前回は「真珠湾奇襲攻撃 23〜遅れに遅れる宣戦布告・仰天するルーズベルト・ハル・キング〜」の話でした。
国務省へ駆け込む野村大使

当初、12月7日(ワシントン時間、以下同様)13時にハル国務長官に面会予約していた野村大使。

やっと、
文書の清書が完成した・・・
45分後にずらした13:45にすら、間に合いませんでした。



だが、約束の時間には、
もう間に合わない・・・



奇襲攻撃は、
予定通り開始しているのだろうか・・・
日本から米国への宣戦布告である「帝国政府見解」を持参した野村大使は、14:00頃にやっと米国務省に到着します。
野村大使は慌てふためいて、駆け込むようにハル国務長官の待つ部屋へ行きます。



遅れて
申し訳ございません。





いえ・・・



バカが、
待たせやがって!



Mr.Nomura,今日は、
何の御用でしょうか?
あくまで、「何も知らない」フリを貫くハル国務長官。



日本政府から
米政府への文書です。
そして、ハル国務長官に「帝国政府見解」を手渡します。
14:20頃のことでした。
ハル国務長官の対応
数日前から、この事態を想定していたハル国務長官。
真珠湾奇襲攻撃開始の13:25から40分経過後に、ハル国務長官に宣戦布告文書を手渡されます。



・・・・・
誰にも見せたことのない、非常に険しい表情をハル国務長官。
既に全文を傍受・解読・英訳された文書を読み、内容は全て事前に把握していたハル国務長官。
あたかも「初めて読んだかのように」装って、文書に目を通します。



・・・・・


この時には、米艦隊の想像を絶するような大損害が、次々とハル長官の元に報告されていました。
すでに「奇襲攻撃」ではなく「騙し打ち」になってしまった事実を知っている野村大使。
唇を噛んで、ハル国務長官の反応を見守ります。



遅かったか・・・
事前の傍受・解読内容とほぼ一致している文章を読んで、ハル国務長官は思います。



情報部から届いた文書と、
ほぼ一緒だ。



我が情報部の
傍受・解読能力は万全!
大損害に胸を痛めていたところに、情報部の能力の高さにほくそ笑むハル長官。



おっと、そうだった。
目の前のバカの相手もしなければな・・・
そして、ハル国務長官は目の前にいる野村大使に、極めて冷ややかに告げます。





私は、
50年の公職生活を通じて・・・



これほど恥知らずで、これほど
虚偽と歪曲に満ちた文書を見たことがない!



こんなに大掛かりな嘘と、こじつけを言い出す国が、
この世にあろうとは・・・・・



今の今まで
夢想だにもしなかったわ!



我ながら
名セリフだな!



はっ・・・



しまった。
遅かったか・・・
後悔する野村大使。
だが、全てが遅すぎたのです。



もう
お前には用がない!



日本政府のご意向は理解したので、
私から大統領に報告します。
そして、ハル国務長官は、追い出すように野村大使を去らせます。
前後策を協議するルーズベルト大統領とハル長官





今、Japanから最後通牒が、
届きました。



そうか!
これからだな!
ハル国務長官から連絡を受けたルーズベルト大統領。



奇襲攻撃どころか、
騙し打ちをしたJap!



どう
反撃してやろうか!
ルーズベルト大統領は、万全の手段を考えます。


この頃、ヒトラー率いるドイツ軍から連日猛烈な爆撃を受け続け、絶体絶命の崖っぷちに追い込まれていた大英帝国。



Europe全土を、
我がGermanyのものに!







Europe大陸が、
ほとんどGermany・Axisとなってしまった・・・



我がGreat Britainは負けん!
絶対に負けんぞ!
真珠湾で日本海軍が米海軍に猛烈な攻撃をしている間、奇襲攻撃の連絡を受けた地球の裏側のチャーチル首相。



ついに、Japanが
USを攻撃したか!



これで、
世界最強のUSが参戦する!



よし!
これで我がGreat Britainの勝利だ!



Hitlerめ!
見てろよ!
乾坤一擲の真珠湾奇襲攻撃は、山本五十六長官が予想だにしなかった方向に進みつつあったのでした。

