我が陸軍も
敵に猛攻撃せよ!
東條英機首相兼陸軍大臣は、陸軍にハッパかけました。
こうしている間にも、最前線から海軍指導部には次々と戦果報告が入電されてきます。


米戦艦・駆逐艦を次々と撃沈する予想を「上回る大戦果」です。


次々と米戦艦を沈める南雲長官率いる機動部隊の活躍に、連合艦隊司令部は皆狂喜です。
大戦果と見当たらぬ米空母:声を荒げる山本長官と不安な宇垣参謀長


普段、黄金仮面と言われるほど、傲岸な態度の宇垣参謀長。



山本長官!
やりましたな!



うむ・・・
頷く山本長官。
どことなく、表情が冴えませんでした。
山本長官には、「気になること」がありました。



戦艦や航空機を、これだけ撃破したのは
良いのだが・・・・・



敵空母は、
一体どうなっておるのだ?



そ、
それが・・・・・



どうやら、
敵空母はいないようです。





な、
なにっ!!!
思わず、怒声のような大声を張り上げる山本長官。
祝賀会ムードの連合艦隊司令部は、予想外の山本長官の大声に対し、思わずシーンとしました。
次回は上記リンクです。