遅れに遅れた宣戦布告〜猛攻撃続ける南雲機動部隊・日本を甘く見ていたルーズベルト大統領・仰天するキング司令官・苛立ちながら待つハル国務長官・山本長官の信念のゆくえ〜|真珠湾奇襲攻撃23・太平洋戦争

前回は「宣戦布告文書を待つハル国務長官〜ルーズベルト大統領の狙い・遅れる宣戦布告通達・日本外務省からワシントン大使館へ・大混乱の大使館員たち・準備が全く出来てなかった野村大使〜」の話でした。

目次

遅れに遅れた宣戦布告:猛攻撃続ける南雲機動部隊

野村吉三郎 米国大使(連合艦隊 勃興編上巻 世界文化社)

12月7日(ワシントン時間、以下同様)13時にハル国務長官に手渡すはずであった大事な文書。

「米国への宣戦布告=帝国政府見解」です。

野村吉三郎

面会時間を
13:45に変更したが・・・

大使館員の不手際のため間に合わず、国務省へ連絡して面会を13:45にずらしてもらいます。

野村吉三郎

それにも
間に合わない・・・

南雲忠一 第一航空艦隊司令長官(連合艦隊司令長官 別冊歴史読本 新人物往来社)

この連絡をした頃、ちょうど日本海軍正規空母6隻からは、膨大な数の日本の航空隊が発艦しました。

航空隊はハワイ真珠湾へ殺到し、米艦隊・米軍基地への攻撃を開始していました。

草鹿龍之介 第一航空艦隊参謀長(連合艦隊司令長官 別冊歴史読本 新人物往来社)
草鹿龍之介

よしっ!
してやったり!

この時のために、飛行機に搭乗する戦闘員は猛烈な訓練を続けてきました。

無事に真珠湾付近に到達し、発艦を命じた山口第二航空戦隊司令官。

山口多聞

よしっ!
これはいける!

山口司令官も、勝利を確信します。

Husband Kimmlel米太平洋艦隊司令長官(Wikipedia)

必死に防戦の指示をする、キンメル米太平洋艦隊司令長官。

Kimmlel

こんな馬鹿な・・・
とにかく防戦せよ!

米海軍将兵P

し、しかしっ!
全く想定外の事態でして・・・

突如来襲した数多くの日本軍戦闘機・爆撃機・雷撃機から猛烈な空襲を浴びる米海軍は恐慌状態となりました。

日本を甘く見ていたルーズベルト大統領:仰天するキング司令官

Cordell Hull米国務長官(Wikipedia)

野村大使からの面談を13:45に延期する連絡を受けたハル国務長官。

Hull

Nomuraは、
一体いつ来るんだ?

イライラして待っているハルのもとに、驚愕の報告が上がってきます。

米政府幹部X

真珠湾の我が基地が、
Japan軍に奇襲攻撃されています!

Hull

な、
なんだと!

Hull

Japanの奴らめ。
そうきたか・・・

ハワイにおいて米太平洋艦隊・基地が、日本海軍の予想外の強烈な奇襲攻撃を受けている報告が上がってきます。

莫大な損害です。

Hull

なんと・・・

「想定を上回る」ほど、奇襲攻撃作戦が上手く行っています。

よしっ!
大勝利だ!

ハル国務長官の元には、予想を遥かに上回る損害がでている惨状が伝えられてきました。

Hull

ちょっと、
この損害は・・・

真珠湾攻撃を危惧していたキング司令官の元にも、報告が届きます。

Ernest King司令官(Wikipedia)

次々と報告される、仰天するような大損害。

キング司令官は大いに慌てます。

King

これは
話が違う・・・

King

流石に
損害が大きすぎる・・・

奇襲攻撃を受けている報告が届いたルーズベルト大統領。

Roosevelt

Japanは、
やっと攻撃してきたか!

Roosevelt

よしっ!
これからだ!


ところが、米太平洋艦隊が予想外の大損害を受けていることを聞き、思わず眉をひそめます。

Roosevelt

まさか日本海軍がここまで大規模に、
思い切った作戦を打ってくるとは・・・

Roosevelt

・・・・・

海軍次官を務めた経験を持ち、米海軍をこよなく愛していたルーズベルト大統領。

大統領である以上に、米海軍を統括している気持ちを持っていました。

Roosevelt

我が海軍が、
壊滅させられる・・・

Roosevelt

なんと、
なんということだ・・・

Roosevelt

Japanを、
甘くみすぎたか・・・

苛立ちながら待つハル国務長官:山本長官の信念のゆくえ

山本五十六 連合艦隊司令長官(連合艦隊司令長官 別冊歴史読本 新人物往来社)

図上演習では、事前に米軍に見つかった奇襲攻撃部隊は、米軍に見つかることなくハワイへ無事到達します。

そして、第一次攻撃部隊は「トラ・トラ・トラ=我奇襲に成功せり」の電文を本国に送ります。

電文を受けた山本五十六司令長官。

山本五十六

よし!
私の信念の勝ちだ!

大いに喜んで、勇みます。

山本五十六

米太平洋艦隊を
壊滅させるのだ!

山本五十六

米空母を、米空母を
叩き潰してこい!

予想だにしなかった甚大とも言える被害を受けている連絡が次々と入り、苛立つハル国務長官。

ハル国務長官は、野村大使のやってくるのを待ちます。

情報部は、米大使館に届いたばかりの14通目を含めた全ての電文が傍受・解読・英訳していました。

Hull

まだNomuraは、
来ないのか?

Hull

Nomuraの要件も、
文書も分かっている・・・

Hull

だが、こちらから
「会わぬ」わけにはいかない・・・

野村大使側の要望で、面会を遅らせた13:45になっても現れません。

Hull

Nomuraは、
一体何を考えているのだ?

Hull

これも、
Japanの作戦か?

この非常時に、約束の時間に来ない野村大使の行動を深読みするハル国務長官。

情報部に、無電の傍受・解読をさらに強化して、日本の意図を探ろうと必死です。

Hull

Japanの考えていることを、
キャッチしろ!

米政府幹部X

はっ、
承知しました!

Hull

まさか宣戦布告すらせずに、
このまま戦争突入か?

Hull

Japanの奴らは、
そこまで国際法を無視するのか?

眉をひそめながら考える、ハル国務長官。

野村大使が来るであろう玄関口を、じっと睨みます。

Hull

Nomuraは来るのか、
来ないのか?

Hull

来ないなら、
それをJapanは何か外交上利用するのか?

Hull

Japan側には、
デメリットしかないと思うが・・・

14:00頃に、野村大使が米国務省に駆け込んでくるのが見えました。

Hull

ふん・・・
バカがやっと来たか・・・

Hull

こんな時に、
待たせやがって・・・

ハル国務長官の机の上には、ある文書が静かに置かれていたのでした。

その文書とは、「ある文書」と「ほぼ同内容の文書」だったのです。

野村大使が持って、これから持参しようとしていた「最後通告書」と。

次回は上記リンクです。

新歴史紀行

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