前回は「真珠湾奇襲攻撃 10〜奮起する山本五十六〜」でした。

山本は決断します。

私自らが信長・謙信・義経を兼ねた存在とならん!



真珠湾に猛然と突撃、米太平洋艦隊を撃滅して、
大成功を納めてみせる!
織田信長となり、信長が大軍の今川軍に突っ込み今川義元を討ち取ったように。


上杉謙信となり、謙信が川中島の戦いで武田信玄の本陣に猛然と突撃したように。


そして、源義経となり、誰もが考えない急峻な崖を駆け降りるかの如く平家に突撃したように。


そもそも、第一航空艦隊旗艦の赤城は山本自身がかつて艦長として座乗していた艦船です。


赤城のことは知り尽くしており、愛着もあります。



私は、旗艦である空母赤城をよく知っている!
自分が司令長官として乗り込めば、操艦は艦長に任せますが、



奇襲作戦を押し切った当事者・責任者である
この山本が機動部隊を直卒する!
山本司令長官は、大いに意気込みます。
しかし、これには流石に、及川海軍大臣も永野軍令部総長も二人して猛反対します。





おい。山本。
いい加減にしろ。


山本長官が直卒して第一航空艦隊司令長官を兼務することは、攻撃隊としてはベストであることは間違いないこと。
しかし、永野総長・及川大臣からすると、



万が一、山本が戦死したら、
それこそ大変なことになるではないか。
山本長官自らハワイ真珠湾攻撃部隊の司令長官となることには、絶対に賛成しません。



山本の意気込みを信じて、
ハワイ真珠湾奇襲攻撃はやらせよう。



しかし、人事にはタッチするな。
永野総長と及川大臣は、二人タッグで猛然と反撃してきます。
そして、懸案の奇襲部隊の最高指揮官である第一航空艦隊司令長官。



山本でも小沢でもない。
南雲忠一のままだ。



南雲に任せろ。





これが日本海軍の制度であり、
この人事は絶対に曲げない。



流石にこれ以上、
私の意見を通すのは難しい。
山本長官もここに至り「これ以上は無理」と判断します。
そして、第一航空艦隊司令長官は「南雲忠一のまま」で作戦・人事が最終決着します。
海軍が日米交渉断念の場合の先制攻撃:ハワイ真珠湾奇襲攻撃の作戦・人事で大荒れの中。


外務省及び米国大使館では、日米交渉が進められていました。