真珠湾奇襲攻撃 15〜緊張する日米交渉と米国の思惑〜|太平洋戦争

前回は「真珠湾奇襲攻撃 14〜マッカーサーとルーズベルト〜」でした。

この間、日米交渉は続けられていました。

日本は、米国から「中国・南部仏印からの全面撤退」などの強硬な要求を受けます。

日米衝突回避を、必死に模索していた近衛文麿内閣。

近衛文麿 内閣総理大臣(Wikipedia)

超強気な、強硬派むき出しの東條英機陸軍大臣。

東條英機 内閣総理大臣兼陸軍大臣(国立国会図書館)

近衛のやり方は、甘すぎる!

もっと強く出なければ、日本はナメられてしまう!

私には、事態を収拾できない・・・

こんな内閣ダメだ!

俺は陸軍大臣を辞任する!

東條英機陸軍大臣の辞任により、倒閣してしまいます。

陸軍は、辞任した東條英機の後の陸軍大臣を出さなかったのです。

昭和天皇(Wikipedia)

ならば、東條よ。
お前が総理となり、陸軍を抑えよ。

そして、日本の国益を保持しながら、
対米戦争を回避せよ。

はっ!
承知致しました。

代わりに東條英機前陸軍大臣が、昭和天皇から組閣を命ぜられます。

なぜ、私が総理に選ばれたのだろうか?

天皇陛下の御下命とあらば、全身全霊で
職務に臨むのみ!

東條自身、不思議に思ったでしょう。

なんと言っても近衛内閣を倒した張本人です。

海外からは「悪の権化」のように扱われる東條英機内閣総理大臣。

根は真面目な実務肌の人物でした。

昭和天皇の命令を受け、当初東條内閣は米国との戦争と「交渉を続けて和戦」両方の道を模索していました。

なんとか対米戦を回避できぬか・・・

大本営政府連絡会議でも、議論は紛糾します。

御前会議において1941年12月1日までに日米合意できなければ、武力発動=宣戦布告ということに決まりました。

1943年 御前会議(Wikipedia)

中国やアジアで戦線を広げている陸軍は南方の米領フィリピン等を攻撃、海軍は真珠湾奇襲攻撃です。

米国とは協議を続けていた日本側の代表者は米国大使 野村吉三郎と二人目の大使 来栖三郎でした。

野村吉三郎 米国大使(連合艦隊 勃興編上巻 世界文化社)

日本側は米国との交渉を重視し「米国大使を二人」という異例の重厚な布陣で臨みました。

野村・来栖両大使と交渉した米国側担当者はハル国務長官です。

Cordell Hull米国務長官(Wikipedia)

米国は当時、ドイツに追い詰められていた英国からの度重なる戦争への参加要請を受けていました。

Winston Churchill英首相(Wikipedia)

ヒトラー率いるドイツが、強すぎる!

このままでは、大英帝国はやられてしまう。

なんとか、米国も参戦して欲しい!

懸命に、米国に参戦を要求するチャーチル英首相としては「」と考えていたのです。

米国さえ、こちらの陣営で参戦すれば、ドイツも日本も叩き潰せる。

ヨーロッパをヒトラー率いるドイツのものにさせるわけにいかない米国としては。

ヨーロッパを睨みながら、日本との戦争準備を着々と進めていました。

Adolf Hitler独総統(Wikipedia)

しかし、米国から日本に戦争を仕掛けるわけには行かない状況がありました。

異例の3選を遂げて、米国大統領となったルーズベルト米大統領。

Franklin Roosebelt米大統領(Wikipedia)

選挙で、米国民に公約していました。

米国の若者たちを、戦場に送らない!

厭戦ムードが強い米国。

ヨーロッパやアジアの戦争に、
なぜ米国の若者が命をかけて戦う必要があるのか。

ヨーロッパなら分かるが、アジアは米国に関係ない!

そうだ!

なぜ、はるばる太平洋の向こうのアジアの戦地に行って、
米国の若者が戦う必要があるのか。

そんな遠くは、米国とは関係ない!

米国民にとっては、「関係ないだろう。」というのが大勢でした。

自国民=米国民に対して「アジアの米領を日本から守る」という大義名分が必要です。

その最も分かりやすい大義名分があります。

「先に日本に米国を攻撃させる」ことです。

先に攻撃されれば、「自国及び自国民を守るために」大手を振るって参戦できます。

なんとか、先に日本に米国を攻撃させられないか。

考えてみましょう。

思案を練るルーズベルト米大統領とハル国務長官の二人。

米国は、日本側の外務省本省とワシントン大使館の間の無電の暗号を、ほぼ全て傍受・解読し手の内を読んでいました。

日本の動きは、手に取るように分かる。

あとは、彼らを挑発して、先制攻撃させれば良いですね。

どうしたら、日本は先に米国を攻撃してくるだろうか。

日本はいつ・どこを攻撃してくるか、ですね。

二人は虎視眈々と、日本を狙っていました。

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