真珠湾奇襲攻撃 23〜トラ・トラ・トラと遅れに遅れる宣戦布告〜|太平洋戦争

前回は「真珠湾奇襲攻撃 22〜遅れる宣戦布告通達〜」でした。

野村吉三郎 米国大使(連合艦隊 勃興編上巻 世界文化社)

12月7日(ワシントン時間、以下同様)13時にハル国務長官に手渡すはずであった大事な文書。

「米国への宣戦布告=帝国政府見解」です。

面会時間を13:45に変更したが・・・

大使館員の不手際のため間に合わず、国務省へ連絡して面会を13:45にずらしてもらいます。

それにも間に合わない・・・

南雲忠一 第一航空艦隊司令長官(連合艦隊司令長官 別冊歴史読本 新人物往来社)

この連絡をした頃、ちょうど日本海軍正規空母6隻からは、膨大な数の日本の航空隊が発艦しました。

航空隊はハワイ真珠湾へ殺到し、米艦隊・米軍基地への攻撃を開始していました。

草鹿龍之介 第一航空艦隊参謀長(連合艦隊司令長官 別冊歴史読本 新人物往来社)

してやったり!

この時のために、飛行機に搭乗する戦闘員は猛烈な訓練を続けてきました。

無事に真珠湾付近に到達し、発艦を命じた山口第二航空戦隊司令官。

これはいける!

山口司令官も、勝利を確信します。

必死に防戦の指示をするキンメル米太平洋艦隊司令長官。

Husband Kimmlel米太平洋艦隊司令長官(Wikipedia)

突如来襲した数多くの日本軍戦闘機・爆撃機・雷撃機から猛烈な空襲を浴びる米海軍は恐慌状態となります。

野村大使からの面談を13:45に延期する連絡を受けたハル国務長官のもとに、驚愕の報告が上がってきます。

真珠湾の我が基地が、日本軍に奇襲攻撃されています!

なんだと!

日本の奴らめ。
そうきたか・・・

ハワイにおいて米太平洋艦隊・基地が、日本海軍の予想外の強烈な奇襲攻撃を受けている報告が上がってきます。

莫大な損害です。

なんと・・・

「想定を上回る」ほど、奇襲攻撃作戦が上手く行っています。

大勝利だ!

ハル国務長官の元には、予想を遥かに上回る損害がでている惨状が伝えられてきました。

ちょっと、この損害は・・・

真珠湾攻撃を危惧していたキング司令官の元にも、報告が届きます。

Ernest King司令官(Wikipedia)

次々と報告される、仰天するような大損害。キング司令官は「。」と慌てます。

これは話が違う・・・

流石に損害が大きすぎる。

奇襲攻撃を受けている報告が届いたルーズベルト大統領。

日本は、やっと攻撃してきたか。

これからだ!


しかし、米太平洋艦隊が予想外の大損害を受けていることを聞き、思わず眉をひそめます。

まさか日本海軍がここまで大規模に、
思い切った作戦を打ってくるとは。

海軍次官を務め、大統領である以上に、米海軍を統括している気持ちのルーズベルト大統領。

我が海軍が、壊滅させられる・・・

なんということだ・・・

日本を甘くみすぎたか・・・

山本五十六 連合艦隊司令長官(連合艦隊司令長官 別冊歴史読本 新人物往来社)

図上演習では、事前に米軍に見つかった奇襲攻撃部隊は、米軍に見つかることなくハワイへ無事到達します。

そして、第一次攻撃部隊は「トラ・トラ・トラ=我奇襲に成功せり」の電文を本国に送ります。

電文を受けた山本五十六司令長官。

よし!私の信念の勝ちだ!

予想だにしなかった甚大とも言える被害を受けている連絡が次々と入り、苛立つハル国務長官。

ハル国務長官は、野村大使のやってくるのを待ちます。

情報部は、米大使館に届いたばかりの14通目を含めた全ての電文が傍受・解読・英訳していました。

まだNomuraは、来ないのか?

Nomuraの要件も、文書も分かっている。

しかし、こちらから「会わぬ」わけにはいかない。

野村大使側の要望で、面会を遅らせた13:45になっても現れません。

Nomuraは、一体何を考えているのだ?

これも、日本の作戦か?

この非常時に、約束の時間に来ない野村大使の行動を深読みするハル国務長官。

情報部に、無電の傍受・解読をさらに強化して、日本の意図を探ろうと必死です。

日本の考えていることを、キャッチしろ!

承知しました!

まさか宣戦布告すらせずに、このまま戦争突入か?

日本の奴らは、そこまで国際法を無視するのか?

眉をひそめながら考える、ハル国務長官。

野村大使が来るであろう玄関口を、じっと睨みます。

Nomuraは来るのか、来ないのか?

来ないなら、それを日本は何か外交上利用するのか?

日本側にデメリットしかないと思うが・・・

14:00頃に、野村大使が米国務省に駆け込んでくるのが見えました。

ふん。バカがやっと来たか。

待たせやがって。

ハル国務長官の机の上には、ある文書が静かに置かれていたのでした。

その文書とは、まさに野村大使の持つ最後通告書と、ほぼ同内容の文書だったのです。

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