前回は「真珠湾奇襲攻撃 24〜遅すぎた宣戦布告〜」でした。
ワシントンで全く想定外の事態が生じ、奇襲攻撃ならぬ「騙し討ち攻撃」となってしまったハワイ真珠湾奇襲攻撃。
本来ならば「乾坤一擲の奇襲攻撃」となるはずでした。

そんなことを知る由もないハワイ奇襲部隊。
12月7日13:25(ワシントン時間、以下同様)に、真珠湾攻撃を開始します。
淵田美津雄第一航空艦隊赤城飛行長率いる攻撃隊は、猛烈な勢いで米艦隊を攻撃します。


「我奇襲に成功せり」を意味する「トラ・トラ・トラ」の伝聞を発信した淵田美津雄中佐。
攻撃の手を緩めることなく、さらなる攻撃を加えます。

ハワイを叩きに叩くのだ!


攻撃を開始して間もない13:40頃に報告を受けた、山本長官たち連合艦隊司令部。





よくやった!
艦隊司令部も軍令部も「想定を上回るほどの大戦果」に皆大騒ぎです。





山本、やったな!
大喜びの永野軍令部総長。
東條内閣成立で海軍大臣は嶋田繁太郎となりましたが、真珠湾奇襲攻撃作戦決定時の及川古志郎前海軍大臣。





だから司令長官は、
南雲で良かっただろう。



私の言った通りだ!
普段は大人しい及川前海軍大臣も、また大興奮です


東條英機首相兼陸軍大臣も、大喜びです。



このままでは海軍ばかりにデカい顔をされてしまう。
我が陸軍も敵に猛攻撃せよ!
東條英機首相兼陸軍大臣は、陸軍にハッパかけます。
こうしている間にも、最前線から海軍指導部には次々と戦果報告が入電されてきます。
米戦艦・駆逐艦を次々と撃沈する予想を「上回る大戦果」です。




次々と米戦艦を沈める南雲長官率いる機動部隊の活躍に、連合艦隊司令部は皆狂喜です。
普段、黄金仮面と言われるほど、傲岸な態度の宇垣参謀長。





山本長官!
やりましたな!



うむ。
頷く山本長官。
しかし、気になることがありました。



戦艦や航空機を、これだけ撃破したのは
良いのだが・・・・・



敵空母は一体どうなっておるのだ?



それが・・・・・



どうやら、敵空母はいないようです。





なにっ!!!
思わず、怒声のような大声を張り上げる山本長官。
祝賀会ムードの連合艦隊司令部は、予想外の山本長官の大声に思わずシーンとします。